【68話】青◾️任務失敗
◾️◾️鷹視点◾️◾️
目を開けると
いつもの自分の部屋が広がった
【ミーナ】
「お目覚めですか~?」
そんな俺に明るい声をかけてくるミーナに視線だけ向けた
【ミーナ】
「まだしゃべれないかな~?」
何も言葉を返さない俺に苦笑いを向け
自身の身につけた魔法石を手にとった
【ゼル】
「・・・起きたのか?」
しばらくすると、淡く光った魔法石からオヤジの声が聞こえた
【ミーナ】
「はい、起きたみたいですよ、まだ会話はできないかもですけど」
ミーナが返事を返したが
【ミーナ】
「・・・・・・もしもし?ゼル様聞こえてます~?」
オヤジからの返答はない
【ミーナ】
「あれ~?またどっか壊れたのかしら?」
不思議そうに首をかしげた瞬間
部屋の扉が勢いよく開いた
【ゼル】
「・・・鷹・・・大丈夫か?」
慌てたように部屋に入ってきたオヤジが不安を隠せない様子で俺に言葉をかけてきた
・・・でも、まだ体は動かせそうにない
【鷹】
「・・・ん~・・・大丈夫みたい」
寝たまま痛みの残る笑顔で言葉を返した
【ゼル】
「・・・良かった・・・本当に」
そんな俺に安心したように優しく微笑んだ
【ミーナ】
「・・・では、私は薬をとってきますね」
軽くオヤジに頭を下げながらミーナは部屋を出て行った
【鷹】
「・・・俺・・・失敗しちゃった?」
苦笑いでオヤジに尋ねた
【ゼル】
「・・・・・・どっちの言葉で返して欲しい?」
【鷹】
「・・・ん~・・・上司としてかな?」
俺の言葉に少し視線をそらし
【ゼル】
「・・・成功とは言えない・・・指揮官を殺さず生け捕りが望ましかったからね・・・生存者の為と言っても事前にしっかり周囲に目を配ればそれを防ぐ事も出来たはずだ・・・任務中はもっとしっかり集中して挑む事を心がけろ」
上司としての意見を聞かせてくれた
・・・やっぱ、あの指揮官は死んだのか
・・・まぁ、白目むいてたし予想はしてたけどね
【ゼル】
「・・・ただ、指揮官を生け捕りにしても得られる情報はなかっただろう・・・生存者の命を最優先した判断は正しかったと思うよ」
そう言って俺に笑顔を向けた
【鷹】
「・・・それって・・・どっちの言葉?」
【ゼル】
「ん~・・・どっちかな?俺にも分からないね」
笑顔で尋ねた俺の言葉に困ったような笑顔で返してきた
【氷歌】
「・・・正しい判断をしたのは俺じゃない・・・氷歌だ・・・だから、その言葉は氷歌に言ってやってよ」
・・・俺だけだったら女性を助ける事はできなかっただろう
・・・なら、完全に失敗だったって事だな
・・・なにやってんだろうね
・・・俺は
【ゼル】
「ん~・・・言いたいんだけど・・・なかなかその隙がなくてね」
【鷹】
「・・・やっぱ文句言われてんだ?・・・指揮官を殺しちゃった事」
意味深なオヤジの言葉に聞き返した
【ゼル】
「・・・それもあるけど・・・生存者を無傷で助けられなかった事も責められてるね・・・そして、お前に深傷を負わせた事もな」
・・・今回はかなり苛められてるみたいだな
【鷹】
「・・・助けてやんないの?・・・気に入ってるんでしょ?・・・アイツの事」
【ゼル】
「・・・止めに入ったんだけど・・・逆に注意されちゃったんだよね、氷歌に」
そう言って少し嬉しそうに笑った
【ゼル】
「俺が庇う事で他の人間に遠慮され文句を言われなくなるのは嫌なんだって・・・俺の後ろには隠れたくないってはっきり言われちゃったよ」
【鷹】
「・・・・・・・・・」
【ゼル】
「・・・昔、お前に似た様な事を言われたなって懐かしくなっちゃったよ」
・・・上の人間にビビりまくってたアイツがオヤジに言葉を返すなんて
・・・意外だね
【鷹】
「・・・・・・・・・・」
・・・まぁ
・・・俺にはもう関係ないからどうでもいいけど




