【19話】青◾️目覚め
◾️この物語は登場人物の視点が変わりながら進みます。
◾️その時の主人公はタイトル、挿絵、文字で確認下さい。
◾️◾️鷹視点◾️◾️
窓から差し込む光で目が覚めた
時計に目を向けると起きる予定の時間までは30分程度あるが・・・二度寝も嫌いだから、だるさが残りながらも起き上がり服を着替えた
部屋を出ると技能者の服を着た女が俺を迎える様に立っていた
・・・昨日から付いて来る様になった氷の技能者だ
【氷の技能者】
「鷹様、おはようございます」
俺が起きてくるのを待っていたように頭を下げた
【鷹】
「・・・随分早いんだな?」
技能者の言葉に軽く返し、リビングへと廊下を歩き出した
【氷の技能者】
「・・・何時に起床されるか伺うのを忘れていたもので・・・少し早めにお待ちしておこうと思いまして」
俺の言葉に少し遠慮がちに答えた
【氷の技能者】
「へ~・・・意外と抜けてんだな?」
そんな技能者の言葉に少し笑いながら返した
【氷の技能者】
「・・・すみません・・・今後は気をつけます」
そう言って少し落ち込んだように視線を下げた
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リビングに入るといつもの朝食がまだ準備されていなかった
【鷹】
「・・・・・・・」
・・・不愉快だ
「おはようございます!」
俺たちの後からリビングに入って来た秘書の女が慌てたように挨拶をしてきた
【秘書】
「今朝は少し早いのですね
【鷹】
「・・・朝飯」
秘書の言葉を塞ぐように言葉を返した
【秘書】
「・・・すぐに準備させます」
俺の言葉に早々に返事を返し、秘書は壁に設置してある淡い黄色の水晶に手を触れ魔力を込めた
その魔力に反応するように水晶が光始める
【秘書】
「鷹様がお目覚めです、朝食の準備を早急にお願いします」
早口にそれだけ告げ、秘書が水晶から手を離すと光が消えた
【鷹】
「・・・今日の予定は?」
いつもの席に座りながら尋ねた
【氷の技能者】
「今日は新設された施設の訪問と調査書の作成が主になるかと思います」
俺に言葉に笑顔で答えてきた
【秘書】
「・・・それは一昨日までの予定です」
が、その言葉を少し笑いながら秘書が訂正を始めた
【秘書】
「昨日の緊急会議でお話があったと思いますが、治安悪化が問題視されている地方国からの応援要請を受け、その国の素行調査を行う予定となっております」
【氷の技能者】
「・・・そんな話、私は伺っていませんでしたが?」
秘書の言葉に不満そうに言葉をいれて来た
【秘書】
「連絡が回ってきませんでしたか?私には連絡班から通達ありましたけど・・・」
そう言って少し視線を下げ
【秘書】
「私情で行動するなと言ってあったのに・・・私から注意しておくから気にしない方がいいわ」
そう言って優しげな笑顔で技能者に言葉をかけている
【氷の技能者】
「・・・・・・・・・・」
が、技能者は感情を抑えられないように秘書を睨みつけている
【鷹】
「・・・・どーでもいいけどさ、お前ついて来るの?」
不愉快そうな技能者に言葉をかけた
・・・技能者と可能な限り同じ時間を過ごせ
面倒だけど親父から言われたら簡単に逆らう訳にもいかない
【氷の技能者】
「え・・・・?」
でも技能者は俺の言葉に戸惑ったような声をあげた
・・・こういう反応されると面倒な気持ちが増すんだよね
【鷹】
「・・・どっちだよ?」
言葉を詰まらせた技能者に苛立ちを感じながら更に尋ねた
【氷の技能者】
「っもちろんお供させていただきます!」
慌てたように声をあげ返してきた
【鷹】
「なら、資料読んどけよ、無知で付いてこられても邪魔になるだけだしな」
【氷の技能者】
「っはい!分かりました!」
俺の言葉に少し嬉しそうに頭を下げた
【秘書】
「・・・出発は1時間30分後ですので、それまでに目を通しておいた方がいいですよ」
【氷の技能者】
「あの・・・資料は何処にあるのでしょうか?」
秘書の言葉を聞き流すように俺に尋ねて来た
【鷹】
「俺の部屋」
【氷の技能者】
「・・・勝手に入ってよろしいのでしょうか?」
【鷹】
「・・・部屋に入らず取れるのか?」
【氷の技能者】
「・・・いえ、それは無理だと思います」
【鷹】
「なら、入るしかないじゃん」
当たり前の事を言う技能者に呆れながら言葉を返した
【氷の技能者】
「・・・そうですね、ではお部屋に入らせていただきますが資料を取ったらすぐに失礼させていただきますので」
俺の言葉に納得したのか、頭を下げ、慌ただしくリビングから出て行った
【秘書】
「・・・あの」
技能者が出て行った扉を横目に話かけて来た
【秘書】
「・・・私は鷹様の身が心配でなりません」
少し視線を下げ、落ち込んだ様子で言葉を続けた
【秘書】
「・・・あのような娘をお供につけても足を引っ張るだけ・・・邪魔にしかならないと思います」
胸に手を当て辛そうな表情を浮かべている
・・・あ〜
【鷹】
「・・・なんでお前にそんな事が分かるんだよ?」
その秘書の言葉に一気に不愉快な気分になった
【鷹】
「アイツが使えない根拠は?」
【秘書】
「・・・情報管理の危機感のなさが目に付きます・・・鷹様にご面倒をかける前に解雇された方がいいかと」
本当に心配しているように表情を曇らせてるけど
【鷹】
「・・・アイツが使えるか使えないか判断するのは俺なんだよ、誰がお前に分析を頼んだ?俺に指図すんの?」
その顔を睨みつけるように言葉を返した
【秘書】
「いえ!そう言うわけでは
【鷹】
「だったら余計な事を言うな、お前の役目はスケジュール管理と書類作成、必要以上に出しゃばるな・・・ウザいんだよ」
ごちゃごちゃ吐かす秘書を黙らせるように言葉を告げた
【秘書】
「・・・・・・・・申し訳ありませんでした」
俺の言葉に一歩後ろに下がりながら頭を下げた
【鷹】
「・・・それと、お前風呂に入った方がいいよ?」
そんな秘書に笑いながら更に言葉を向けた
【鷹】
「いつもに増して臭いから吐き気がするんだよね~朝飯に匂いが移るから出てってくれる?」
【秘書】
「っ・・・・・・・・」
あしらうように手を払うと、秘書は逃げるようにリビングを出て行った
・・・が
【鷹】
「・・・くせぇ」
秘書が出て行っても気持ちの悪い異臭が消える事は無かった




