【56話】元秘書の証言
◾️◾️氷歌視点◾️◾️
【元秘書】
「・・・最悪」
屋敷の中に入ると追い出したはずの秘書の姿があった
【元秘書】
「・・・ちょっと忘れ物取りに来ただけよ・・・もう帰るからそこ退いてくれる?」
私を見るなり歪んだ顔で命令してくる
【氷歌】
「・・・ちょっと、聞きたい事があるんだけど」
が、今の私にはそんなのどうでも良かった
【元秘書】
「・・・なに?」
【氷歌】
「・・・鷹様が・・・探してる人がいるって話を知ってる?」
なんと訪ねたらいいか分からず、回りくどい言い方になってしまった
【元秘書】
「・・・・・・白髪の女でしょ」
が、そんな私の言葉でも理解ができたようだ
【元秘書】
「・・・ここに来る前から噂は聞いてたけど・・・やっぱり普通じゃないわよね・・・鷹様って」
そして、苛立った様子で話を始めた
【元秘書】
「・・・夜な夜な出かけてはその子を探して森を歩いてるし・・・まるで昨日の事のようにその子の話をするし・・・ルナだと名乗りをあげた女を殺そうとしてたし・・・気味悪いほどその子に執着してるしね」
【氷歌】
「・・・ちょっと・・・言い過ぎよ」
どんどん出てくる言葉を止めるように言葉を挟んだ
【元秘書】
「・・・全部私が使えていた時に自分の目で見た事よ?言い足りないくらいだわ」
吐き捨てるように言葉を返してきた
【元秘書】
「・・・貴女も鷹様と契約するなら気をつけた方がいいわよ・・・変な病気が感染らないように」
鼻で笑うように告げ、外へと出て行った
【氷歌】
「・・・・・・なによ・・・アイツ」
・・・昨日まで、鷹様に媚ってたくせに
・・・急に態度を変えて
【氷歌】
「・・・・・・・・」
・・・別に鷹様は悪くないわ
・・・昨日の事のように昔の楽しかった思い出を思い出す事だってあって良いし
・・・ルナだと名乗りをあげた女なんて殴ってもいいわよ
・・・嘘で名乗りを上げるような人間なんだから
【氷歌】
「・・・・・・・・」
・・・でも、夜な夜な森を歩いていると言うのは本当なのかしら?
・・・どうしてそんな事を?
・・・その白髪の女性に会う為だろうか?
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【氷歌】
「・・・・・・・・・」
ダイニングに入ると誰の姿も無かった
・・・鷹様はお部屋かしら?
・・・もしかして、また待ち合わせに
【氷歌】
「・・・・・・・・・」
・・・鷹様の口からしっかり話を聞きたい
・・・人から聞く話なんて大抵嘘が混じってるものなんだから
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