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それなりに怖い話。  作者: 只野誠


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くびつりざか

 通学路に細い竹藪の坂がある。

 そこで一人の老人が首を吊った。


 それは本当にあった出来事だ。


 けれども、それに付随する話の真相は不明だ。

 そんなことがあったことから、学生たちの間ではその坂は首吊り坂と言われている。

 老人が首を吊った夕方の時間帯にそこを通ると、今も首を括った姿でギィギィと音を立てて、縄に吊られた状態で揺れている姿が見れるのだと言う。


 何人もの生徒がそれを見ている。

 当時の生徒たちは卒業して新入生になっても、その噂も、それを見たという生徒も絶えない。


 そこでその場所に小さな社が建てられた。

 それからは、それを見たと言う生徒は少なくなっていった。


 ただ、その噂だけは学校に残っていった。




 更に数年が経ち、その噂に新しい噂が加わる。




 見上入道の話を知っているだろうか。

 要点だけ話すと、見上げれば見上げるほど大きくなる存在で、見ている人は後ろに倒れてしまう。

 そんな妖怪だ。


 それと同じように、その首を括った縄がどこから垂れてきているのかと、見上げていくと、後ろに倒れてしまう。

 そんな噂が付けたされていた。


 ついでに噂ではその縄は空から垂れているとのことだ。

 死んで天国には行けたが、自殺だったので、たまに天国から降りて来る、なんて話だ。


 噂は噂だ。

 噂は絶えないが、実際に見た生徒となると、急に誰も声を上げなくなる。


 ただ、そういう事件があったという事だけは本当の話だ。

 



くびつりざか【完】

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