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アルバート視線6 大国侯爵令息と王女の侍女は訓練で仲良くなりました

すいません。今日は更新が遅れて 操作方法ミスってしまいました。

夜は19時前後に更新する予定です。

誤字脱字報告、ブックマーク、評価いつもありがとうございます。

頑張って1日2回更新続けていきます

出来る限り・・・・・・・・

朝食の後、宮廷の部屋にソニアを迎えに行くクリス様について行った。


外で待っているとソニアがクリス様と出て来た。


「ア、アルバート様」

ソニアは俺を見て赤くなっていた。俺がここで待っているとは思っていなかったようだ。


「大丈夫か?」

俺は聞いた。


「昨日は本当にすいませんでした」

「気にするな。たまには泣きたいこともあるさ」

俺は昨日のことを思い出して少し赤くなった。


「えっ、アルバート様が泣かせたんですか」

クリス様がふざけて聞く。


「な、何を仰るんですか。私が女性を泣かせるなんてことをする訳が無いでしょう」

俺は焦って叫ぶ。昨日後ろから見ていたのだから事実は知っているだろう。クリス様もからかうなんて人が悪い。学園では敬語で話すなと言われていたのに、焦ってクリス様に対する言葉が敬語になっていた。


「ううん。アルバート様は悪くないの。私が両親のこと夢に見てしまって。泣いた私を慰めていただいたの」

ソニアが俺のために言い訳してくれる。本当にいい子だ。下手な女だとこれをネタに付き合えと脅してくるというのに。


「そうなんだ。辛い夢見たんだ」

「うん。今まで馬車の事故で死んだと思っていたから、マエッセンに襲撃されて死んだなんて思ってもいなくて」



「アレク、お前が余計なこと言うからいけないんだぞ」

角を曲った所にはジャンヌとアレクが待っていた。


「そうか、襲撃されたって知らなかったんだよな。すまん」

俺は驚いた。なんとあの傍若無人、他国の王相手にも今まで謝ったことなど見た事の無い赤い死神が謝ったのだ。明日は剣の雨が降るかも知れない。俺は余計なことを考えた。まあ、こいつが謝るのはクリス様とジャンヌの2人の前だけだが・・・・・


「アレク様。本当に両親は襲撃されたのですか」

「君の両親がどうなったかは知らないが、王妃は襲撃で亡くなったのは事実だ」

ソニアの疑問にアレクが答える。さすが帝国の暗部は情報掴むのも的確だ。事実なのだろう。その10年前のそれを覚えているアレクも怖いが。


「仇を討つ気ならいつでも協力はするぞ。かけには負けたからな」

ジャンヌが言っちゃった。おいおい仇を討つってことは国王を殺すって事で、それって確実に戦争要件だよね。やっぱり暴風王女は最初から戦争する気満々だ。


「えっ、仇を討つなんてそんなの無理です。実際に手を下したのはただの兵士だと思いますし、国王を殺すなんて不可能です」

何も知らないソニアは言う。いやいや、この2人にとってみたら容易いことなんだって。赤い死神は今まで平気でやってきた事だし。


「そうか、所詮マエッセンなんてノルデインの南の小国。やるならやるぞ」

赤い死神が薄ら笑いを浮かべて言った。

そうなんだよな。赤い死神にとっては彼の暗黒の歴史に1ページを加えるだけだから。


それを聞いてソニアは固まっていた。


もっともソニアはアレクが赤い死神だとは知らないみたいだったが。


いい加減に気づけよ。コイツら2人はクリス様と違ってほとんど変装していないし、王女の侍女ならせめて大国の皇太子の顔くらい覚えておけよと俺は思わず言いそうになった。



「アレク、そんなこと言ってるのが学園長に知られたら説教部屋行きだぞ」

「何言ってるんだよ。元々かけを始めたのはジャンヌだろ」

「えっ、私も同罪か」

アレクの言葉にジャンヌは嫌そうにした。


「そんなの決まっているでしょう」

「ふん。実際にソニアに負けたのはアルだからアルも同罪な」

俺が思わず口を出すとジャンヌが言い返してきた。


「えっ、でも私は巻き込まれただけでは」

「そんなの学園長が認めるわけ無いだろう」

俺は否定しようとしたが、ジャンヌは相手にもしなかった。


あの学園長の氷の視線が怖い。


暴風王女と赤い死神はびくともしないみたいだが、学園長の叔母は我が国の王妃だ。その王妃に言われると母に即座に伝わるのでそれだけは何としても避けたかった。



「まあ、ソニア。いざという時は力になるから、相談しろ。でも、学園長にはくれぐれも内密にな」

ジャンヌが手を振って魔導クラスの教室に向かおうとする。


「はい。よろしくお願いします」

「あっ、そうだ。放課後暇だったら訓練場に来い。色々と教えてやるよ」

「えっ、本当ですか。よろしくお願いします」

ジャンヌの言葉にソニアは喜んでいた。暴風王女の悪魔のシゴキにこいつが耐えられるのだろうか?俺は疑問だった。


「剣は俺が教えるから」

教室に入りしなに俺が言った。ジャンヌやアレクに教わるとソニアが死んでしまう可能性があった。


「えっ」

ソニアが何故か固まっていた。


「何で驚く。俺の剣術はジャンヌらに比べて正統派だぞ」

俺は不審に思った。彼奴等に教わるなど絶対にろくなことはない。


「でも、超大国の公爵家の方に教えていただけるなんて、恐れ多くて」

ソニアの言葉に俺は固まった。


俺は所詮公爵家の子供なだけだ。マーマレードの皇太子殿下とノルディン帝国の皇太子殿下に教わるほうが余程恐れ多いだろう。それも相手は世界に悪名を轟かせている暴風王女に赤い死神だ。


知らないって凄い。


何も知らないソニアは俺の態度に不思議そうな顔をして俺を見ていた。





放課後になり、遠慮するソニアに少し無理やり剣を教える。


いやいや、ジャンヌとかアレクに教わるってあり得ないだろう。高貴な方に教わるのは遠慮したいって言うなら、俺しかいないだろう。何しろ相手は大国の皇太子なのだから。それも悪魔の二つ名付きだぞ。




思ったとおり、ソニアは自我流で剣の動きも安定していなかった。


俺はソニアの側に寄りそって教える。

ソニアが何故か赤くなっていた。


でも、剣を教えるのはこんな感じだ。いつも男にしか教えたことなかったから、気にしなかったが、結構ソニアが近い。


でも、考えると教えられなくなるので、ソニアは男だと無理やり暗示をかけて教えた。


しかし、それが貴族の令嬢たちにとって目障りになったみたいだった。


放課後訓練に行くためにソニアを教室に迎えに行くとソニアが令嬢達に囲まれていたのだ。


すぐに助けに行こうとするが、ソニアもなかなか気が強い。ボフミエ貴族共に囲まれてもびくともしていなかった。


「ふんっ。だから低能だと言っているのよ。そんな酒場の酔っ払いの親父がするような低能な言い間違いをして恥ずかしくないの。貴族だって威張りたからったらもっとウィットに富んだ嫌味を言いなさいよ」


「なんですって。ちょっと自分が外国人でう、ウィ何とかって言葉を知っているから威張るなんてもう許さないわ」

ボフミエの貴族令嬢はやはり馬鹿だったみたいだ。ウィットも何のことか判らなかったみたいだ。ソニアが知っていることに驚いたが、


貴族の令嬢たちが更にソニアに近づこうとした。ソニアがなにかしようとしている。いや、ここで障壁を出したら大惨事になりそうだ。俺は慌てた。


「やめろ。そこまでだ」

大声で止める。


「ボフミエの貴族共も集団でしょうもないことをするなよな。

そもそもソニア嬢の剣術を見ているのは私が筆頭魔導師様から命令されたからだ。その方共は筆頭魔導師様に逆らうのか」

俺はソニアに手を出そうとしていた令嬢達に何故か怒りが湧いた。今まで囲まれている令嬢を助けたことは何度もあったが、こんな気持になるのは初めてだった。


「も、申し訳ありません」

令嬢達は慌てて逃げて行った。


「助けて頂いてありがとう御座いしました」

ソニアが頭を下げる。


「もう少し見ていても良かったのだが、あそこでソニアに障壁を使われると被害が甚大だからな。何しろ私でも吹き飛ばされたくらだから」

俺は笑って言った。


それを聞いてソニアは赤くなった。恥ずかしくて俯いているのだろうか。


「何してる時間がない。行くぞ」

そう言うと俺はソニアの手を掴んで歩き出したのだ。


こんな事初めてだ。女の子の手を引いて歩くなんて。


ソニアの手が暖かくて柔らかいということに初めて気付いた。



訓練場では既に魔導クラスの子らが練習していた。


その中心にはジャンヌとアレクの2大巨頭がいて、訓練させていた。暴風王女と赤い死神に訓練してもらえるなんてこの学生達は本当に幸せだ。でも、死人が出なければいいけどと心配するのは俺だけではないはずだ。


「よう、ソニア、来たか」

言うやいなや、ジャンヌは爆裂魔術をソニアに向かって放ってくる。


俺は最初にジャンヌがいきなりやった時に思わずジャンヌに斬りかかってやろうかと思ったくらいだ。


ソニアがかろうじて弾いたから許したが、もう少しやり方があるだろう。いきなり素人にやるか。


まあ、ソニアの障壁は俺を弾き飛ばすくらいだから普通にジャンヌの爆裂魔術を弾いたが。


ジャンヌがその後に3連チャンの爆裂魔術を放つがなんとか障壁で防ぐ。


ソニアは次々にジャンヌが出してくる魔術を弾くと今度はなんとそのジャンヌに向かって反撃に出たのだ。障壁を縦長に瞬時に伸ばしたのだ。


「おっと」

しかし、悔しいことにジャンヌは転移で避けやがった。

俺の方を馬鹿にしたように見てやがる。


くそう、俺もソニアの攻撃方法が判ってさえいれば避けられたのに。ジャルカとの訓練を見ていれば良かった。後悔先に立たず。俺が素人に負けたことを知った兄貴からは魔導電話で1時間怒られ続けた。母親にバレるのも時間の問題かも・・・・・。俺は憂鬱だった。


ソニアは次に的に向かって攻撃魔術を使う。


ファイヤーボールは少しは武器になるくらいまで大きくなったが、衝撃波は的が揺れる程度だ。まだ全然武器としては使えない。


俺は手取り足取りアドヴァイスをするが、これはまだまだだ。


「始めたばかりだから焦っても仕方がないぞ」

ソニアには忠告する。まだ1ヶ月も経っていない。障壁で攻撃できるだけで凄いのだ。負けたから言うわけでは決して無い。


その後剣術の訓練だが、体力のないソニアは30分もやるとフラフラになっていた。



「すいません。まだまだ体力がないですね」

「それはそうだが、ソニアは剣士になるつもりはないんだろう。侍女がメインでいざという時に戦うだけならこんなものではないか」

「でも・・・」

ソニアは出来たらリーナ王女のことは守りたいと言う。しかし、ジャンヌとかアレクになるなんて絶対に無理だから。あの二人を手本にするなんてあり得ない。


「自分一人で背負うな。乗りかかった船だ。いざとなったら俺も手伝ってやる」

「はい。ありがとうございます」

俺の言葉にソニアは頷く。

俺はソニアのお礼が嬉しかった。


訓練していてこんなに楽しいと思うなんて始めてだ。


俺はいつまでもソニアと一緒に練習していたかった。


でも、その思いはあっさりと裏切られたのだった。

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