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大丈夫。いつも幸せでいよう。私は素敵な人たちに愛されている。

7月2日 依田デンタルクリニック 再診 1か月後のチェック


 まだ、膿が出てくるし、歯茎も腫れているからダメかもしれない。歯を抜かなくちゃならないのかも。そしてインプラントになっちゃう? これじゃあ人造人間だ。

気分が沈む。暑いし、雑居ビルに入るのも嫌だし、何もかもが面倒くさい。何もかもがうまくいかないと思える。悪いイメージしか湧かない。


 鬱々とした気分でクリニックに行くが、「うまくついているし、膿もこのくらいなら大丈夫だと思う。」と言われ、ここでの治療は終了した。「でも、前歯で物を噛まないこと。」と言われた。

あとは「剛田歯科クリニックで様子を見て、大丈夫だったら新しい歯を作ってもらってください。」とのこと。剛田歯科クリニックの剛田先生には詳細を連絡しておいてくださるとのことだった。なんか嘘みたいだけど本当かな? 本当に治ったの?


次の日のお昼休みを狙って、剛田歯科クリニックに報告に行った。本当は、依田先生からの連絡より早く報告したかったが、朝には連絡が入っていたって。お礼を言って診察の予約を入れて帰った。


 これでみんなに話せる。私の身に何が起こったのか。ここ数か月間、なぜ私がおかしかったのか。


今まで、家族や本当に親しい友人たちにしか話さなかった。

なぜなら、あんまり皆に言っちゃうと「ルイ、歯を折られたんだって。大丈夫なの?」って歯を折られた事実が誇張されてネガティブ波動や心配の波動に渦を巻かれても困る。言霊ってあるから、言葉に出したくない。ネガティブな言葉を発したくない。ネガティブな言葉を発して本当に治らなくなったら嫌だから。だから「言えるようになったら話すね。」って言っておいた。私の周りの人たちは優しくて人柄の良い人しかいない。みんな黙って待っていてくれる。好奇心で余計な事を聞くこともない。そういう人たちしか周りに置いておかないし、たまに変な人もやってくるけど、すぐにいなくなる。面白おかしく、他人の事に興味津々で噂話が大好き。他人の不幸は蜜の味っていうような人には深入りしない。


いつもお願いしているヘアーサロンの美容師さんにも「林様、なにかありました? 何があったかは分からないけど。明らかにいつもと違う。何かあったというのは分かります。」と言われた。

「私、おかしいと思う?」

「はい、明らかに。」


彼にも「今は言えないけど、言えるようになったら言うね。だから待っていてね。」と言っておいた。今度ヘアーサロンに行った時に話そう。周りのお客さんに聞かれたってかまわない。だって本当のことだから。ヘアーサロンのスタッフみんなも心配してくれていたから黙っているわけにはいかかないし。


一番の親友の前では「うわーん」と大泣きした。

「何? 何があったの? ほら、おいで。」って抱きしめてもらった。そして大泣き。

小さな子どもをあやすみたいに、頭を「よしよし」してもらって、「大丈夫だよ。なんとかなるから。今までだって色々なことを乗り越えてきたんだから今度も大丈夫。」って。

「みんな、ルイのことが大好きだし、何があっても助けるから。そんな図々しいふとどき者なんて絶対に許さないから。」って言ってくれた。

有り難い。私は、素敵な人たちに愛されている。たぶん、きっと、絶対に凄い幸せ者なのだろうな。


大好きな、絶対的信頼感の持てるおじいちゃん。(私の本当の、血の繋がったおじいちゃんじゃないけれど)彼にも、歯のことは一言も話していないのに、「ルイちゃん、大変だったね。でも大丈夫だよ。ちょっとハートに触ってもいい?」とハートに指を触れた。すると「うん、大丈夫、大丈夫。元通りってわけにはいかないけれど、ちゃんと治るから。心配しないで」と。

おじいちゃんは絶対に悪いことは言わない。どんな悪人に対しても。猪熊みたいなヤツに対しても。

お話をよく聞いてくれて、良いアドバイスもくれる。いつもいっしょにいて、お話をしていたい、素敵なお友達。良いお話をしてくれるから安心する。一緒にいるだけで安心する。なんでも視える不思議な力を持っているし。

だから、隠しごとをしようとしても無駄。全部わかっちゃう。隠し事をしても自分が恥ずかしくなるだけ。隠しても無駄なだけ。でもまあ、私は、そんなことはしない。隠す必要もないし、隠すことなんて何もない。自分を取り繕う必要もない。このままの自分で十分だから。


「いつも幸せでいるんだよ。」

「自分のことを悪く思っちゃダメ。良く思ってあげるんだよ。」

「いつでも会いに来てね。お話ししよう。」と言ってくれる。


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