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王女の侍女は日々の留学生活を楽しみました

訓練場では既に魔導クラスの子らが練習していた。


その中心にはジャンヌとアレクがいて、二人は別格だった。


ジャンヌが並んだ魔導クラスの子らに順番に爆裂魔術を叩き込んでいる。

彼らが必死に障壁を展開して防ぐが、障壁が弱かったものは次々に吹き飛ばされていた。


「よう、ソニア、来たか」

言うやいなや、爆裂魔術を私に向かって放ってくる。


私は瞬時に障壁を展開し、衝撃を受ける。


障壁はびくともしていなかった。


ジャンヌがその後に3連チャンの爆裂魔術を放つがなんとか障壁で防ぐ。


「中々出来るようになったじゃないか」

「ジャンヌ様の訓練の賜物です」

ジャンヌの言葉に謙遜して言う。


「そんなことはないだろう」

言うや、今度は衝撃波をこちらに放ってきた。

これは強力だ。


障壁の強度を強くして受ける。


なんとか弾き飛ばされずに済んだ。


そして、次の瞬間今度はこちらから障壁を縦長に瞬時に伸ばす。


「おっと」

ジャンヌは転移で避けた。


その先にいた魔導クラス生が避けきれずに弾き飛ばされた。


「あっ、ごめんなさい」

私は慌てて障壁を消す。


「お前の障壁はあいも変わらず、凄いな」

ジャンヌがソニアの横に立って言う。


「いえ、邪道というか、防御魔術を攻撃に使うなんて変ですよね」

「いや、発想の転換と言うか、奇襲攻撃にはなる。もっと磨けば立派な武器になるさ」

私の言葉にジャンヌが言ってくれた。


「まあ、今は他の攻撃魔術も磨いたほうが良いがな」

「はい。よろしくお願いします」


私はジャンヌの指示でファイヤーボールと衝撃波を的に向かって放つ練習をした。


アルバートが横について見てくれる。


ファイヤーボールは少しは武器になるくらいまで大きくなったが、衝撃波は相手が揺れる程度だ。まだ全然武器としては使えない。


アルバートが的確にアドヴィスをくれる。とても参考にはなった。

でも、アルバートも自分の訓練があると思うのだが、私に負けたからか中々自分の訓練に入らない。アルバートは近衛なのにそれで良いのだろうか。私は少し不安になった。



そして、魔術の打ち込みが終わると剣の打ち合いの練習になる。


そこはアルバートがマンツーマンで教えてくれた。


私がルドラとやっていた剣術は我流だったみたいで、形を一からアルバートに叩き込まれた。

最近は少しはましな形になったとは思う。


体力のない私は30分も打ち合いをしていると疲れ切ってしまった。


「よし、ここまで」

アルバートが訓練終了の合図を送ってくれた。


「すいません。まだまだ体力がないですね」

「それはそうだが、ソニアは剣士になるつもりはないんだろう。侍女がメインでいざという時に戦うだけならこんなものではないか」

「でも・・・」

私の言葉にアルバートは言ってくれたが、マエッセンの圧力は日々インダルを侵食しているみたいで、私も帰ったら王女を死にもの狂いで守らなければならない。王女を王妃のように殺されてはいけないのだ。


「自分一人で背負うな。乗りかかった船だ。いざとなったら俺も手伝ってやる」

「はい。ありがとうございます」

私はそのアルバートの言葉が嬉しかった。アルバートは筆頭魔導師様の近衛で、そんなにうまい具合に助けてくれるのかどうかは判らなかった。

と言うか基本は主がノーと言えばノーなのだ。


今までは戦力差から言っても国力から言ってもマエッセンに蹂躙される未来しか見えていなかった。それが手伝ってくれたら助かるかもしれないと少しは希望が持てるようになったのだ。


私はジャンヌやアレク、アルバートに感謝した。


授業中はクリスと一緒に勉学に励み、おいしい食事を楽しく食べて、放課後はアルバートに指導されて上達する日々がとても楽しかった。


こんな生活がいつまでも続けば良いのにと思わず、神様に祈ってしまった。


でも神様はとても意地悪でこの夢のような生活はあっという間に終わってしまうのだ。

次回 風雲急を告げます。


明朝更新予定です。

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カートの正体がわかった時、リアは・・・・。
王立学園で繰り広げられるドタバタ恋愛・シンデレラ物語。

ネット小説大賞運営チーム様から感想いただきました。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。
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