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それなりに怖い話。  作者: 只野誠


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さんびきのふくろう

 とある男の田舎の怪談、いや、昔話と言ったものに、三匹のフクロウと言う話がある。

 夜遅く山間の道を通っていると、なにやら話し声が聞こえてくる。

 その話声の方へ行くと、高い木に三匹のフクロウが並んで止まっているのだと言う。


 その三匹のフクロウが、人の言葉で話し合っているのだと言う。


 一匹は昨日のことを話している。

 一匹は今日のことを話している。

 最後一匹は明日のことを話していると言う。


 昨日のことも、今日のことも確かに起きた出来事だ。

 ならば、明日のこともきっと起きる出来事なのだろうと、聞いていると、今日のことを話していたフクロウが急に言うのだ。


 今、我らは盗み聞きされている、と。


 そして、フクロウの視線がその者を向いて飛び掛かって来て殺される、と言う話だ。


 だが、おかしな話だ。

 殺されてしまうのであれば、なぜこんな話が伝わっているのかと。


 それはフクロウの話を少しだけ聞いてすぐに物音も立てずに逃げ出せば殺されずに済むからだ。

 注意するのは、今日のフクロウの話と明日のフクロウの話だ。


 明日のフクロウが、あなたの死を話していたら助からない。

 この時点で逃げても無駄だ。

 フクロウの話は絶対本当におこることなのだから。


 また今日のフクロウがあなたが盗み聞きしていることを話しても気づかれて殺される。


 この三匹のフクロウに出会ったら、一つ二つくらいの話を聞いて、そっとその場を離れるのが良いそうだ。

 それで明日の良い事でも聞けたら、幸運と思う事だ。

 ただ明日のフクロウが悪い事を言っていても、それを避けることはできないと言う。

 絶対に、なにがあっても避けることのできない未来なのだと言う。


 フクロウたちの話を長々と聞いても、ろくなことはない。

 いや、きっと最初から聞くべきではないのだ。





さんびきのふくろう【完】

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