超高性能AI
おはおき未来科学研究所──人類の叡智を結集して作られた酸いも甘いも知る最先端施設。
そこに今、ひとりの少女が眠っていた。
彼女の名は『グン・モニ子』。とある研究者の娘の容姿思考を模して作られた高性能アンドロイドである。
今日は彼女の試運転の日。
「おはよー☆ おきて♪」
「ピピピ……パスワード『おはよー☆ おきて♪』を確認。グン・モニ子、起動します」
「おはよう、モニ子。今日は貴女の超高性能AIの確認とか成長とか諸々を兼ねて、そこにいる一般男性との交流をしてもらうわ」
「で、デュフフ……モニ子ちゃん、はじめましてなんだな」
「ぅゎ、何このキモいおっさん、死ね!」
モニ子は胸部に内臓されたミサイルを全弾射出すると、目の前の一般男性を跡形もなく破壊した。
「対象の消滅を確認。お疲れさまでした」
「もうモニ子、ダメじゃない。いくら他人との関わりが薄く居なくなってもしばらく誰にも気付いてもらえないような人を選んでいるとはいえ、殺したら後処理が大変なのよ☆」
「だって~」
「次はもうちょっと長く生かしてあげて☆」
「ならママももっとイケメンを連れてきてよ」
高性能アンドロイド、グン・モニ子の夜明けは遠い。