【18話】◾️◾️◾️◾️◾️
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「お父さん!!」
僕はお父さんに駆け寄り、声を張り上げた
「僕の友達がっ!僕の友達がいなくなっちゃったんだ!!」
泣き叫びながらお父さんの足にしがみついた
「助けてあげて!!お父さんならできるよね!?」
自分ですら、うるさく感じる大声で
今の僕のただ一つの願いを込めた
「・・・・・・」
そんな僕をお父さんは悲しげな顔で優しく抱きしめた
「・・・お前はここにいろ」
そして、ゆっくり僕を離し、お父さんは歩き始めた
「僕も探す!大切な友達なんだ!!」
そんなお父さんの後を慌てて追いかけた
「ついてくるな!!」
「っ!?」
突然の怒鳴り声
「・・・お前まで失いたくないんだ」
その声は悲痛な想いに満ちていた
「・・・今は母さんの側にいてやってくれ」
かすれるように震える声で小さくつぶやきお父さんは部屋を出て行った
「・・・・・・・・・・」
その声で思い出したように臭いが僕の鼻を覆った
「・・・・・・・・・・」
味覚に訴えるような臭い
まとわりつく臭い
僕に染み込むような臭い
「・・・・・・・・・・」
僕が立っているこの部屋は真っ赤な血で染まっていた
「・・・・・・・おかあさん」
僕はお母さんを呼びながらゆっくり近づいた
でも、お母さんは背を丸めるように小さく震えていた
そのお母さんの腕の中にこの臭いの根源がある
「・・・・・お兄ちゃんっ」
流れ出す血が残っていないお兄ちゃんの顔はお母さんの腕に抱きしめられていた
「・・・おにいちゃんっ」
熱くなった目から涙がこぼれるのを必死にこらえた
そして、お兄ちゃんの頭を抱えて泣き叫ぶお母さんにすがりついた
「・・・・・・・・・・っ」
とどまる事ないお母さんの叫びをどうしたら良いのか分からず僕は擦り寄る事しかできなかった
「・・・・・・・・・・っ」
お母さんの叫びは僕の脳と心臓に響くような引き裂く叫び
「・・・・・・・っ」
狂ったようなお母さんの泣き声に僕の体は自分でも怖いくらいに震えた
「・・・・・・・っ」
大きく震える体でお母さんを抱きしめた
「・・・・・・・・るなっ」
恐怖をかき消すようにあの子の名を呼んだ
「・・・・・・りゅうちゃんっ!」
その名を口にすると強くなれる気がした
「・・・大丈夫・・・大丈夫だよ」
みんなに告げるように言葉を送った
「・・・僕が・・・ここにいるからっ」
みんなに向けて言葉を送った
「・・・大丈夫だからっ・・・僕が・・・強くなるからっ」
僕は泣かない
僕まで泣いたらお母さんが泣けなくなるから
僕は泣かない
泣いたらあの子に叱られるから
僕は泣かない
アイツが僕より怯えて泣いているから
僕は強くならなくちゃいけないから
誰にも頼らなくていいように
誰にも負けないように
だから僕は絶対に泣かない
・・・なにからも逃げたりしない
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