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【55話】氷◾️白髪の女の子


◾️◾️氷歌視点◾️◾️

挿絵(By みてみん)



ふと、ミーナに目を向けると


【ミーナ】

「う~っ!!」


・・・号泣していた


【氷歌】

「・・・なに泣いてんのよ?」


その姿に呆れながら言葉をかけた


【ミーナ】

「だってっ!美羽ちゃんがっ!優しすぎて!切なくてっ!可哀想なんだもんっ!」


私の言葉に更に涙を流し、応えてきた


【ミーナ】

「ねぇ!氷歌から鷹くんに言ってやってよ!美羽ちゃんと結婚してあげてって!このままだと美羽ちゃんどっかの男と政略結婚させられちゃうのよ!」


詰め寄るように私に叫んできた

・・・そんなこと言われても


【氷歌】

「・・・そんなの無理に決まってるでしょ」


【ミーナ】

「美羽ちゃんの何がダメだって言うのよ!あんないい子、世界中探してもいないわよ!奇跡の産物なのよ!」


・・・その気持ちは分からなくない

・・・でも


【氷歌】

「・・・皆が幸せになれる世界なんてないわ・・・誰かが幸せになれば・・・必ず誰かの心に影が落ちるものよ」


・・・恋愛とはそう言うものだと思う


【ミーナ】

「誰が幸せになるのよ!こんなの誰も幸せにならないわ!」


【氷歌】

「・・・鷹様と鷹様が想いを寄せてる女性は幸せになれるでしょ・・・仮に美羽様と鷹様が結ばれればその女性が可哀想な事になるわ」


・・・どっちに転んでも誰かは悲しむ、仕方ない事だけど、切ないわね


【ミーナ】

「なるわけないでしょ!」


私の言葉に泣きながら声を上げ


【ミーナ】

「そんな子いる訳ない!存在しないわよ!」


訳の分からない言葉を叫んできた


・・・どうやらミーナは鷹様が結婚を避ける為にでまかせを言っていると思っているようだ


【氷歌】

「・・・本当に鷹様には意中の相手がいるのよ」


そんなミーナに呆れながら言葉を返した


【ミーナ】

「・・・見たことないでしょ?」


が、そんな私にミーナの涙が止まった


【ミーナ】

「・・・氷歌はその子を見たことないでしょ?」


そして、少し怯えたように見える表情を私に向けた


【氷歌】

「・・・見たことはないけど・・・鷹様は話を聞いた事はあるわよ」


そんなミーナに少し戸惑いながら言葉を返した


【ミーナ】

「・・・その話ってさ・・・今じゃないでしょ?」


が、更に表情を曇らせた


【ミーナ】

「・・・鷹くんの話に出てくるその子は子供の頃の話ばかりじゃない?」


【氷歌】

「・・・・・・・・・」


ミーナの言葉に少し思い返してみた


・・・確かに鷹様の口から語られた話は

・・・子供の頃

・・・幼い頃の思い出話だけだった気がする


【ミーナ】

「・・・きっとその子は・・・永遠に成長しないわよ」


【氷歌】

「っ・・・・どういう意味よ?」


意味深なミーナの言葉に戸惑いながらも尋ねた


【ミーナ】

「・・・誰も見たことがないのよ・・・その子を」


【氷歌】

「・・・・・・・・・」


・・・なにを言ってるのだろう?


【ミーナ】

「・・・鷹くんが愛してる白髪の女の子を誰も知らないの」


・・・それじゃまるで


【氷歌】

「・・・存在しないみたいな言い方ね?」


自分の声が少し震えているのに気がついた


【ミーナ】

「・・・ルルーカじゃ有名な話よ・・・鷹くんが子供の頃から一人の女の子に想いを寄せているのは」


【氷歌】

「・・・・・・・・」


【ミーナ】

「・・・子供の頃からその子を愛し、結婚するって騒いでる・・・でも、その子を探しても見つからない・・・その子が誰なのか鷹くん以外知らない・・・鷹くんの中にしか存在してないのよ」


【氷歌】

「・・・意味わかんない・・・なに言ってんの?」


【ミーナ】

「・・・周囲が分かることは、その女の子が白髪で名前がルナって事だけ・・・だから一時期は鷹くんの元に白髪の女が集まって来てたわ・・・自分がルナだと名乗ってね・・・でも誰も鷹くんが求める女では無かった」


【氷歌】

「・・・・・・・・・」


【ミーナ】

「・・・きっと、ルルーカから移動できる全ての地域を探してる・・・でも、そんな子どこにも存在しないのよ」


・・・なにそれ

・・・それじゃ


・・・まるで本当に存在しないみたいじゃない?


【ミーナ】

「・・・でも、鷹くんはずっとその子を待ってる・・・その子を愛してると皆に言うのよ・・・俺はルナと結婚するんだって笑顔で言うの」


悲痛な表情で視線を下げた


【ミーナ】

「・・・私は鷹くんにとっても美羽ちゃんと結婚するのが一番いい選択だと思うわ・・・鷹くんは子供の頃から色々と頑張りすぎて疲れてるのよ・・・ちょっと休んだほうがいい」


【氷歌】

「・・・なに・・・なんでそんな言い方するの?・・・それじゃまるで鷹様が」


自分の言葉を自分で止めた


【ミーナ】

「・・・・・・・私は・・・鷹くんを信じてあげられないわ」


静かにつぶやき、ミーナは街へと歩いて行った


【氷歌】

「・・・・・・・・」


・・・ちょっと落ち着こう

・・・そうよ、ミーナの作り話かも知れない


・・・なにか勘違いしてるだけかもしれない


・・・鷹様に限ってそんな事

・・・あるはずない


【氷歌】

「・・・・・・・・」


動揺を抑えつつ屋敷の中に入った


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