人界人物録 【リアニ・カリス・ミシェル・グラニ編】
以下の資料は、熾天使シエルをはじめとした天界で最も腕の立つ者たちが、人界の者たちの戦いの腕や持ち合わせる素質などを、客観的に評価したものである。
評価段階は五段階に分かれ、劣悪、低劣、平凡、卓越、超越の順に評価されている。
なおこの評価はシエルが人界へ降り立った時の物であり、今後この評価が大きく覆る可能性は十分にある。
リアニ【”希望”の加護を授かりし者】
筋力:劣悪
体力:平凡
魔力:??
精神:卓越
才能:超越
頭脳:卓越
【熾天使シエルの所見】
人間種で十一歳の若さにしてその魔力の才能は他者を圧倒的に凌駕している。”希望”の加護も相まって、彼女が保有する魔力の量は未知数であり、今後それはとどまることなく増え続けていくものと思われる。
しかし魔力の才に反して、その体は脆く、十分な栄養や睡眠がとれていないと思われるため、今後彼女の生活の面でのサポートは彼女のためにも必須となるだろう。
彼女の精神は同じ年代の者と比べると幾分か優れており、恐らく彼女の身の回りで起きた事例がその精神を強くした、あるいは多少の事では動じなくなってしまったのだろう。子供らしからぬ反応にどこか違和感、言い換えれば変な大人っぽさを感じることがある。
周囲の魔力やその魔力に乗せられた感情を読み解くことに長けており、アスモの一件ではその才能を存分に発揮し、機転を利かせて世界を窮地から救って見せた。
頭の回転は速い方で、複雑な状況も瞬時に飲み込んだり、新たな魔法の開発にも貢献したりしている。(私が語った終わりの使徒の話は理解せずに友人のミシェルと遊んでいた模様)
その容姿はとても愛らしく、サラサラな銀色の髪に輝く青色の瞳、整った愛らしい顔立ちは周りの者を魅了し、彼女の性格も相まってか、非常に大切にされている。中には少し度を過ぎている者もいるようだが……まあ可愛いしその気持ちはよくわかる。
しかし”希望”の力をまだ数パーセントほどしか扱えていないため、これからその力を開花させていくことに全力を注いでいき、人界の皆様や私たち天界の者たちの大きな力となってくれることに期待する。
カリス【”終焉の魔女”を名乗る者】
筋力:平凡
体力:卓越
魔力:卓越
精神:卓越
才能:超越
頭脳:超越
【熾天使カミュエルの所見】
人間種の二十一歳でこれほどの才を持ったものは人界の中ではかなり珍しいだろう。魔力の量は他者より優れている程度だが、その扱いが上手く無駄な魔力を最小限に抑えているため、超越にも匹敵する。
特別体を鍛えているということは無いようで、その体につく筋力は一般のそれと変わりなく、戦いでその力を振るうことはまずないだろう。一人で暮らしていた期間が長かったこともあり、生活に関しては特に言うことはない。
僕たち”組織”の命令の下、各地を飛び回っていたおかげか、体力はそこそこついたようだ。(この”組織”の件に関しては”組織”の最高責任者である僕が直々に謝罪に出向く必要がある)
精神は上記の件もあってか、多少の事では動じないが、自分の感情に飲まれることも何度かあるようで、その際は口調が荒っぽくなったり、他人をやたら煽るような言動が増えたりする。戦いにおいては、自分を律することができないのは大きな問題になり得るため、改善は必須である。
魔法の才には光る物があり、彼女の父親の影響か、魔法具に関しては人界一の才能を携えていると言っても過言ではない。
またルーメンの部族スワヴォータの者たちと交流があるらしく、彼らの独自の言語や魔法、生活様式などに理解があるようで、一般には理解しがたい物を当然のように頭に入れていることから、彼女の頭脳の面での才能もうかがえる。
彼女がなぜ”終焉の魔女”を名乗っているのかは未だに謎であり、我々にもその理由を明かそうとはしてくれなかった。
容姿は妹のリアニと少し似ており、サラサラの銀髪を持つ。大きく違うのは彼女の目の色で、妹が青色なのに対して彼女は赤い瞳を持っている。端正な顔立ちは親譲りだろうか。妹よりも大人びたその顔と体つきは、妹のように周りを魅了するも、彼女の心は妹一筋であり、他はほぼ眼中にないといった様子。
妹を大事にしすぎるその気持ちはわからなくもないが、駄々をこねるのは勘弁してほしい。
(もう君も立派な大人だよね……?)
ミシェル【逸般人】
筋力:平凡
体力:卓越
魔力:劣悪
精神:平凡
才能:超越
頭脳:超越
【熾天使フィグミエルの所見】
人間種の十二歳にして町で飲食店の手伝いをしていた女の子。その実は魔法や勉学などの才にあふれ、人界の学校と呼ばれる場所では、貴族の連中を差し置いて常に首位を取り続けていた。(それに納得がいかなかった者たちにいじめを受けていたことがある模様)
筋力は特別なところはないが、仕事で鍛えられたのであろうか、体力は同年代の者たちよりも幾分か優れているようである。生活に関しては特に料理の腕が凄く、ルーメンで三人で暮らしていたころはその腕を存分に振るっていたようである。(機会があれば私も一度食べてみたい……)
魔力の才能に関しては全くないと言っていいが、魔法の才能に関してはそれが問題にならないほどの物であり、魔法の才能だけでリアニ、カリスと肩を並べる者である。
その裏には血の滲むような努力があったのだろう。
魔法を学ぶことにかなり意欲的であり、今後もその才能を伸ばしていくことだろう。
精神に関しては人並みであり、若干打たれ弱い部分も散見されるため、そこはフォローが必要になることもあるだろう。
才能に関しては魔力を除いて言うまでもなく、”天才”と言われても過言ではない。
また飲食店での経験故か、複雑な状況にも一つ一つ丁寧に対処できる頭脳を持ち合わせており、また、言われたことを飲み込む速さが尋常じゃなく、時々周囲を驚かせることがある。
容姿に関してもさすがは店の看板娘なだけあって、かなり愛らしい。赤色の髪は手入れが行き届いており、よく後ろでまとめ上げていることが多い。クリっとした黒くて丸い瞳は彼女のチャーミングポイントであることに間違いはないだろう。
カリス同様、彼女もリアニをかなり大事に思っており、その感情は友情を超えたものだと読み取れる。
(私は百合は大歓迎なのでぜひとも今後の彼女たちの様子を見守っていきたい)
グラニ【最後のドラコニス】
筋力:超越
体力:超越
魔力:卓越
精神:卓越
才能:卓越
頭脳:超越
【熾天使ミミエルの所見】
年齢不詳のドラコニスの女性で、ミアルバーチェの軍の総指揮官イーバンダの副官。正直私の目には彼よりも実力に関しては彼女の方がはるかに上だと映るのだが、まあその地位に彼女自身が納得しているようなので、特に口出ししたりはしないことにする。
ドラコニスという種族なだけあって、その筋力と体力は彼女の容姿からは想像もつかないほど強大なものであり、戦いの場においては大きな武器になり得るだろう。生活の面も特別口を出すような問題点は無いように見受けられる。
身体的な面が優れている上に、魔力の才能の面でも一般の者を上回る物を持ち合わせているようで、全てが高水準に纏まっている。まさに人界の要ともいえる存在だろう。
ちょっとやそっとの事では動じない精神を持ち合わせており、とある作戦会議ではその冷静さを存分に見せつけた模様。
才能、頭脳の面でも特に言うことは無く、人界にこれほど完璧な者がいることに驚きを隠せない。
中身だけでなく外見も文句なしのものであり、ドラコニス特有の角と、金色の長髪は見るものを釘付けにし、その美しい顔立ちと整った体のラインはまさに”美女”というにふさわしい。しかし彼女の赤く鋭い目は有象無象に向けられることは滅多にない。
彼女を夢中にさせているのは、やはりリアニである。彼女の可愛らしさはグラニでさえ虜にするのだが、その実は彼女の妹の存在も大きな要因の一つであると考えられる。
彼女にはエレナという妹がいたのだが、カルミアレの地にてメフィスの魔法の巻き添えとなり亡くなっている。その子とリアニの顔が酷似しているとのことで、リアニはグラニからもとても大切にされている。
未だドラコニス本来の力を発揮しきれていないようなので、これからシエルの指導の下、その力を存分に発揮できるようになることに期待する。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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