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【45話】氷◾️譲れない気持ち


◾️◾️氷歌視点◾️◾️

挿絵(By みてみん)



【ミーナ】

「・・・でもさ・・・今回は鷹くんが引くべきよね」


私の隣を歩きながら小声で言葉をかけて来た


【氷歌】

「・・・どうしてよ?・・・これは鷹様が始めた任務なんだから、後から来たヴィザールに譲る事ないでしょ?」


鷹様を否定するミーナを横目で睨みながら同じく小声で言葉を返した


【ミーナ】

「・・・だって、何の利益も出ないのよ?・・・資源が発掘できて、膨大な見返りを期待できるかと思ってたけど・・・あの国、ヴィザールと連立を組む事決めちゃったみたいなのよ」


・・・なるほど

・・・利益がどうのって話がイマイチ理解出来なかったけど

・・・あの国が持つ領土で、何かしらの資源が利益を出すって感じなのね


【ミーナ】

「・・・元々あの国からルルーカに助けを求めて来たくせに・・・ヴィザールが出した開拓提案で膨大な財が手に入るって知った途端コロッと向こうに傾いちゃって・・・勝手よね~」


【氷歌】

「・・・なら、こっちも同じように開拓の提案を出せばいいんじゃないの?・・・元々はルルーカ寄りだったんだし」


ミーナの言葉通り、ルルーカに助けを求めて来たのはあの国

同じような距離と規模を持つ、ヴィザールもある中でルルーカに助けを求めたという事は

その時点ではヴィザールよりルルーカを好んだと言う事だろう

だとしたら、同じような提案を出せば、元々の評価がプラスされ

ルルーカへと傾くのではないだろうか?


【ミーナ】

「・・・提案は出したみたいよ・・・でも、先にヴィザールが恩を売るように支援を始めちゃってたから・・・もう、手遅れだったみたい」


・・・支援が始まった後で、やっぱりルルーカに乗り換えます

・・・なんて言えないわよね

・・・それはそれで、大変な問題になりそうだし


【ミーナ】

「・・・正直、鷹くんが手を引いてもヴィザールがしっかり調査するだろうしさ~・・・無利益でルルーカが軍を出す必要ないわよ」


そういうミーナは不満を隠していなかった

・・・確かに、ミーナの言葉は間違ってはいない


【ミーナ】

「・・・なにを意地になってるか知らないけど・・・貧乏くじを自分で引こうとしてる様にしか感じないわ」


【氷歌】

「・・・でも、鷹様には鷹様のお考えがあってそのクジを引いてるのよ・・・利益は出ないかも知れないけど人々の為に頑張りたいと言う鷹様の気持ちだって間違ってないでしょ?」


・・・あの人たちに譲りたくないと言う気持ちがあって事だとしても

・・・鷹様があの街の人々の事を救いたいとお考えになっているのも私は知ってる

・・・昨日の報告書と提案書を書いていらした鷹様は本当に悩み、願っていらしたから


【ミーナ】

「・・・それが、鷹くんが批判される一番の原因なんじゃない?」


そんな私から視線を逸らすように反論を返して来た


【ミーナ】

「・・・その行動は結局、自分が満足したいだけの行動じゃない・・・大きな組織に属するタイプの考えじゃないし・・・ましてや、上に立つ人間の考えじゃないわ」


言葉を返して来るミーナは言いにくそうに言葉を発してはいるが

ハッキリとした自分の意見をぶつけているように感じ


【ミーナ】

「・・・利益を求めず人々の為にって聞こえは良いけど・・・その行動でルルーカに不利益をもたらし・・・そのしわ寄せを受けるのはごめんだわ」


・・・大きな組織に属する人間の正当な意見を代表している様に感じて


【ミーナ】

「・・・例え、はたから見れば白状な行動でも・・・自分の組織に属する人間達を一番に考えるような人間こそ上に立つべきよ・・・鷹くんみたいに頑なな自分の理念を持つ一人の英雄なんて組織には合わない」


・・・その言葉は鷹様をハッキリと批判している様に感じた


【氷歌】

「・・・・・・・・・・」


・・・ミーナの考えを批判するつもりはない

・・・別に間違った事を言ってる訳じゃないし

・・・いや、言い返す言葉がないって言った方が正しいかも知れない


【ミーナ】

「・・・って、言っても個人的には鷹くんの気持ちも分からなくないけどね」


なにも返せない私に苦笑いを向けてきた


【ミーナ】

「利益が上がらないから止めてくれって言われても、譲れない事だってあるのよね~私だっていつも言われるし」


嘆く様に言葉を呟いているが

・・・鷹様とミーナの規模も状況も比例はできないような気がする


【ミーナ】

「・・・でも、さっき私が言った事は鷹くんの周囲にいる人間が実際思ってる事よ・・・鷹くんに直接言えない事も、技能者である氷歌になら言えちゃうのよね」


ごめんね、と言わんばかりに苦笑いで申し訳なさそうに告げてきた

・・・まぁ、鷹様に直接文句を言える人間なんて限られるだろう

・・・だから、私に来るのか


【氷歌】

「・・・八つ当たりともとれるわね」


ミーナの言葉にため息混じりに返した


【ミーナ】

「まぁ、半分は嫌味と八つ当たりかもね」


そんな私の言葉に賛同するように苦笑いで返し


【ミーナ】

「でも、本当に鷹くんと契約するなら、ある程度は覚悟しておいた方がいいわよ?皆が皆、私みたいに優しい訳じゃないんだから~」


そう言ってニコッと笑った


・・・確かにミーナの言葉は鷹様を避難しているが

・・・フォローするような言葉もかけてくれるし、別に辛くも感じなかった

・・・でも、もし、今の言葉をミーナでは無く他の人から言われていたら

・・・言い返すこともできず、私は視線を下げる事しか出来なかっただろう


【氷歌】

「・・・分かってる・・・ありがとう」


・・・これから言われるであろう事を教えてくれた事に感謝した

・・・どんな事を言われるか予想がつくだけでも、心の準備ができる


【ミーナ】

「・・・・・・氷歌はどうするの?」


そんな私に少し視線をそらして訪ねてきた


【氷歌】

「・・・なにを?」


でも、その言葉の意味が分からなかった


【ミーナ】

「・・・あの様子だと、鷹くんは絶対に引かないだろうし・・・でも、軍が全面的に協力する事もなさそう・・・そうなったら氷歌は鷹くんに付いて行くの?」


・・・軍が協力しない

・・・そうなれば、色々と大変だろうし

・・・身の危険だって高いだろう


【氷歌】

「・・・私は行くわよ・・・絶対に」


・・・例え、鷹様と2人だけだとしても

・・・私は絶対に鷹様に付いて行く


【氷歌】

「・・・私も・・・意地になってでも引きたい貧乏クジがあるの」


・・・この気持ちは鷹様には及ばないのかも知れない

・・・でも、私も

・・・絶対にアイツにだけは譲りたくない


【氷歌】

「・・・絶対に・・・私達がやりとげる」


・・・私と鷹様なら、必ず完璧に終わらせられる

・・・あんな奴らよりも

・・・完璧に


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