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【74話】氷◾️青の契約


◾️◾️氷歌視点◾️◾️

挿絵(By みてみん)


中庭に出ると

心地良すぎる昼の光が私たちを照らしてくる


【鷹】

「・・・救われた・・・あの人の強さに」


中庭の中心で足を止め

私に目を向けることなく小さく言葉を告げ


【鷹】

「・・・そして・・・お前の強さにも救われた」


そう言って振り返り

真っ直ぐに私に目を向けた


【氷歌】

「・・・私はなにも」


【鷹】

「・・・俺だけだったらあの人の命を救う事はできなかった・・・お前があの人の未来を救ったんだ」


そう言って深く目をつぶり


【鷹】

「・・・お礼にお前に選ばせてやるよ」


ニコッと笑った


【鷹】

「・・・この先の道を俺と共に歩むなら・・・お前は人の命を天秤にかけることになる・・・今回のように・・・お前が人の命を奪い、命を助ける事になるんだ」


そう言って、真っ直ぐな視線を私に向けた


【鷹】

「・・・お前に命を選ぶ事ができるか?」


・・・人の命を人が奪っていいはずない


・・・どんな人間でも

・・・人を殺すのは罪だ


・・・でも

・・・私は


【氷歌】

「・・・私が選ぶ事でしか救えない命があるのなら・・・私は選びます」


・・・人に苦しみを与える命と

・・・人に幸せを与える命なら


・・・私は

・・・人に幸せを与える命を選ぶ


・・・例え、それが罪だと言われても


【鷹】

「・・・ん・・・じゃあ~だして」


そう言ってニコッと笑った


【氷歌】

「・・・え?・・・なにをですか?」


【鷹】

「ん~?誓錠せいじょうに決まってるだろ?」


私の言葉に少し首をかしげながら返された


・・・せいじょう?


・・・誓錠は

・・・契約の証


【氷歌】

「っ私と契約してくださるんですか!?」


驚きのあまり大きな声をあげた


【鷹】

「うん、いいよ~」


【氷歌】

「・・・本当によろしいんですか?・・・私で」


軽くお答えになる鷹様に更にお尋ねした


【鷹】

「・・・後悔したくないからね」


そんな私に少し視線を下げながら返して来られた


【鷹】

「・・・もう二度とこんな後悔したくない・・・だから、俺は後悔しない完璧な道を歩きたいんだ」


そう言って私に視線を向け


【鷹】

「・・・お前が俺の後ろにいると、俺は前だけを見て歩ける気がするんだよ」


自信があるようにニコッと笑い


【鷹】

「お前が俺の背中を守ってくれるなら、俺は自分の信じる道を迷うことなく進める気がする、だから、俺と契約してくれるか?」


まっすぐな言葉を私にくれた


・・・そんな真っ直ぐに向けてくれる自信が心強く

・・・私を必要としてくれるその言葉が嬉しくて


【氷歌】

「・・・ありがとうございますっ!」


涙をこらえて頭を下げた

そして、鷹様に真っ直ぐに手を差し出し


手に魔力を込めた

私の魔力に反応するように淡い水色の光が私の手を包み

何処までも響く様な金属が弾く様な音があたりに響いた


その音と光が消えると

私の手のひらの上にはシルバーの太いリング

誓錠せいじょうが残された


私の手の平に乗る誓錠を挟むように鷹様が私の手に手を乗せ


【鷹】

「・・・氷歌・・・俺と契約し、誰にも屈さない無二の技能者になってくれ」


溢れ出す自信を感じる真っ直ぐな言葉を告げた


それに反応するように重ねた手から光輝くような冷気がうねりをあげた


【氷歌】

「・・・我が名は氷歌」


目をつぶり、誓錠に祈りを込めた


【氷歌】

「・・・この者を主と認め、この者の命を担う事を・・・これに誓う」


二度と揺るがない想いを込め、宣言した


私の言葉に反応し

輝く冷気が激しいうねりを上げ、私と鷹様の右手から流れるようにお互いの右耳に集まり音もなく弾け飛んだ


その弾けた後の私と鷹様の耳の上部には契約の証

誓錠がしっかりと光り輝いていた


【氷歌】

「・・・・・・・・」


そして、契約によって解放された魔力が体を覆うのが分かった


【鷹】

「・・・一気に上がったな?」


そんな私に笑顔で言葉をかけ


【鷹】

「改めてよろしくな、氷歌」


そう言って、鷹様らしい笑顔で笑った



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