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それなりに怖い話。  作者: 只野誠


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つくえのした

 少女は高校生だ。

 来年には受験で今も夜遅くまで勉強している。


 ため息をつきながら机に向かい受験勉強をしている。


 ただ最近、自室で勉強をしているとどこからともなく視線を感じる。

 部屋の中を見回すのだが、もちろん誰もいない。


 だけど、誰かに見られている。

 少女はそう感じていた。

 机に向かっているとなぜかなにかと視線が合う、そんな感じすらするのだ。


 なにか嫌なものを感じていた少女は、部屋の中をもう首と上半身を動かして一度見回る。

 何もない。

 普段の自分の部屋だ。


 少し受験勉強でストレスでも溜まっているのかもしれない。

 少女はそう思うことにした。

 そして、机に視線を戻したときだ。

 

 目が合ったのだ。


 机の下に、机と自分の脚の間の闇に、目だけが浮かんでいる。

 目玉ではない。

 目だ。人の目が、人の目だけが、机の下の暗がりに浮かんでいたのだ。


 少女は思考を停止させる。

 叫ぶこともできなかった。

 ただただ驚き、思考を完全に停止してしまった。


 少女は思考を停止したまま、その目を見続けた。

 机の下の目も少女を見続ける。


 少女は何を思ったか、手に持っていたシャーペンでその目をためらわずに刺した。

 そうすると、机の下の目は闇の中へと消えていった。


 それからも度々机の下に目が現れる。


 塩を盛ったり、神社やお寺でお札を買って来たが効果はない。

 一番効果があるのはシャーペンで目を突き刺すことだ。

 それで消えていく。


 それも面倒になった少女は、小学校の頃使っていたコンパスを紐で机の下にぶら下げる様にした。

 それで目はもう現れなくなった。


 ただ、今はたまに少女の脚にコンパスの針が刺さるくらいだ。




つくえのした【完】

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