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リーナ視線1 小国王女は助けられました

ここからハリーナ視線です。逃げ出した後

ここからジャンヌとアレクが登場です。


私はリーナ・インダル。インダル王国の第一王女。


私は10歳までは幸せだった。優しい父と母に囲まれて幸せに暮らしていた。


そう、母がマエッセンに雇われた傭兵たちに襲撃されて死ぬまでは。


その事件で私の環境は一変した。


父王は人が変わったようになり厳しくなった。

懲りないマエッセンからはその後現王妃が送り込まれてきて、送り返すと息巻いていた父との間には何故か王子が生まれた。


そして、マエッセンの後ろ盾を背負う王妃が勢いを増していった。


昔は私に優しくしてくれた人も次々に王妃に乗り換えていった。


王妃なんて好きになるわけはないと言っていた父でさえいつの間にか王妃の尻に敷かれていた。

私は王城の端に追いやられて、捨て置かれた。


周りの貴族たちから遠巻きにされる中でその私と一緒にいてくれたのが、ソニアとルドラだった。


母が亡くなってから3人でよく一緒に遊んだ。


父もそれなりに家庭教師はつけてくれたので、3人で学んだ。


その中で一番優秀なのはソニアだった。ソニアは私の侍女になるんだと一生懸命努力してくれた。でも、おっちょこちょいのソニアは良くいろんな失敗をしてくれた。でも、それもご愛嬌だ。暗くなりそうな私をそれで笑わせてくれた。ソニアは底抜けの楽天家で前向きな性格だった。ソニアは私の妹のような存在だった。


一方のルドラは私を守るんだと騎士になってくれた。必死に努力しして近衛騎士になって私の護衛になってくれのだ。いつも近くにいる異性のルドラに私はいつの間にか惹かれてしまった。でも、王女の私と騎士のルドラが結婚できるかと言うと難しいのは事実だった。


私を取り巻く環境は難しく、マエッセンの血をひく弟が生まれた段階で王位につくのは難しくなった。


でも、母を殺したマエッセンの傀儡に母国がなるのは嫌だった。私は出来る限り反抗することにした。


母に執着していたマエッセンの国王が私を妾にしたいと動いているみたいだが、母を殺した男のもとに行くわけには行かなかった。それだけは絶対に嫌だ。


私達は色々あがいたが、私に味方してくれる貴族は中々いなかった。

そんな中、新興国ボフミエ魔導国にソニアが留学してくれることになった。

何とかして後ろ盾になってくれる国を探してくれると言う話だった。でも、新興国にそんな力は無いだろう。大国の皇太子らが多数いるという話だったが、インダルなんて小国支援しても何のプラスにもならない。妹分のソニアが、そこで幸せに暮らしてくれればいいと今生の別れのつもりで私は見送ったのだ。


情勢は日々緊迫していき、そんな中、父が突然亡くなった。


絶対に毒をもられたのだ。


父は王妃の尻に敷かれていたが、私のことは考えてくれていた。


マエッセンの国王の妾に出せという圧力にもなんとか反対してくれていたのだ。


でも父が死んだ限り何もしなければ確実にそうなるだろう。

幸いな事と言って良いのかどうか判らないが、トリポリからよく見知った使者が弔問に訪れて、国王の寵姫になるならインダルを支援しても良いとの言葉をもらった。軍を率いて近くまで来ているらしい。


この身を呈しても何としてもマエッセンの野望は阻止したかった。


それを話すとルドラは強硬に反対した。でも、もうそれしかなかった。どのみち、ルドラとは一緒になれないのだ。それならば父ほどの年の国王に身を任せてもインダルを救えるならば良しとしなければ。



そう決意した時になんとソニアが帰ってきてくれたのだ。

それもボフミエ魔導国の内務卿の親書を携えて。


私は信じられなかった。この子はどういうつてを使って内務卿と親しくなったのだろう。


話を聞くとなんと筆頭魔導師様とも口を利いたことがあると言う。

話半分にしても凄いことだ。


何しろボフミエ魔導国の筆頭魔導師様はマーマレード王国の1侯爵令嬢でしか無いのに、4大国の皇太子たちを率いているのだ。


傀儡という話もあるが、こちらまで聞こえてくる武勇伝を聞いていると素晴らしい力をお持ちの魔道士だということが判った。


ソニアはこのインダルのために力になってくれると確約いただいたとのことだが、今ボフミエ魔導国は魔王と国の存亡をかけて戦っている。話半分としても我が国の相手をしていただける時間はないだろう。そして、状況はもう待ったなしなのだ。私はトリポリ国王の慈悲にすがろうと思った。


しかし、その深夜王妃側に襲撃されるとは思ってもいなかったのだ。




兵士達が連れに来たと聞いて私は慌てて着替えた。


飛び込むように入ってきたルドラとともに抜け道に入る。


昔から遊び尽くした隠し通路を進むのは慣れていた。

騎士4人と城の外に出る。


その時になってソニアがいないのに気づいた。


ソニアは城に残って別ルートで逃げたと聞いたが、大丈夫なのだろうか。


しかし、今更もうどうしようもなかった。


城の外に出て、馬を4匹調達すると一路トリポリ国王軍のいる方向にかけた。


私はルドラの馬の後ろに乗せてもらった。


ルドラの躰は暖かかった。


この逃避行が終わればどちらにせよ二度とこんな事は出来ないだろう。


私は平民に生まれていればずうーとこのままルドラの背に掴まっていられるのに、と叶わぬ夢を想った。



このまま順調に逃げられるかと思ったのだが、そんなに甘くなかった。


国境地帯で警戒していた王妃派の兵士達に見つかったのだ。


前から20機ほどの騎士が迫ってきた。


「王女。飛ばしますよ」

ルドラが叫ぶと馬が駆け出した。


剣を抜いて突っ込む。


なんとか中央突破する。


そのまま駆けるが二人の騎士は脱落した。


「殿下、後は宜しくお願いします」

最後に残った騎士ハインが振り返り、敵に突入していった。


「ハイン!」

私は大声で叫んだ。


ハインは周りを囲まれて撫で斬りのように切り伏せられるのを振り返ってみた。


私は唇を噛み締めた。


ルドラは必死に馬を走らせてくれたが、2人も乗せて遠くまで逃げてきてくれた馬は疲れていた。


あっという間に囲まれてしまった。


「王女殿下。投降を。国王毒殺の疑いであなたに逮捕状が出ています」

「何言ってるのよ。お父様を殺したのはマエッセンの犬王妃でしょう。捕まえるならそちらを捕まえなさい」

私は言い返した。


「何だと犯罪者の分際で王妃殿下を侮辱するか」

指揮官らしき男が言う。ふんっ、笑止だ。王妃自らが毒をもったくせに。


「お黙りなさい。私はインダルの正統な王女。リーナ・インダル。貴様らいつからマエッセンの犬に成り果てたのだ」

私は一喝した。


思わず騎士達に戸惑いが生まれた。誰しも心のなかには少しやましいと思っているのだ。


「ええい、何をしている。王妃殿下の命令であるぞ。この女を捕らえよ」

指揮官は必死に叫んでいた。


「あっはっはっはっ」

その時大きな笑い声が響いた。


私は驚いた。周りを見渡すといつの間にか直ぐ後ろの木の上に、二人の男女がいた。

その女性が笑っていたのだ。


「な、何奴だ」

指揮官が叫んでいた。


「リーナ王女。良くこの場でそのように吠えられたな。その気概を買おう」

女は叫んだ。


「ええい、うるさい。貴様からまず血祭りにあげてやるわ」

指揮官が叫んだ。


その瞬間に指揮官が黒焦げになって弾け飛んでいた。


ジャンヌ登場です。

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