【23話】青◾️極秘任務
◾️◾️鷹視点◾️◾️
設備の整った綺麗なホテル、値段もかなり高い
・・・街を歩いていた時から感じていたが
・・・やっぱ、この街は貧富の差が激しそうだな
そんな事を考えながらソファーでぼっーとしてたらシャワールームから氷の技能者が出てきた
【鷹】
「臭いとれたか~?」
笑いながら技能者に声をかけた
【氷の技能者】
「服も新しいものに変えたので、おそらく大丈夫かと思います」
俺の言葉に少し苦笑いで返してきた
・・・そういや、技能者は自身の持つ力で技能者の服を作り出せるんだっけ
・・・面白いなぁ
【鷹】
「技能者の服ってどこまでが魔力で作ってんの?上着とズボンだけか?」
技能者の姿を見回しながら尋ねた
【氷の技能者】
「上着とズボンと中の黒いシャツです、全て魔力で具現化しているので、上着と同じように魔力のない汚れや傷は付きません」
【鷹】
「へ~、どうやって新しいのに変えんの?」
【氷の技能者】
「体に手を当てて魔力を込めると、古い服が消滅して一瞬で新しい服に変わるんですよ」
【鷹】
「じゃあ、技能者の服じゃない私服を着てたらどうなるんだ?」
【氷の技能者】
「同じように消滅し、技能者の服に変わります、その場合、元に着ていた私服に戻る事はできません、完全に服その物を失う事になります、なのでさっきまで履いてたショートパンツは完全に消滅してしまいました」
・・・そういえば、他の技能者は白い長ズボンを履いていたが、コイツだけは白いショートパンツを履いていた
が、今は他の技能者と同じ長ズボンを履いている
今まで気にしてなかったが、これが本来の技能者の服という訳だろう
それで更に疑問が生まれた
【鷹】
「その基準ってどうなってんの?」
【氷の技能者】
「・・・基準ですか?」
俺の質問に淡々と答えていたが少し悩んでいるようだ
【鷹】
「下着とかだって衣服だろ?一緒に消滅しちゃうんじゃないの?」
【氷の技能者】
「いえ、それはないですね、消滅の基準は技能者が決めるんです、なので下着など共通して存在して欲しい物は残す事が可能です、本来であればショートパンツも残す事が可能でした」
【鷹】
「なら、逆に肌に触れていればなんでも消滅させられるの?」
【氷の技能者】
「いえ、それはできません、アクセサリー等の消滅はさせる事はできないので」
【鷹】
「じゃ、布地ならできんの?そのソファーとか」
【氷の技能者】
「それも無理ですね、対象物が大きすぎますし、衣服、と言う基準で体を覆うもので無いと効果は無いので」
【鷹】
「ふ~ん、じゃ俺の上着をお前が着たら消滅できるのか?」
【氷の技能者】
「どの上着かにもよりますね、今お召になっている上着はルルーカ軍の制服ですので、おそらく魔力がこもっているかと思います、魔力のこもっている衣服は消滅させる事ができません」
【鷹】
「へ~面白いな~」
・・・普通、魔法はその属性の精霊から魔力で力を借りて使用するが、技能者は自身に精霊を宿してるため体力で魔法を使うと聞いた事がある
・・・専用の服を作り出せるのは他の種族にはない特別な力という事だろう
・・・同じデザインの同じ服という制限があるとは言え、新品の服を簡単に作れるのは羨ましいな
【氷の技能者】
「あの・・・時間は大丈夫でしょうか?」
少し慌てたように言葉を挟んできた
【鷹】
「ん~?なんの?」
【氷の技能者】
「行方不明者に関する情報を収集し共通するものを探さないといけないのですよね?私のせいで余計な時間を取らせてしまいすみませんでした」
そう言って頭を下げてきた
【鷹】
「別にいいよ、それ、偽装だし、お前が臭くなくてもこのホテルには来る予定だったしな」
【氷の技能者】
「・・・え?」
俺の言葉に少し戸惑ったように返してきた
・・・まぁ、コイツには言ってないから当然の反応だな
【鷹】
「情報収集は表向きの任務、本当の任務はこのホテルのこの部屋にいて、内部告発者からの情報を受け取るの事なんだよ」
【氷の技能者】
「・・・でも、書類にはそんな記載は無かったですが?」
【鷹】
「初めから書いてないから当たり前だろ?これはオヤジから直接きた任務だし」
【氷の技能者】
「・・・ルルーカ内でも極秘ということでしょうか?」
【鷹】
「そうだよ、知ってるのは俺とオヤジだけだ」
その時、静かに部屋のドアがノックされる音が響いた
【鷹】
「・・・来たみたいだな」
来客者を確認するため部屋のドアへ向かった
【鷹】
「お前は来なくていいよ」
俺に続いて動き出した技能者の動きを止めるよう言葉をかけた
【氷の技能者】
「・・・わかりました、何かあればお呼びください」
俺の言葉に素直に従い動きを止め答えた
【鷹】
「・・・・・」
ドアを開けた廊下へ視線を向けると
・・・外には白いローブを深く被るいかにも怪しい人物がいた
少し見える人物は包帯のようなものを巻いている
・・・身長は俺よりも少し高いくらいか
【ローブの人物】
「・・・・・・・・・・」
その人物は何も言葉を発する事なく小さな巾着袋を差し出してきた
【鷹】
「・・・どうも」
軽く言葉を返し、巾着袋を受け取った
【ローブの人物】
「・・・・・・・・・・」
でも、人物は動こうとしない
【鷹】
「・・・早く部屋に帰らないと見つかっちゃうんじゃない?」
そんな人物に笑いながら言葉をかけた
【ローブの人物】
「・・・・・・お前が先に戻れ」
少し苛立った様子で返してきた
その声は男と女の声が重なったような不快な声
・・・背を見せることを警戒してるのか
・・・それとも、行動から身分を探られるのを防ぐ為か
・・・どっちにしろガードは硬そうだな
・・・まぁ、目的の物は手に入れたし良いか
【鷹】
「・・・はいはい、お疲れさん」
人物の言葉を素直に聞き入れ部屋に戻った
【鷹】
「・・・・・・・・・」
ソファーに座り、巾着の中身を手に出すと直径2センチ程度のガラス玉のような物が出てきた
【氷の技能者】
「・・・魔法石ですか?」
それを見て真剣な表情で尋ねてきた
・・・魔法石も知ってるんだな
・・・試験を突破しただけあって知識はしっかりしているようだ
【鷹】
「・・・魔法石は魔法石だけど、これは魔法が入ってんじゃなく、データが入ってるらしいよ」
言葉を返しながらガラス玉を巾着に戻し、上着のポケットにしまった
【鷹】
「んじゃ~今日の任務は終わり!俺、腹減ったから~なんかルームサービス頼んでよ」
ソファーに座りながら技能者に命令をした
【氷の技能者】
「・・・本当によろしいのですか?調査などはしなくて・・・その情報がガセの可能性もあるのでは?」
そんな俺の言葉に心配そうに返してきた
【鷹】
「俺が終わりって言ってんだから終わりなんだよ、納得できないのか?」
その態度に少し不満を感じながら返した
【氷の技能者】
「・・・いえ」
俺から少し視線をそらし、少し考え
【氷の技能者】
「・・・鷹様がそうおっしゃるなら・・・今日の任務は終わりですね」
そう言って笑顔で返してきた
【氷の技能者】
「食事を頼みます、どのような物がよろしいですか?」
近くにあったメニューを俺の前に開き、尋ねてきた
【鷹】
「ん~、チーズインハンバーグが食いたいな~」
メニューに目を通す事なく要望を告げた
【鷹】
「お前も好きなの頼んでいいよ~、どうせ経費で落とすし」
【氷の技能者】
「・・・でも・・・よろしいのでしょかか?・・・任務中なのに」
【鷹】
「この街ってさ~お金なさそうじゃん?俺たちみたいな他の都市の人間がお金落とさないとね~これも一つの任務だって」
心配そうな技能者をからかうように返した
【氷の技能者】
「・・・それも・・・そうですね、分かりました」
納得したように笑顔で俺に返し、壁に設置された淡い黄色の水晶に手を触れ魔力を込めた
それに反応するように水晶が光始め
「お待たせいたしました」
しばらくするとホテルの従業員であろう男の声が水晶から聞こえた
【氷の技能者】
「食事をとりたいので部屋まで運んで来ていただけますか?」
それに答えるように技能者が水晶に言葉を発した
【従業員】「ありがとうございます、ご注文はなんでしょうか?」
【氷の技能者】
「チーズインハンバーグをお願いします」
【従業員】
「申し訳ありません、当ホテルには無いメニューとなっております、お近くにメニューが置いてありますので、そちらからお選びください」
その言葉を聞いて技能者が俺に視線を向けた
【鷹】
「・・・チーズインハンバーグ」
その視線に返すように再び注文をした
【氷の技能者】
「・・・チーズインハンバーグを作っていただけますか?」
俺の言葉で再び水晶に言葉を発し始めた
【従業員】
「・・・・・・ハンバーグの上にチーズを乗せているメニューはございますので、そちらでもよろしいでしょうか?」
従業員の言葉に再び俺に視線を向けた
【鷹】
「・・・チーズインハンバーグだ」
その視線に再び同じ言葉で返した
【氷の技能者】
「チーズインハンバーグをお願いします」
【従業員】
「・・・申し訳ありませんが当ホテルには無いので」
【氷の技能者】
「チーズインハンバーグをお願いします」
従業員の声を遮るように技能者が言葉を告げた
【従業員】
「・・・申し訳ありませんが」
【氷の技能者】
「チーズインハンバーグをお願いします」
【従業員】
「・・・あの」
【氷の技能者】
「チーズ!イン!ハンバーグ!で!」
従業員の言葉を押し込めるように言葉を強調して告げた
【従業員】
「・・・かしこまりました」
そんな技能者の言葉に不服そうに承諾の言葉で返してきた
・・・なかなか優秀な奴かもしれない
【氷の技能者】
「あと、このホテルで一番高級なステーキをお願いします、添えの野菜などは一切必要ないのでお肉のみを5人前お願いします」
【従業員】
「・・・かしこまりました」
従業員の言葉を聞き、技能者が水晶から手を話すと光が消えた
・・・というか
【鷹】
「・・・お前5人前も食うのか?」
意外な注文に少し苦笑いで尋ねた
【氷の技能者】
「っすみません!つい・・・図々しいかったでしょうか?」
俺の言葉に少し戸惑ったように返してきた
【鷹】
「・・・いや、金はあるから別にいいんだけど・・・本当に食えるか?」
【氷の技能者】
「・・・5人前ですからね、全然問題ないと思います」
自信があるように笑顔で返してきた
・・・そう言えば、技能者は体力で魔法を使うから食の量が異常に多いと聞いた事がある
・・・しかも、無類の肉好き
・・・でも、こいつにはそんなイメージは似合わに気がする
【鷹】
「・・・・・・・・・」
・・・技能者って
・・・なんか色々と面白い種族だな




