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【73話】氷◾️誰よりも綺麗な人


◾️◾️氷歌視点◾️◾️

挿絵(By みてみん)



・・・拭う事もなく女性は流れるように涙を流している


・・・いや

・・・拭うこともできない


・・・手という自らの意思で動かせるかけがえの無い自由を失ったのだから


【氷歌】

「・・・・・・・・・・」


・・・もし、私があの時一瞬の迷いもない指揮官を殺していたら


・・・私にできたことをしてあげていたら


・・・この人が手を失う事もなかったのに


【氷歌】

「・・・・・・・・っ」


・・・私のせいだ


【氷歌】

「・・・・っごめんなさい」


どうして良いか分からず深く頭を下げて謝った


【氷歌】

「・・・本当に・・・本当にすみませんでしたっ!」


・・・謝ってどうなる事でもない


・・・許してもらえるとも思わない


【氷歌】

「・・・すみませんでしたっ!」


・・・それでも私には謝る事しかできない


【女性】

「・・・私も・・・謝ったんです」


そんな私に女性は震える声で言葉を続けた


【女性】

「・・・お母さん・・・もう・・・手をつないであげられない・・・もう、抱きしめてあげられないのって・・・私も・・・息子に謝ったんです」


そう言って私達に視線を向けた


【女性】

「・・・そしたら、息子は「僕がお母さんを抱きしめるから大丈夫だよ」って笑ってくれたんです」


そう言ってはにかんだ様な笑顔を向けてくれた


【女性】

「・・・私すごく嬉しくてっ・・・小さな体で私を励ましてくれる息子が恋しくて・・・だから・・・私、生きててよかったって・・・思えたんです」


震える声で告げた女性の目からは大粒の涙が溢れて



【女性】

「・・・私の命と・・・かけがえのない息子の命を助けてくれて・・・ありがとうございました」


優しい笑顔を私たちに向けてくれた


【女性】

「・・・大切な幸せを・・・守ってくれてありがとう」


そんな女性の笑顔に

心に染み込むような優しい言葉に


【氷歌】

「っ・・・・・・」


私は涙が止まらなかった


【男の子】

「おかあさん!」


ドアを開けて男の子が部屋に入ってきた


そして、輝くような笑顔で女性に抱きついた


そんな男の子を見る女性の顔はとても優しくて


今まで見てきたどんなに着飾った女性よりも


美しくキラキラと輝いて見えた


【鷹】

「・・・行こう」


私に小さく言葉を告げ、鷹様は頭を深く下げ部屋を出た

それに続くように私ももう一度深く頭を下げて廊下に出た


【鷹】

「・・・・・・泣きすぎ」


自分でも驚く程に涙を流す私に呆れたようにつぶやいた


【氷歌】

「・・・恨まれると思ってたのに・・・お礼を言われるなんて・・・思わなくてっ」


止めることのできない涙を拭きながら搾り出すように言葉を返した


・・・絶対に文句を言われると思った

・・・責められると思った


【氷歌】

「・・・私のせいなのにっ!・・・私がもっと早く判断出来ていたら!・・・目を離さなかったら!・・・あの人が腕を失わなかったのにっ!」


【鷹】

「・・・・・・お前のせいじゃない」


私の言葉に鷹様は小さくつぶやき


【鷹】

「・・・俺のせいだ」


そう言って私に背を向け


【鷹】

「・・・・・・ついてこい」


ゆっくりと廊下を歩き始めた


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