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コントラスト ヤブでブラック歯科医と敏腕歯科医

地域の大きな総合病院の相談室に行って相談をする


  総合病院の相談室で、猪熊歯科医院で起こったことをすべて話し、良い歯医者さんはどこなのか? 何処へ行けばよいのかを相談し、何件か歯科クリニックを紹介してもらう。相談室には市内の歯医者を網羅したリストがあった。

このリスト、私と相談員さんが一緒に見ていたリストは、患者さんも一緒に目を通すので何も書いていなかったが、きっと、というか、絶対に裏リストもあるに違いない。歯科医院の名前が書いてある隣に、○とか×とか ここは良い、ここは悪い、絶対にダメ、ヤブ、とか書いてあるのかな? 何かは書いてあるはず。だって、何もメモしていなかったら、何処が大丈夫で、何処がダメなのかわからない。何処が信頼してもいいクリニックで、どこがヤブなのか。そんなの全て覚えていられるはずがない。変なクリニックを患者さんに紹介しちゃったら大変なことになる。総合病院の威信にかかわる。これで、猪熊歯科医院もブラックリストに載った。ここの相談室、色々な人が相談に来るのだろうから色々なことを知っているのだろうな。良いことも悪いことも。現に私の後にも、相談を待っている患者さんたちが何人かいたし。



剛田歯科クリニックを予約


 予約時、受付の女の子に「どうしましたか?」と聞かれ事の成り行きをすべて話した。

ここで、私のことを受け入れてくれることになれば、結局、猪熊の失敗した所を尻拭いしなくちゃならないのだが、そう言うと、それでも診てくれる、「大丈夫ですよ。」と言ってもらえた。「うちの先生は、大丈夫ですから。」と。そして「それじゃあ急いだほうがいいですね。」と他の患者さんの予約時間の合間を見つけて私の予約を取ってくれた。この受付の子、すごく感じがいい。優しくてホッとする。仕事もできそう。というか、できるのは明確。

 

猪熊の所の受付嬢とは雲泥の差だ。あちらは2人でペチャクチャおしゃべりばかりしていて仕事なんてしていない。まあ、ただの電話番て感じ。ハイハイ、全員がそういう感じの職場なのでしょうね、猪熊歯科医院は。本当にそういう人ばかりよく集まってきたものだ。類は友を呼ぶ。(また言っちゃた。)


 

2019年3月29日 剛田歯科クリニック初診


 起きたことをすべて話して診察していただく。すると「歯が折れています。すぐに分かった。」と言われた。

 「抜歯してインプラントか、入れ歯か、ブリッジだね。」


うそ? ほんとうに? 歯が 折・れ・て・い・る?

そんなに酷いことになっていたんだ。そりゃあ痛いはずである。

地獄に落ちた気分。目の前真っ暗。ビルの屋上から飛び降りた方がいいかも。


 すると、私の気持ちを察してくれた剛田医師が「ここでは、僕はやっていない治療法なんだけど、破折した歯を一度抜いて、その歯をボンドで付けてからまた戻すって方法があるんだけど、ちょっと調べてみるから時間くれる? じゃあ、2週間後のお昼休み、12時15分頃に来て。」と約束した。


 ショックすぎてどうやって車を運転して家に帰ったか覚えていない。運転できなくなって途中のスーパーマーケットのパーキングで何時間かボーっとしていた。あまりにもショックで涙も出てこない。魂が抜け出てしまった。

 歯科医師の腕って(歯科医師だけじゃないけど)こんなにもピンからキリなのだ。自分が患者さんに何をしたか気づかないヤブもいれば、他人がやった手技でも何がどうなっているのか一瞬でわかる敏腕歯科医もいる。



2週間後 剛田歯科クリニック


「うまくいくかどうかはわからないけど、やってみるのなら。」と破折治療専門医を紹介してくれた。東京の依田デンタルクリニックである。しかも「今日は治療していないからタダでいいよ。」と。そして「診断書も書くから、もし行くんだったら言ってね。僕のことを利用して。」って言ってくれた。

PCで検索したり、知り合いの歯科医に聞いてみたり、論文を読んだりして探してくれたそうだ。こんなに親切にしてくれる歯医者さんもいるのだなと感謝、感謝である。


 家に帰って、とにかく依田デンタルクリニックのHPを隅々まで(?!)読んでみる。

「この治療法、怖い、恐ろしい、怖れが出てくる。しかも成功するかどうかもわからない。

その上、この歯科医、ヤブでブラックな猪熊と同じ歯科大卒だ。大丈夫かな? 同じ大学なら同じ教育を受けている。本当に大丈夫? 信用できる? 不信感でいっぱいである。恐怖心でいっぱいである。

でも、剛田先生が、依田先生のことをご存じな、剛田先生の友人に「依田先生ってどう? 大丈夫?」って聞いてくれたって言っていた。そしてその後友人が「大丈夫。」って言っていたって。うーん微妙だなあ。怖い。だけど、取り合えず、可能治療かどうか診てもらおう。オペを受けるかどうか決めるのは、悩むのは、その後でいい。実際に会って顔を見れば何か感じるかもしれない。大丈夫!とか止めておけ!とか判断できるはず。



2019年5月9日 剛田歯科クリニック


 剛田先生に依頼をしておいた紹介状を取りに行く。

受付嬢も心配してくれていて、優しい言葉をかけてくれた。剛田先生も忙しいのに、わざわざ顔を出して「行ってらっしゃい。君のことはちゃんと気にかけているから、何かあったら相談して。」と送り出してくれた。感謝です。


一度しか診察していただいていないのに、ここまでやってくれる方と、「二回しか診察していないから何の責任も持てない。」というやつ。雲泥の差がある。月とスッポン。提灯に釣り鐘である。すごいコントラスト。


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