表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/77

【6話】氷◾️陽差しを集めた場所


挿絵(By みてみん)



周囲を見回しながら森の中を進んで行く


・・・どこに行かれたのだろう?

・・・こんな森の中を当てなく探すのは広すぎる

・・・でも、私はこの周辺に土地勘はないし

・・・困った


「・・・・・・・」


・・・でも


「・・・・・・・」


・・・何故か私は一筋の道を辿るように森の中を歩いていた


「・・・・・・・」


足を止めた私の前に広がったのは

心地よい日差しを一心に集めたような場所


・・・あの日の場所


「・・・氷歌?」


突然、名前を呼ばれ振り向くと

心地よい日差しの中に立つ

私と同じ10代半ばくらいの男の人


・・・深い青髪を隠す様に服に付いたフードを被りルルーカ軍の上着を肩に羽織ったお姿

・・・間違いない


【氷歌】「鷹様!!」


探していた人物を見つけ思わず声をあげた


【鷹】

「へ~?よくここ分かったな?」


【氷歌】

「探したんですよ!勝手に行動されては困ります!」


笑いながら言葉を向ける鷹様に焦りを押さえながら返した


【鷹】

「ん~?いいじゃん別に~今は休憩時間だろ?」


【氷歌】

「出掛けられる時は私に一声かけて下さい!私もお供しますから!」


胸を張るように笑顔で言葉を返した


【鷹】

「仕事に来た訳じゃないから別に付いてこなくていいって」


【氷歌】

「そうはいきません!」


流すような鷹様の言葉をビシッと否定し


【氷歌】

「私は鷹様の技能者です!どんな時も鷹様をお守りするのが私の役目なんです!」


胸を張り宣言した


【鷹】

「まだ契約はないしてないだろ?今はまだ試験中だ」


が、つまらなそうに返されてしまった


・・・確かに私達はまだ正式に契約をしていない

・・・でも


【氷歌】

「・・・だからこそ、私はお側に付いていたいんです」


・・・私は絶対に鷹様と契約を交わしたい

・・・その為には少しでも鷹様のお役に立たなければいけない


【鷹】

「・・・まぁ、別にいいけど」


そう言って鷹様は空を見上げた


【鷹】

「・・・・・・」


【氷歌】

「・・・・・・」


・・・その鷹様の横顔は

・・・今まで見たことがないくらい優しい顔

・・・なのに

・・・何故かとても悲しそうに見えた


【鷹】

「・・・・・・時間だな」


が、すぐに鷹様は森へと歩きだした


【氷歌】

「・・・・・・」


私もそのあとに続いた

・・・休憩時間と言っても1時間も無いはず

たった数分を過ごす為にわざわざここまで来られたのだろうか?


【氷歌】

「・・・あの・・・鷹様は何故ここに来られたのですか?」


前を歩く鷹様の背中に尋ねた


【鷹】

「・・・・・・待ち合わせしてるんだよ」


私に顔を向ける事なく声だけで返られた


・・・待ち合わせか

・・・なら待ってないとマズイわよね

・・・でも、これから会議だし

・・・私は鷹様に付いていたいし


【氷歌】

「・・・では、誰か使いを待たせましょうか?鷹様の時間が空くまで待たせるよう手配させます」


考えられる最良の提案をした


【鷹】

「・・・しなくていい」


が、あっさりと断られてしまった


【氷歌】

「・・・ですが、待ち合わせなら」


【鷹】

「・・・俺じゃないと意味無いんだよ」


私の言葉を塞ぐように鷹様が言葉を重ねた


【鷹】

「・・・俺が待ってないと意味無い」


・・・鷹様と待ち合わせしているのだから

鷹様がいないと意味無いかもしれないけど

・・・待ちぼうけさせるよりは他の人を手配した方が良いのではないだろうか?


【氷歌】

「・・・・・・」


・・・それとも人にバレたくない人と待ち合わせしているのだろうか?

・・・もしや、逢い引き?

・・・お年頃だからその可能性もあるかも知れない


・・・この場合、私はどうするべきなのかしら?

・・・鷹様の立場を考えたらその辺の娘と恋愛なんて許されないだろう

・・・なら、やはり鷹様のお父様に報告すべきかしら?

・・・でも、私は鷹様直属の配下、技能者

だから、どんな時も鷹様のご意志を尊重するべき


でも!変な女に騙されてる可能性だってあかもしれない!

・・・その場合は鷹様のご意志を無視してでも鷹様の立場をお守りすべきよね?


【氷歌】

「・・・・・・・」


・・・人に使えるって意外と難しいかも知れない


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ