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王女の侍女はクリスと魔導電話を買いました


私達はエスター商会と書かれた店の中に入った。

中にはいろんな魔道具などが所狭しと並べられて売られていた。


「すごい!」

私はこれだけたくさんの魔道具を見たのは初めてだった。世の中にはいろんな魔道具があるんだ。さすが魔導先進国のボフミエだ。



「これはこれはクリス様。今日はいかがされたのですか」

私達の後ろから中年の親父が出て来た。ここの責任者のようだった。クリスは平民なのに顔が広いんだ。私も出来る限り見習おうと思った。


「エスターさん、お久しぶり。今日は友だちの魔導電話を見に来たの」

「お友達の魔導電話ですか。どちらのお方なんですか」

エスターは私を見た。


「インダルから留学中のソニアって言います」

私は挨拶した。


「ほう、北の方の王国のご出身ですか」

値踏みするようにエスターは私を見た。


「はい、ご存知なんですか」

「ええ、私は商人ですから、あなたの国にも行かせてもらったことがありますよ」

「えっ、本当ですか」

私は驚いた。インダルなんて誰も知らない国だと思っていたのに結構知られている。それも行ったことのある人に私は初めて出会って喜んだ。


「はい。王宮にお邪魔したこともありますよ。国王陛下にはお会いしたことはありませんが」

「そうなんですか。私、王宮で勤めていたんです」

私は嬉しくてつい口が軽くなってしまった。余計な一言だったかな。


「エスターさん。彼女、王女の侍女やっているんです。また商売のつてが出来るかもしれないから、少しまけてあげて下さいね」

「ええ、それは問題ございませんよ。クリス様のお知り合いでもあることですし」

「えっ、でもクリス悪いわ。今後どうなるか判らないし」

私は悪いと思って言った。エスターの力になるかどうかよりも、そもそも王女が今後どうなるかも判らないのだ。


「マエッセンからの圧力がすごいと伺っておりますが、それほどですか」

エスターが聞いてきた。


「よくご存知ですね」

「まあ、商人は情報が命ですから」

私の言葉にエスターが笑って言った。



「女の子向けならこれらの魔導電話はどうですか」

エスターが色とりどりのかわいい魔導電話を持ってきてくれた。

うさぎとかくまの形をした魔導電話だ。


「うわあ、こんなかわいいのあるんですね」

私は可愛い魔導電話を手にとって言った。


「今は女性の方にはこのどちらかが人気ですね」

うさぎと妖精型の携帯を指差してエスターが勧めてくれる。


「ソニアにはこのうさぎが似合うと思うぞ」

アルが青いいうさぎを掴んで勧めてきた。


「えっ、それはそれだけ可愛いって事?」

私は言ってみた。でも、アルバートはその言葉に横を向いた。

何よ。お世辞でも頷いてくれても良いじゃない。


「この蒼いうさぎって、今演劇で話題になっているうさぎをモチーフにしたんですよね」

クリスが説明してくれた。これは絶対に可愛いうさぎじゃないと私は直感で思った。


「ドジばっかりしているうさぎだろ」

横からオウがばらしてくれた。やっぱり。公爵令息には私はドジっ子娘らしい。


「ひどーい」

私はぶーたれた。

アルはあっという間に遠くに逃げていた。


「まあ、そうは言っても今うちの一番人気ですよ」

エスターさんが必死にフォローしてくれる。


「うーん」

私は色々見て悩む。


クリスはいつの間にかオウと離れたところで魔道具を見て話していた。

二人の距離が中々いい感じだ。うーん、あんな眼鏡でもあんなイケメンが掴まえられるんだ。女は見た目ではないかもしれない。私にも少しは可能性が出てきたかもしれない。私はクリスが聞いたらとても失礼なことを考えていた。


「どうですか。ソニアさん」

その私にエスターが声をかけてきた。


「うーん、でも高いんでしょう?」

「お気に召したのならば差し上げますよ」

「えっ、そんな悪いです。将来的にお役に立てるかどうかも判りませんし」

「でも、クリス様が連れてこられたんですから」

エスターは笑った。クリスは平民なのに、余程信頼されているらしい。


「彼女は私にとって幸運を運んできてくれるんです。あなた様も将来的には必ず私にとって大切なお客様になる方なのだと。魔導電話など安いものですよ。あなたとお知り合いになれたら」

「いやいやいや、私は王女の侍女と言ってもインダルは小国ですし、私は平民でほとんど何のお役にも立てないですよ」

私は否定した。


「そんな事はないですよ。少なくともクリス様と知り合いになれたのですから」

「???」

私にはエスターの言葉の意味が判らなかった。


「そうですね。ただなのが嫌と言われるのならばではじゃあ1朱銀貨で」

「えっ、そんなに安くて良いのですか」

私はその言葉に驚いて聞いた。定食1食分だ。本当にそんな安くて良いのかと再度確認したが、


「先行投資ですよ。気にせずにお使い下さい。・・・・・・」


エスターは笑って言った。その後の言葉はよく聞こえなかった。


まあここまで言ってくれたら買うしか無いかと私は財布を開いた。


私がエスターが言った言葉の本当の意味がわかるのはまだ大分先のことだった。


ここまで読んで頂いてありがとうございました。

すいません。1日3話更新は今日は無理です。

頑張って毎日更新目指します。

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平民で薬屋の娘リアは幼馴染のカートの勧めで特技を生かして王立学園に行くことに。でも、そこには王子様やお貴族様がいて、出来るだけ避けようとしたのに、何故か王子らと親しく?なってドンドン深みにハマっていきます。悪役令嬢や可愛らしい女の子が何を勘違いしたのかリアに絡んでくるけれど、リアが好きなのは王子ではなくカートなのに。でもそのカートの動きも怪しくて・・・・
カートの正体がわかった時、リアは・・・・。
王立学園で繰り広げられるドタバタ恋愛・シンデレラ物語。

ネット小説大賞運営チーム様から感想いただきました。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。
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