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【20話】氷◾️資料と朝食



◾️◾️氷歌視点◾️◾️

挿絵(By みてみん)



【氷歌】

「・・・・失礼します」


誰もいないだろうけど一応声をかけ部屋に入った

広く高級感漂う部屋には正面に大きなソファーとテーブル

左手の奥にはベットがあり大きな窓からは朝日が降り注いでいる

右手には書類などの作業を行うであろう机がある


・・・目的のものはおそらく机だろう


そう思い、糸くず1つ落ちていないような綺麗なカーペットを進み机の前に立った


・・・が


【氷歌】

「・・・・・・どれだろ」


そこには山のような書類が積まれていた


・・・やばい、全然わかんない


【氷歌】

「・・・・・・」


でも、鷹様のお供につける初めての機会

・・・絶対に失敗はしたくない


【氷歌】

「・・・よし!読んでやる!」


とにかく見出しで当てはまりそうな書類を手あたり次第に読むことにした


・・・朝ごはん食べられないかも知れないけど



しばらく、様々な資料に目を通していると扉をノックする音が部屋に響いた


「失礼します」


声をかけて入ってきたのは使用人の女性

その手には朝食であろう食事を乗せたカートを押している

そして、手早くテーブルに料理を並べ部屋を出て行った


【氷歌】

「・・・・・・・」


部屋はなんとも言えない香りに包まれている


・・・どうして料理をこの部屋に運んできたのだろう?

・・・もしかして

・・・私の為?


そう思った瞬間、再び部屋のドアが開いた

そこから姿を見せたのは鷹様


【鷹】

「あれ、お前ここにいたの?」


私の存在に少し驚いたような表情をみせ


【鷹】

「オヤジー!技能者ここにいるぞー!」


廊下の先にいるのであろうゼル様に声をかけているようだ


・・・言葉から察するに、私になにか用事があるのだろうか?


すぐに鷹様とゼル様が部屋に入って来られた


【氷歌】

「ゼル様、おはようございます」


そのお姿に頭を下げ、挨拶をした


【鷹】

「お前なんでまだいるんだよ?すぐ出るとか言ってなかったか?」


ソファーに座りながら鷹様が尋ねて来られた


【氷歌】

「・・・申し訳ありません、どれが今日の資料なのか分からなかったので、当てはまりそうな物には全て目を通そうかと思いまして」


鷹様の言葉に視線を下げながらお言葉を返した


【鷹】

「あっそ~、まぁ別にいいけど」


そう言って準備された食事を食べ始めた


・・・どうやらこれは私の為にではなく鷹様の為の食事だったようだ

・・・当たり前か

・・・でも、どうしてここで食事をされているのだろう?


【ゼル】

「・・・教えてやらないのか?」


私たちのやりとりを見て少し苦笑いで鷹様に声をかけている


【鷹】

「ん~?なにを?」


【ゼル】

「今日必要なものかどれか分からないと言ってるだろ?教えてやればいいんじゃないか?」


首をかしげる鷹様に更に苦笑いで言葉を告げた


【鷹】

「ん~?だって聞かれてないし、自分で探す事を決めたのはそいつだし、俺から教える必要なくない?」


ゼル様の言葉に意味が分からないと言った様子で首をかしげている

確かに私は鷹様に聞いていないから教えられなくても仕方ないと思う

分からない事は自分から聞かなくてはダメよね


【ゼル】

「・・・そうかもしれなが、そんな事をしていたら朝食も取れなくなるだろ?」


でもゼル様はそんなため息混じりに言葉を返し、私にに近づいて来られた


【ゼル】

「今日の調査対象の資料はこれだよ」


そして、机の上にある数ある資料の中から私に選んでくださった


【氷歌】

「ありがとうございます」


そんなゼル様の心遣いに感謝を込め、頭を下げた


【ゼル】

「鷹との行動は何かと気苦労があると思うけど・・・よろしくね」


優しげな笑顔で私に言葉をかけてくださった


【氷歌】

「はい!全力を尽くせるよう頑張ります!」


そんなゼル様に嬉しさを隠せず、笑顔でお言葉を返した

そして、早々に部屋を出る為ドアに手をかけた


【氷歌】

「失礼します」


頭を下げ、一礼し部屋を出た

そんな私に続くようにゼル様も部屋を出て来られた


【ゼル】

「食事をリビングに用意してあるから、書類を読みながらでもしっかりとるといい、技能者には食事が大切だからね」


そんな私にニコッと笑ってゼル様はリビングへと歩き始めた


・・・本当にゼル様はお優しくて気配りのある方だ

・・・さすがだわ


【氷歌】

「・・・鷹様はいつもお部屋で朝食を取られているのですか?」


ゼル様の後ろを歩きつつお尋ねした


【ゼル】

「いや、いつもはリビングで取るんだけど・・・今日は少し機嫌が悪いみたいでね」


そんな私に苦笑いで返して来られ


【ゼル】

「・・・氷歌は香水をつけたりする?」


唐突に謎の質問をされた


【氷歌】

「いえ、私は香水は付けません、特に必要性を感じないので」


何故、そんな質問をされるか分からなかったが素直にお答えした


【ゼル】

「そう、それは良かった・・・鷹は香水が大嫌いだからね」


・・・鷹様は香水がお嫌い

・・・覚えておこう


リビングへと入ると鷹様と同じ朝食がテーブルに並べられていた


【ゼル】

「足りなかったら遠慮せず頼んでね」


そう言ってゼル様は入って来た扉とは別の扉からリビングを出て行った


手早く食事を終わらせる為、早速席につき食事をしながら資料を読み始めた


・・・といっても、結構厚みがある

・・・間に合うだろうか?


その時、静かに扉が開く音が聞こえ

目を向けると如何わしい秘書がリビングに入って来ていた


【秘書】

「・・・鷹様は?」


部屋を見渡し、横目に尋ねて来る


【氷歌】

「・・・今日は自室で食事を取られているわよ」


面倒だが優しい私は返事を返してあげた


【秘書】

「・・・まだ読んでるの?・・・どんくさい人ね」


そんな私にゆがんだ顔でいちゃもんをつけて来た

・・・鷹様の前とは全く違う女の態度に寒気がした


【氷歌】

「・・・意味不明・・・なんなの?その態度」


さすがにカンに触り苛立ちを込めて睨んでやった


【氷歌】

「・・・鷹様の前での態度も気持ち悪いけど・・・いない時も最悪ね?」


【秘書】

「・・・アンタ、鷹様に言い寄ったりしてないでしょうね?・・・舐めた真似したらすぐに消えてもらうから覚えておいてね」


私の言葉を無視するように命令をしてきた


・・・ほんとに如何わしい女だわ

・・・男と女ってだけでそんな事しか頭に浮かばないのかしら?

・・・汚らわしい


【氷歌】

「・・・用がないならどっか行ってくれる?臭いのよ、アンタ」


鷹様が自室で食事をされた理由が今はっきりと分かった


・・・アホみたいにつけてる女の香水の匂いで吐き気がするわ


【秘書】

「・・・どいつもこいつもムカつく」


私の言葉がよほどカンに触ったのか本気の怒りをつぶやき、リビングを出て行った


【氷歌】

「・・・・・・・はぁ」


女がいなくなっても香水の匂いに汚染された空気が晴れる事はなかった


・・・せっかくの食事が台無し

・・・最悪だ



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