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【70話】氷◾️最高の未来



◾️◾️氷歌視点◾️◾️

挿絵(By みてみん)



【氷歌】

「・・・はぁ・・・はぁ」


鷹様の部屋の前で上がった息を整え


【氷歌】

「・・・・・っ」


焦る気持ちを抑えつつドアをノックした

・・・でも、部屋から返答はない


【氷歌】

「・・・・・・・・」


・・・もしかして、またお休みになられたのだろうか?


・・・どうしよう

・・・勝手に入ってしまおうか?


「・・・なにやってんの?」


そんな時、背中に声が聞こえた

振り返るとそこにはフードを深く被るいつもの鷹様の姿


【氷歌】

「っ鷹様・・・・・」


その元気なお姿に心から安心した


【氷歌】

「・・・大丈夫ですか?・・・どこか・・・痛みはありませんか?」


でも、まだ安心はできない

・・・ご無理をされているかも知れない


【鷹】

「・・・別に・・・関係なくない?」


そんな私にそっけなく返された


・・・そう言えば

・・・殺されかけてまともに話をするのは今回が初めてだった


【氷歌】

「・・・あのっ」


【鷹】

「・・・疲れたから部屋に入っていい?」


私の言葉を塞ぐように鷹様が自室のドアを開けた


【鷹】

「っ・・・・・・・」


その瞬間、鷹様の表情が変わった


「・・・お久しぶり、最近会えなくて寂しかったわ」


何故か部屋の中から女性の声が聞こえて来る

鷹様の視線を追うように部屋の中を覗くと


・・・見慣れない女性の姿

・・・姿だけならとても綺麗な女性だ

・・・見るからに上等な装飾をつけている


【氷歌】

「・・・困ります、勝手に部屋に入られては」


その女性に常識的注意をしてあげた


「・・・まだ契約もしてない技能者が随分偉そうな口をきくのね?・・・私を誰だと思ってるの?」


が、私を睨みつけ固定文の様な威圧的な言葉で返してきた


【氷歌】

「・・・・・・」


そんな態度に私の感が働いた


・・・おそらく、この人がミーナの言っていたレジーナと言うお嬢様だろう

・・・相当な地位のある人間じゃないとここまで性格は歪まないわ


・・・悪女の見本のような女ね


【鷹】

「・・・なんの用だ?」


女性に目を向けることなく鷹様がお尋ねになられた


【レジーナ】

「縁談を断り続けてるって聞いたから、ご褒美をあげようと思って」


優しい笑みを浮かべゆっくりと鷹様に近づいて来る


【レジーナ】

「その点では貴女にも褒美をあげないとね?この子に纏わり付く虫を追い払ってくれてるみたいだから」


そう言って私にも笑顔を向けた

・・・その笑顔に言いようのない寒気を感じた


【鷹】

「・・・お前、そんなに俺に抱いてほしいのか?自分が惨めだとは思わないのか?」


そんな女性を見下すように笑って返している


・・・本当鷹様の言うとおりだわ

・・・どいつもこいつも猫なで声で鷹様に言い寄って

・・・恥を知りなさい!


【レジーナ】

「・・・思わないわね・・・貴方に抱いてほしいから」


が、そんな鷹様の言葉をからかうように返した

そして、私の前に立つ鷹様に体を寄せる女から香水の匂いが漂ってくる


・・・匂いがきついわ

・・・どうして如何わしい女はみんな香水が強いのだろう?


【鷹】

「・・・お前程度の女を俺が相手にすると思うか?」


そんな臭い女にいつものように半笑いで返している


【レジーナ】

「私程度の女も抱けないの?」


が、そんな鷹様の言葉にまたしてもからかうように返している


・・・なんか、鷹様の言葉を予想しているかのような返しね

・・・ちょっと不愉快だわ


【鷹】

「・・・・・・・・・」


そんな女の視線から逃げるように鷹様は視線を下げた


・・・なんか

・・・ちょっと鷹様の様子がおかしい


・・・まるで

・・・怯えているようだ


・・・それほどまでにこの女性の地位は高いのだろうか?


【レジーナ】

「・・・貴方は彼の変わりに私を抱かなきゃいけないのよ、その責任が貴方にはあるんだから」


そう言って鷹様の目を真っ直ぐに見つめている


レジーナ「・・・だって・・・貴方しか残らなかったんだから・・・仕方ないのよ」


そう言って妖艶に微笑んだ


・・・言葉から考えて

・・・亡くなられたお兄様の事を言っているのだろう


・・・なんとなく、その言葉に不快感を感じた


・・・まるで

・・・そう

・・・洗脳でもしているかのようだ


・・・この人がどれだけの地位を持ち、権力を持ってるかは知らないけど


・・・鷹様をあざ笑うような態度がちょっと

・・・いや

・・・かなり不愉快よ


氷歌「・・・お言葉を返すようで申し訳ありませんが」


女の作り出した空気を割くように言葉を発した


氷歌「・・・お兄様と婚約されていたからと言って弟に責任を取らせると言うのは些か傲慢が過ぎるのではないでしょうか?」


自分の思ったままを、思ったままの言葉で告げた


【鷹】

「っ・・・・・・・・」


そんな私の言動に鷹様は少し驚いたように視線を向けてきた


【氷歌】

「・・・他の方との話にしても貴女様の為にお断りしている訳ではありませんので褒美をいただく理由もありません」


そんな鷹様の視線が少し気になったが更なる言葉を女に向けた


レジーナ「・・・こちらがどれだけ支援をしてきたか知ってる?」


苛立ったように言葉を返してきた


レジーナ「・・・婚約があっての支援だったのに死んだからごめんなさいじゃ済まないのよ?」


氷歌「・・・だから体で支払えとでも仰るのですか?それではまるで何処かの性悪な独裁者ではないでしょうか?」


憎しみを込めるような女の言葉にキッパリと意見を述べた


レジーナ「・・・たかが技能者が・・・分かったような事言わないで」


が、さっきまでの強気な言葉と違い

静かに発した女の声が怯えたように震え始め


【鷹】

「・・・・・・・・・」


そんな女から視線を外すように鷹様は視線を下げた


【レジーナ】

「・・・このままだと・・・このままだと私が責任を取らされるのよっ!私は何もしてないのに!私は悪くないのに!」


悲痛な表情で声を荒げる女は恐怖に怯えているようにも感じた


【氷歌】

「・・・・・・・・・」


突然の変わりように戸惑いを隠せず、言葉を返す事ができなかった


【レジーナ】

「・・・下がりなさい・・・これは命令よ」


そして、怯えたように震えたままの声で脅すように私に言葉を向けてくる


【氷歌】

「・・・・・・・・・」


・・・もしかしたら

・・・鷹様のお兄様と婚約された時に考えられない程の支援をこの家に送っていたのかも知れない


・・・だから、その支援と言う名の負債をこの女性は全て背をわされているのかも知れない


・・・そして、この女性はその負債の罰として酷い仕打ちを受けるのかもしれない


【鷹】

「・・・・・・・・・」


それが分かっているからこそ鷹様はなにも言えないのかもしれない


【氷歌】

「・・・・・・・・・」


・・・でも

・・・それでも


・・・私は


【氷歌】

「・・・私に命令できるのはあるじとなる方、ただ一人です」


・・・身の程知らずだと罵られても

・・・周囲から批判を受けたとしても


【氷歌】

「貴女に命令される覚えはありません」


・・・私は私のあるじとなる人の為に一番の行動をしてあげたい


・・・それが私に求められる私の姿


・・・私だけの場所だから


【氷歌】

「これから大切な公務がありますのでお引取り願います」


そして、女性の顔を避けるように頭を下げながら部屋のドアを開け促した


【レジーナ】

「・・・貴女分かってないわね、全てにおいて最良の未来を捨てる事になるのよ?」


そんな私に憎しみを込める言葉を返してくる

その言葉は今までに感じたことない自信と威圧感を感じた


・・・だけど私は

・・・もう、誰にも屈しないと決めた


【氷歌】

「では、その最良の未来よりも良い最高の未来を

私は鷹様と共に創りあげて見せます」


・・・私の前を堂々と歩いてくれる人がいるから

・・・その後ろ自信を持って歩いていたいから


・・・私は誰からも逃げない

・・・絶対に目を逸らさない


・・・そう決めたんだ


【レジーナ】

「・・・・・・・・・」


そんな私の言葉に深い憎しみで私を睨みつけ


【レジーナ】

「・・・しっかり覚えておきなさい・・・いつか必ず全てを後悔する時が来るから・・・貴方たちが幸せそうに暮らしている時にね?」


予告するような言葉を残し、女は部屋を出て行った


【鷹】

「・・・・・・・・・」


そんな私の行動を少し驚いた様子で鷹様は見ていた


【氷歌】

「・・・少し言葉が過ぎましたか?」


鷹様の視線に不安を感じ尋ねた


【鷹】

「・・・・・・・・・」


そんな私から少し戸惑った様子で視線をそらし


【鷹】

「・・・いいのか?あの女を怒らせちゃって」


少し怯えた様子で訪ねてきた


【氷歌】

「問題ありません、私が処理しておきます」


キッパリと鷹様に言葉をお返しした


・・・この程度の事なら問題ない

・・・美羽様の方が素敵な方だったとか適当な言い訳をすればいい


【鷹】

「・・・なんであんな事したんだよ?」


【氷歌】

「あのような卑しい女性は鷹様には合わないと判断しました、もう二度とこのような事がないように処理させていただきます」


・・・鷹様の部屋に許可なく入るなんて

・・・信じられない無礼だ


・・・秘書として、技能者として二度とこんな事は無いようにしないと


【鷹】

「・・・急に自信家になったんだな?」


はっきりと言葉を返す私に少し笑いながらお言葉を返して下さった


・・・そんな鷹様の笑顔に少し懐かしさを感じた


【氷歌】

「私は他の誰でもなく鷹様に選ばれましたから」


その笑顔に嬉しさを込めながら言葉を返した


【鷹】

「・・・家に帰るんじゃないの?」


そんな私を少しからかうように言葉を返された


・・・確かに

・・・怖く感じて逃げてしまいそうな時もあった


・・・いや

・・・今でも少し怖い


【氷歌】

「・・・私は・・・もう逃げません」


・・・でも

・・・私に逃げ道なんて必要ない


【氷歌】

「・・・私を選んでくださった鷹様の目は節穴ではない、それを私自身で必ず証明して見せます」


・・・しっかりと目を開けば

・・・私の前には真っ直ぐに伸びる道があるから


【鷹】

「・・・お前にそんな事できんの?」


鷹様はそんな私の言葉に少し視線を下げた


【氷歌】

「・・・もう誰にも遠慮はしません、堂々と鷹様の後ろを歩かせていただきます」


・・・誰に遠慮する事も

・・・誰に恥じることもない


【氷歌】

「・・・誰がなんと言おうと私は鷹様の言葉だけを・・・鷹様だけを信じます、絶対に」


・・・その言葉にもう迷いはない

・・・もう二度と信じるべき背中を見失ったりしない


【鷹】

「・・・なんか・・・お前・・・面白いな?」


はっきりと言葉を返した私に鷹様らしい笑顔で返して下さった


【氷歌】

「・・・鷹様の技能者になる人間ですからね」


その言葉に胸を張ってお返した


【鷹】

「・・・・・・・・・・」


そんな私の言葉に鷹様はゆっくりと目をつぶり


【鷹】

「・・・ありがと」


とても優しく私に言葉をくれた


・・・鷹様からお礼を言われるなんて

・・・初めてかも知れない


・・・でも


【氷歌】

「・・・どうして、お礼を頂いたのでしょうか?」


何故お礼を言われたのか分からなかった


【鷹】

「・・・ん~・・・俺を信じてくれる事・・・それとあの女を追っ払ってくれた事かな」


私の言葉に苦笑いで答えて下さった


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