表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

幸運【ショートショート】

作者: 蜜柑



トイレの個室の壁の下の隙間。包丁が突っ込まれた。抜き差し。青ざめ、驚いていると、引っ込んだ。


焦ってしかしゆっくりと外に出る。包丁を持った、名前しか知らない、話したことの無い同級生がいた。

右手が切れる。

出口へ走った。


外に出ると、人がたくさん。とにかく危ないことを伝えなければ。


「包丁を持った女に!襲われました!通報して!」


逃げ、隠れながら、血を拭い、110番通報。


「○○大学に刃物を持った女がいます!早く来て!助けて!!」


警察が驚く。「本当ですか?すぐに向かいます。」


電話は繋ぎながら、できるだけ遠くへと逃げる。手の傷はすぐに血が止まった。


追いかけてくる足音。さっきの女ではなく、知らない男。誰だ?

ブツブツと何か言いながらにじり寄ってくる。3階のベランダ。下は畑。飛び降りるしか無かった。

周りにいた数人が一緒に飛び降りたが、そのまま倒れている。


運良くまだ動ける、逃げなければ。




走る。

自販機の前。130円の麦茶。優しい後輩2人。

「飲み干す度に買いにこされられたよな」

「ガツンと言ってくれてちょっとスッキリ」


走る。

仲の良い同級生。すれ違う。

「......」

睨まれた。


走る。

大好きな恋人。全力で殴りかかってきた。避ける。涙が出てきた。逃げる。



「自業自得」

「あれだけやってれば返ってくるよな」

「せいせいした!」

「まだ足りない、もっと」

「......死んでしまえ」


窓の外にパトカーが見えた。










警察に捕まるのは私だろうか。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ