王宮の侍女はいざという時は助けてもらえると仲間に言われました
翌朝目が覚めた私は、あれだけ泣いたのが嘘のようにスッキリしていた。
昨夜思いっきりアルの胸で泣いたからだろうか。
本当にアルには酷いことをしたし、私を優しく抱きしめてくれて泣かせてくれるなんてなんて優しかったんだろう。
でも、しばらく恥ずかしくて絶対にアルには会えない。
私は昨日のことを思い出して真っ赤になった。
超大国の公爵令息の胸で泣くなんて・・・・
そう赤くなってうじうじしているうちにミアが来て昨日一日寝ていたと言われて休みの大半を寝ていたのに気づいた。
じゃあ今日は授業じゃん。やばい。
私は慌てて起き出した。
ミアが洗濯してくれた制服を渡してくれる。宮廷で洗濯してもらうなんてなんて事だろうと自分自身に呆れながら、お礼を言う。
「ソニア、大丈夫?」
そこへ制服を着たクリスが迎えに来てくれた。
「ゴメン。クリス。また、魔力切れを起こしてしまって」
私は謝った。魔術を使うと最近はいつも気を失ってしまう。
「それは仕方がないわよ。慣れないのにあんな巨大な障壁作るんだから」
クリスが呆れて言った。
「次からはもう少し気をつけるようにするわ」
私は反省した。
二人で部屋の外に出るとアルバートが待っていてくれた。
「ア、アルバート様」
私は驚いた。まさかこんなところで会うなんて思いもしなかったのだ。
まあいるのは宮廷だし、基本近衛騎士のアルバートは宮廷に住んでいるはずだからいるのは当然かも知れないけれど。
「大丈夫か?」
開口一番聞いてくれた。
「昨日は本当にすいませんでした」
私が胸の中で泣いたことを謝る。
「気にするな。たまには泣きたいこともあるさ」
アルバートが気を使って言ってくれる。こんなに優しかったんだ。最初に酷い奴だと思った自分を殴りたくなる。
「えっ、アルバート様が泣かせたんですか」
クリスがふざけて聞く。
「な、何を仰るんですか。私が女性を泣かせるなんてことをする訳が無いでしょう」
アルバートは焦ったのかクリスに対する言葉が敬語になっていた。
女の子を泣かせたってことに過剰反応している。まあ、泣かせたのなら騎士としてはあるまじきことだけれど、昨日は私が泣いたのだ。
「ううん。アルバート様は悪くないの。私が両親のこと夢に見てしまって。泣いた私を慰めていただいたの」
私がアルバートのために言い訳する。
「そうなんだ。辛い夢見たんだ」
クリスが何か考えながら言う。
「うん。今まで馬車の事故で死んだと思っていたから、マエッセンに襲撃されて死んだなんて思ってもいなくて」
「アレク、お前が余計なこと言うからいけないんだぞ」
いきなり角を曲がった先にジャンヌとアレクが待っていた。
何でこの二人が宮廷の中にいるんだろうと不審に思ったが、私を心配して宮廷まで来てくれたんだろうか。彼らは実力から言って既にボフミエの魔導騎士になっているのかもしれない。
「そうか、襲撃されたって知らなかったんだよな。すまん」
「アレク様。本当に両親は襲撃されたのですか」
「君の両親がどうなったかは知らないが、王妃は襲撃で亡くなったのは事実だ」
なぜ他国のアレクが知っているのか判らなかったが、ここまで言い切るのだから事実なんだろう。
「仇を討つ気ならいつでも協力はするぞ。賭けには負けたからな」
ジャンヌが言ってくれた。昨日の賭けは私が気絶したから負けだと思っていた。勝ちにしてくれるんだ。
「えっ、仇を討つなんてそんなの無理です。実際に手を下したのはただの兵士だと思いますし、国王を殺すなんて不可能です」
「そうか、所詮マエッセンなんてノルデインの南の小国。やるならやるぞ」
私が答えると真顔で言うアレクの言葉に私は絶句した。
マエッセンが小国ならインダルなんてクズ国になってしまうじゃないか。
その国王を仇討ちするなんて絶対に無理だと私は思うのに、アレクは私に気を使ってくれて冗談を言ってくれたのだろうか。
「アレク、そんなこと言ってるのが学園長に知られたら説教部屋行きだぞ」
「何言ってるんだよ。元々賭けを始めたのはジャンヌだろ」
「えっ、私も同罪か」
アレクの言葉にジャンヌは嫌そうにした。
「そんなの決まっているでしょう」
「ふん。賭けで負けたのはアルだからアルも同罪な」
アルバートが話すとジャンヌが言い返してきた。
「えっ、でも私は巻き込まれただけでは」
「そんなの学園長が認めるわけ無いだろう」
アルが青くなって言い訳したが、ジャンヌはそれを一顧だにせずに否定した。
学園長って、そんなに怖いんだろうか。まあ生徒の分際で大国の国王に仕返しをすると話す段階で学園の範疇を超えていると思うけれど。
「まあ、ソニア。いざという時は力になるから、相談しろ。でも、学園長にはくれぐれも内密にな」
ジャンヌが手を降って魔導クラスの教室に向かおうとする。
「はい。よろしくお願いします」
「あっ、そうだ。放課後暇だったら訓練場に来い。色々と教えてやるよ」
「えっ、本当ですか。よろしくお願いします」
ジャンヌの言葉に喜んで私はお礼を言った。
「剣は俺が教えるから」
教室に入りしなにアルバートが言ってくれた。
「えっ」
私は固まっていた。
「何で驚く。俺の剣術はジャンヌらに比べて正統派だぞ」
アルバートが言う。
「でも、超大国の公爵家の方に教えていただけるなんて、恐れ多くて」
私の言葉にアルバートはとても不思議そうな顔をした。
「いや、ジャンヌとかアレクに教わるほうがおそれ・・・・」
「えっ、何かおっしゃいましたか」
アルバートの言葉は最後のほうがチャイムが鳴って聞こえなかった。
「いや何でもない」
私達は急いで席についた。
ここまで読んで頂いてありがとうございます。
ソニアの師匠は超一流?




