王女の侍女は狂気の王妃に拘束されて鞭打たれました
私は故郷のインダルの街をリーナ王女とルドラと一緒にぶらついていた。
串焼きを一本ずつ買って手に持って食べながら歩いた。
よくこうやって出歩いて、後でお目付け役に怒られたものだった。
いつの間にかリーナ王女がお淑やかな大人の女性になっていた。そして、リーナ王女の横には凛々しくなったルドラが騎士服で歩いていた。
その二人は一歩の串を食べさせ合いしていた。
ルドラがリーナ王女の愛らしい唇の前に串を持っていく。
「さあ、リーナ、あーんして」
恥ずかしいセリフをよく言うと呆れて見ていると、リーナ王女が恥ずかしそうにしながら小口を開けた。そして、串を口の中に入れる。
「どう、美味しい?」
ルドラがにやけた笑みを浮かべる。
「ん、もう」
言いながらリーナがルドラの手の上から串を掴んで凛々しいルドラの口元に持っていく。
ルドラは大きな口を開けて食べた。
なんか二人にあてられる。私も食べたいと思った。
でも一人だと悲しく思った時だ。気づくと隣にアルバートが歩いていた。
「はいっ、ソニア、あーんして」
アルバートは笑みを浮かべて串を食べさせてようとしてくれた。
私は口を開けて食べようとした。
その時頭から水をぶっかけられた。
「うーん」
私は目が冷めた。
水の冷たさで頭がはっきりしてくる。
私は天井から両手を拘束されてロープで吊るされていた。
捕まってしまったみたいだった。
そして、目の前には目を怒らせた鬼婆がいた。
鬼婆はムチを振り上げて私に振り下ろした。
「うっ」
バシッと音がして痛みが体に走る。
それが何度も。
「貴様。良くもイシャンを」
鬼婆はよく見れば王妃だった。
「イシャン?」
「貴様の魔術のせいで妾のイシャンは半身不随になったのじゃ。貴様には同じようにしてやるわ」
王妃はそう叫ぶと更に何度もムチを振り下ろした。
その度に凄まじい痛みが走る。
「おい、あまりやり過ぎるな。王女の位置を聞かないといけないのだから」
その王妃に偉そうに口を聞くものがいた。誰だろう。私は見たことも無いやつだった。
「しかし、殿下」
「叔母上、私は陛下からリーナ王女を連れ帰るように言われている。聞き出した後ならばどうしても良いがさっさと聞き出してもらおう」
男は平然と言い放った。
王妃に伯母上という事はマエッセンの王子か。
「おい、そこの女、王女はどこに逃げた」
「女王陛下のことか」
私が言うと
「女王陛下だと、何を言っているのだ」
王妃が切れていた。
「そうだ。女。王女は王女でしか無い」
「何を言う。ボフミエ筆頭魔導師様とその配下の皇太子殿下方がこの度、インダル王国の後継はリーナ殿下だとお認めいただけたのだ」
「勝手なことを言うな」
王妃はまた思いっきり鞭で打ってきた。
「勝手なことは言っていない」
「何を言う、女、ボフミエ魔導国は、今、魔王相手にこの国のことなど関わる暇がないとお前の持っていた親書にも書かれていたではないか」
「筆頭魔導師様のお力は絶大だ。魔王相手に遠距離雷撃もされた。側でお見かけしたが、凄まじい威力だった。あれがこの城に向けられれば、貴様らは瞬殺されるぞ。直ちに降伏せよ」
「何を言うのだ。口先女め。その口が開かぬようにしてやろうか」
王妃はムチを私の口につけて中にねじ込もうとした。
「やめろ。叔母上」
王子が手を出して王妃を止めた。
「貴様がそういうということは、王女はクロチアのボフミエ軍の方に向かったのか」
「さあ、それは知らない。でも、魔王との一件が片付けば私の願いを叶えていただけると約束した」
「何を申しておるのだ。愚かしい。貴様なんぞの小国の平民の女のことなど、大国の雲の上の方が聞いてくれるはずがなかろう」
王妃はそう言うと鞭で私を打った。
王妃のムチに何回も打たれて私は思わず気を失った。
ここまで読んで頂いてありがとうございます。
絶体絶命のソニアの運命やいかに。
次回更新は明朝です。




