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【24話】氷◾️早めの帰宅



◾️◾️氷歌視点◾️◾️

挿絵(By みてみん)



ホテルを出たあと、まっすぐルルーカへと向かって森を歩いてた


【鷹】

「ミーナってさ~、錬金学園では万年2位だったんだよね~」


その道中、ずっと鷹様は楽しそうにお話をされていた


【鷹】

「ずっと一人の奴に負けててさ~、しかも卒業制作では高度な物を造ろうとして大失敗の最下位評価」


・・・正直、戸惑いを感じる程に話が止まらない


【鷹】

「案の定、他の上層都市のほとんどは万年1位の奴をスカウトしててさ~」


・・・でも、鷹様の笑顔が昨日より見れてる気がする

・・・それは少し嬉しく思った


【鷹】

「うちもそいつをスカウトする予定だったんだけど、結局ミーナをスカウトしたんだよね~」


【氷歌】

「何故ですか?ミーナより優秀な者だったんですよね?」


鷹様の言葉に少し疑問を感じ言葉を挟んだ


【鷹】

「オヤジがミーナを押したんだよ、あの子には可能性を感じるって」


【氷歌】

「・・・可能性ですか?」


【鷹】

「卒業制作の大失敗が気に入ったみたいだね~無謀に挑戦する気持ちが錬金術師には必要なんだと」


・・・認められて招かれたという事か

・・・私とは少し違うわね

・・・やはり、ミーナはかなりのレベルを持つ錬金術師なのだろう


【鷹】

「でも、その挑戦心のお陰で今苦労してるけどな~」


【氷歌】

「そうなんですか?」


【鷹】

「研究費も馬鹿になんないしさ~、アイツ、使用人とかに勝手に誓約書を書かせて実験体にすんだよ、失敗した時の慰謝料とか示談金はうちが払わなきゃいけないんだよね~」


苦笑いの言葉で自分の事を思い出した


【氷歌】

「・・・・・・・・」


念の為、袖を少しめくり自らの腕を確認した


・・・私がどんな薬を飲まされたかは分からないけど

・・・とりあえず、毛だらけにはなっていないようだ

・・・良かった


【鷹】

「どこまで行くんだ?」


突然、鷹様の声が背後から聞こえた

振り返ると鷹様は足を止めて不思議そうに首をかしげていた


・・・しまった、移動魔法陣は隠されるから見た目では全く分からないんだった


【氷歌】

「あ!すみません!考え事をしていて」


慌てて鷹様の近くに戻った

意識を集中させると地面から微かに魔力を感じる

・・・この地面の中に魔法陣があるのは間違いなさそうだ


【氷歌】

「よろしいでしょうか?」


【鷹】

「いいよ~」


鷹様の了承を得て、地面に手を向け、魔力を込めた

すると、一瞬でルルーカの別館にある魔法陣まで戻ってきた


【鷹】

「この後はなんか予定あったっけ?」


出口の扉へと向かいながら尋ねて来られた


【氷歌】

「今日の予定はこの任務に一日を当てておりましたので、急な予定が入っていなければ特に予定は無いはずです」


外へと繋がる扉を開き、鷹様をお通ししながら返した


【鷹】

「んじゃ~ゆっくり休憩しようかな~追加任務は大仕事になるだろうしね~」


【氷歌】

「そうなのですか?」


鷹様の後に続き私も外に出ると

昼から夕方に向かう日差しが中庭に降り注いでいる


【鷹】

「今日もらったデータをオヤジが確認して本格的に動き出すんだよ」


・・・本格的に動き出す、か


【鷹】

「内容によっては怪我する事になるかも知れないけど、大丈夫か?」


【氷歌】

「問題ありません」


鷹様の言葉に即答で返した

・・・仮にどこかの組織が今回の背景に存在するなら

・・・行方不明者の人数を考えれるとそれなりの力と規模を持っている事が予想できる

・・・戦闘を起こさず解決させるのは難しいだろう


【鷹】

「・・・もしかしたら、怪我じゃ済まないかもよ?」


探るように少し笑いながら更に尋ねられた


【氷歌】

「鷹様の身をお守りする為ならその覚悟はあります」


そんな鷹様に笑顔で言葉を返した


【氷歌】

「ですが、任務を遂行させる為に自らの命を危険にさらす真似はしたくないですね」


【鷹】

「・・・え?・・・なんで?」


私の言葉に少し戸惑ったような言葉を発した


【鷹】

「・・・お前みたいな真面目なやつって、命をかけて遂行させます、とか言いそうなのに」


本当によくわからないと言った様子で首をかしげた


【氷歌】

「死にたくないからですよ」


そんな鷹様にはっきりとお返しした


【氷歌】

「まだまだ、生き足りないので、私」


鷹様はそんな私の言葉に少し驚いた表情を見せたが


【鷹】

「・・・確かに、まだまだ生きたりないな~俺も」


そう言って楽しそうに笑ってくださった


中庭を抜け、上等な扉を開け家の中に入った

が、いるだろうと予想した如何わしい秘書の姿がない


・・・まぁ、予定よりかなり早く帰って来たから待つ事ができなかったのだろう


【氷歌】

「・・・・・・・ふふ」


何故か言葉にできない優越感に包まれた


・・・なんて清々しい帰宅なのだろう

・・・やっぱり、あの秘書は鷹様には必要ないわね



いつものダイニングに入ると見慣れた姿が目に入った


【ミーナ】

「おかえりなさ~い!」


満面な笑顔で私たちに近づいて来る


【鷹】

「お前こんなとこで何やってんだよ?」


【ミーナ】

「氷歌ちゃんとお話したいな~って思って待ってたの〜ちょっとお借りしてもいいかしら?」


鷹様の問いに意味深な言葉で答えている


【鷹】

「ん~?まぁ、別にいいけど、じゃ俺はオヤジに報告してくるから」


そう言って早々に私を置いて入って来たのは別の扉へと歩き始めた


【氷歌】

「いえ!私もっ」


慌てて鷹様に声をかけた私の腕をニタニタと笑うミーナが掴んで止めてきた

そんな私たちに見向きもせずに鷹様は私を置いて行ってしまった


【氷歌】

「・・・なんなのよ?私は鷹様に付いていたんだけど?」


そんなミーナを恨みを込めた横目で睨みつけた


【ミーナ】

「ちょっとだけ時間頂戴よ~!その代わり新しい鷹くんの情報を教えてあげるから~!」


甘えるような猫撫で声で言って来る


・・・鷹様の事か

・・・気にならなくもない


【氷歌】

「・・・なに?」


鷹様は今から少し休憩をとると言っていたし、少しだけ話を聞いてあげる事にした


【ミーナ】

「ここじゃちょっと話にくいから~氷歌の部屋に連れてって~」


恋人のように私の腕を抱きしめ、要求してきた


・・・まぁ、鷹様の話をするのであればここだとまずいかも知れない

・・・鷹様がすぐに戻られるかも知れないし

・・・誰かに聞かれるのも嫌だしね


【氷歌】

「・・・分かったから、離して」


ため息混じりにミーナを振り払い、自室に向かって歩き始めた



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