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王女の侍女はクリスと街に買い物に出ました


「ソニア、大丈夫?」

服を着たところでクリスが現れた。


「ええ、心配かけてゴメン」

私は謝った。


クリスは青いワンピースを着ていた。なんか黒縁メガネが目立っているんだけど、あまり人の趣味についてはまだあまり色々言えないし、もう少し黙っていることにした。

でも、クリスなら眼鏡変えるだけで、絶対に美人になると私はその時は思っていた。



「でね、ソニア、二人だけで街に行こうと思ったんだけど、ちょっと捕まっちゃって」

クリスが謝ってきた。別に他の同行者がいても私は全然問題はない。ムカつくアルバートでない限りは・・・・


しかし、何故か城門の所にアルバートがいて目が点になったが。


「アルバート様は知っているわよね」

私はクリスの言葉に頷く。まさかここで一緒とは思わなかった。


「こちらはオウ。内務省に勤めているの」

クリスが黒髪の顔立ちの整った青年を紹介してくれた。


「オウ、こちらがインダルからの友人のソニア」

「はじめまして、ソニア」

オウが微笑んだ。これは女たらしの笑みだ。イケメンは違う。私は戦いた。


「オウさんはクリスの恋人なんですか」

私は思わず聞いてしまった。

だってこんなイケメンが私達にわざわざついてくる意味が判らなかった。


「違うわよ」

クリスは瞬時に否定したが、

「いやあ君よく判ったね」

オウは喜んで頷いた。


クリスとオウの反応を見て私は思った。オウはクリスに熱烈にアプローチ中でクリスはまだ頷いていないんだ。そんな二人の休日デート私が邪魔して良いんだろうか。


「昨日は魔力の欠乏症で気を失ったんだって。ドジだな」


そんな二人に対して私の相手はデリカシーも何も無い口軽男だ。大国の要人と仲良くなりたいとの私の言葉を覚えてくれていたから連れてきてくれたと思うんだけど、こいつとはあんまり一緒にいたくないと思っていた所にこの言葉。私はむっとした。


「おい、無視するなよ」

無視して歩き出そうとしたからアルバートは慌てて声をかけてきた。


「人の知られたくないことペラペラ皆に話すなんて最低」

私は軽蔑した目でアルバートを見下す。


「えっ、どういう事?」

「ミアに聞いたの。私のドジしたこと皆に面白おかしく言ったって」

「えっ、そんなこと言ってないぞ」

アルバートは困った顔をして言ってくる。


「あっ、それ俺も聞いたよ。インダルから留学できた子がドジッ子過ぎて面白いって」

オウも言う。


「ほら、あなたが広めたんでしょ。最低。行きましょ。クリス」

私は怒ってクリスを引っ張って歩き出した。


「えっ、ちょっと待ってよ」

二人を無視して私はどんどん歩き出した。




私は怒ってどんどん歩いた。ちょっと自分が貴族で偉いからって勝手に異国の人間の悪口を言うのはやて欲しい。自分がちょっとイケメンだからって許さないんだから。


でも、やはり都心部は人が多い。私は横から歩いてきた大男にもろにぶつかりそうになった。


「気をつけろ」

男の怒声に私はビクリとした。


「ごめんなさい」

私は思わず頭を下げる。やばい。


「ほおおお、可愛い姉ちゃんだな」

男が私の顔を見てニヤリと笑う。


やばい。嫌な奴に捕まった。男が私の方に手を出そうとした時だ。


「私の連れが何かしたか」

横から凄まじい殺気が放たれていた。


「ヒィィィぃ」

男は思わず後ろにへたり込んだ。


横には怒り顔のアルバートがいた。


「何でもありません」

男は慌てて逃げて行った。


「本当に君は人にぶつかるのが好きだな」

アルバートが嫌味を言う。


「いつもぶつかってないし」

私はぶすっとして言った。


アルバートがにらみつける。


「まあまあ二人共怒らない」

クリスが間に入った。


「ソニアも、せっかくアルと話せる機会なんだから」

「別に頼んでないし」

せっかくのクリスの話に私は突っかかる。


「まあ、でも助けてくれたんだから」

クリスがウィンクした。確かに、リーナ王女の後ろ盾になりそうな人を探さないといけないし、筆頭魔導師様にはひどいこと言ってくれたけれど、せっかくのつてだ。無駄にしては行けない。私は必死に我慢しようとした。


「助けて頂いてありがとうございました。アルバート様」

私が頭を下げる。


「ふんっ」

ブスッとしてアルバートがあっちを向く。


「俺はアルだ!アルって呼んでくれ」

アルバートが私に言った。そうだった。今日はお忍びでアルって呼べって言われたのだった。



「判った。アル。皆に私のドジ話したのは許さないけれど今のは感謝するわ」

「いや、ひどい話をした覚えは」

「だって皆、私を見たらあああのドジなって納得してくれるのよ」

私がぶすっとして言う。


「まあ、ソニア、アルも不注意に広めたのは悪いかもしれないけれど、皆に名前が売れたんだから、良しとしたらどうかな。外交の基本はまず名前を売り込むことだから」

内務省の事務官のオウが訳知り顔に言う。


確かに内務省で文官やっているオウの言葉は説得力がある。


「そうよ。ソニア、それに、いざとなったらアルが何とかしてくれるわよ」

クリスが言う。


「えっ、本当ですか。アル様」

現金なもので私はその言葉に飛びつこうとした。


「そんな事、出来るわけ無いだろう」

慌ててアルバートが否定する。


「そうですよね。私平民ですし、インダルなんて小国、超大国ドラフォードの公爵家の方からしたらクズみたいなものですし、笑い者にするくらいしか出来ませんよね」

私は下を見ていじけてみせた。


「えっ、いや、そんな事は思っていないぞ」

「でも皆で笑い者にしてくましたし」

「してないって」

アルは必死に言い訳を始めた。


「まあまあ、ソニア。アル様はいざという時は助けてくれるから」

「そう、アルは心が広いから」

クリスとオウが言う。


「いや、私よりもあなた方のほうが・・・・」

「ソニア、魔導電話はあそこの店よ」

クリスは、アルが助けを求めるようにクリスとオウの二人を見て話す言葉を途中でぶった切って、私の手を引いて強引に商会に向けて歩き出した。アルが何を言いたかったのか気になったけれど、やぶ蛇になると嫌なので私はそのままクリスに手を引かれてついて行った。


ついに、オウが登場です。

次話は明朝更新予定です。


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平民で薬屋の娘リアは幼馴染のカートの勧めで特技を生かして王立学園に行くことに。でも、そこには王子様やお貴族様がいて、出来るだけ避けようとしたのに、何故か王子らと親しく?なってドンドン深みにハマっていきます。悪役令嬢や可愛らしい女の子が何を勘違いしたのかリアに絡んでくるけれど、リアが好きなのは王子ではなくカートなのに。でもそのカートの動きも怪しくて・・・・
カートの正体がわかった時、リアは・・・・。
王立学園で繰り広げられるドタバタ恋愛・シンデレラ物語。

ネット小説大賞運営チーム様から感想いただきました。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。
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