【71話】青◾️嫌いな理由
◾️◾️鷹視点◾️◾️
いつものリビングのいつもの席
【鷹】
「そしたらさ~、そいつが俺に毛虫を向けてくるんだよ~、もう最悪だろ?」
向かいに座って食事をしている氷歌に言葉を向けた
【氷歌】
「それはいけませんね、精神的苦痛です」
俺の言葉に頷きながら返してきた
【鷹】
「元々偉そうな奴だったんだけどさ~ルナがいると更に偉そうになんの、かっこつけちゃってさ~キモいだろ?」
【氷歌】
「・・・少しだけお聞きしてもよろしいですか?」
珍しく氷歌が俺の話に言葉を挟んできた
【鷹】
「ん?なに?」
【氷歌】
「・・・どうして・・・鷹様はその男を・・・今は・・・対立されているのですか?」
少し言葉を選ぶように視線をそらしながら訪ねてきた
【鷹】
「・・・・・・泣いたからだよ・・・アイツが」
そんな氷歌の言葉で
【鷹】
「・・・ルナを助けられなくてごめんって・・・ごめんごめんって泣き叫んだ」
・・・その時の感情が湧き上がってきた
【鷹】
「・・・まるで全てを拒絶するように・・・全てから逃げるように」
抑えられない憎しみを込めながら言葉を続けた
【鷹】
「・・・俺からも逃げるように・・・泣き叫んだんだ」
・・・いや
・・・あの時、あの瞬間から
・・・アイツは今も逃げ続けてる
【鷹】
「・・・おかしいだろ?・・・アイツが泣くなんて・・・ルナはまだ死んでないのに・・・怯えまくってさ」
・・・あの時、一番怖い思いをしたのはアイツじゃない
・・・一番怯えていたのも
・・・助けて欲しいと願ったのも
・・・アイツじゃない
・・・ルナだったはずだ
【鷹】
「・・・ルナを助けようと言う感情より・・・自分が人から責められる恐怖の感情が勝った・・・だから、アイツは・・・もうダメなんだよ」
・・・アイツはあの時から変わった
・・・未だに恐怖の感情に縛られている
・・・そんな奴は俺たちに必要ない
【鷹】
「・・・だから今度は俺が前に立つ」
・・・誰よりも
・・・アイツよりも
・・・だから
【鷹】
「・・・俺は絶対にアイツにだけは負けない」
・・・もう二度と誰かの後ろに隠れたりしない
【氷歌】
「・・・大丈夫です」
突然、俺の話を黙って聞いていた氷歌が小さくつぶやいた
【氷歌】
「・・・鷹様は絶対に負けたりしません・・・私が保証します」
そして、自信溢れる笑顔で断言した
「・・・失礼します」
突然、扉がノックされメガネ幹部がダイニングに入ってきた
【メガネ】
「・・・被害者の女性が目を覚まされました」
そして、軽く頭を下げながら言葉を続けた
【メガネ】
「・・・女性に対する被害はお二人に原因があると思いますので・・・頭を下げ謝罪していただけますか?」
そう言って真剣な表情を俺たちに向けた
【氷歌】
「・・・鷹様が出向く必要はないです・・・私の責任ですから」
幹部の言葉に氷歌が静かに席を立った
【鷹】
「・・・いや、俺も行くよ・・・俺の注意が足らなかった事が一番の原因だからな」
そんな氷歌に合わせるように俺も席を立った
俺たちが立ち上がると幹部は誘導するように廊下を歩き始めた




