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吹き飛ぶ

 

 その時、晴明達の左側に位置していた、伏見と三笠。

 絡新婦に向かって発砲するが、簡単に避けられた。

 そして、弾が切れてグロッグ26のスライドが後方でストップする。


「弾切れっ⁉︎」

 三笠が思わず声を漏らすと、その声に反応して、絡新婦は脚を、三笠に向かって振る。


 三笠はそれをなんとか避けたが、三笠の近くにいた伏見が、その脚に当たって、


「ゴフッ」

 と、声を漏らしながら吹き飛ぶ。


「伏見さんっ!」

 三笠が、吹き飛んだ伏見に向かって叫ぶ。


 地面に叩きつけられ、転がって止まった伏見が、痙攣している。


「よくも伏見さんを!」

 三笠が、予備の弾倉をグロッグ26に入れ、絡新婦に向かって銃を撃ちまくる。


『やかましい小娘め!』

 絡新婦が、三笠に向かって投網状の糸を射出した。


 投網に絡め取られたような状態の三笠が、その場に倒れる。


『後でゆっくり食ろうてやるわっ!』

 絡新婦がそう言ってから、他の退魔師に脚を向ける。


 子蜘蛛に向けて発砲していた、一人の退魔師は、子蜘蛛しか見ていなかった。


 その退魔師に、絡新婦の脚が伸び腹を貫いた。


 退魔師の叫び声が、駐車場に響きわたる。


「鈴木さんっ⁉︎」

 絡新婦に腹を貫かれた退魔師に、誰かが声をかけたが、反応は無い。


 脚に突き刺さった退魔師を、自分の方に手繰り寄せて、ボリボリと頭から齧り出す絡新婦。


「ああ、鈴木さんが……」

 その光景に、先程声を上げた退魔師が、絶望的な表情をした。


「マズい、退魔師達の弾がきれて、被害が出だした。弾の無くなった退魔師は、下がれ! 距離を空けろ! 陰陽師は出せるだけ式神を!」

 そう言ってから、晴明はチラリと安道を見る。


 片膝を地面につけて座る安道の周りには、イタチやネズミが群れている。


「もう少しかかりそうか」

 晴明はそう呟いてから、数体の虎の式神を、絡新婦に向けて放った。




 安道は少し離れた所で、仲間のイタチやネズミを呼び集め、力を分け与えていた。

 ダラダラと話をしていたのは、近くにいる仲間を集める時間稼ぎだったのだ。


 力を分け与えられたイタチやネズミが、二回りほど大きくなっている。

 数はイタチが8匹。ネズミは50匹ほどだろうか。


「よし、みんな頼むよ。行けっ!」

 安道の声と同時に、走り出すイタチやネズミ達。

 子蜘蛛に次々とに飛びかかる。


 子蜘蛛はそれを避けて火の玉を吐くが、ネズミ達の数は多いし、機敏な動きで火の玉を避けてもいるので、数匹倒せただけだ。


 子蜘蛛の脚や腹に噛み付くネズミに、


『ワシの分身を食うなああ!』

 と、絡新婦が叫び、脚を振ってネズミを振り払うと、子蜘蛛を背後に庇いながら、脚で腹に噛み付いてくるネズミを、殴りつける。


 イタチはというと、子蜘蛛に迫られている弾切れの退魔師達のところで、子蜘蛛に攻撃をしている。


『クソがあぁ!』

 絡新婦の脚が、そのうちの一体のイタチを殴ると、イタチが吹き飛ばされる。


「お前達、無理に攻撃するな。ヤツや子蜘蛛を翻弄してくれれば良い!」

 安道が仲間に指示しながら、グロッグ17で子蜘蛛を撃ち殺していく。


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― 新着の感想 ―
[一言] 銃が効くならマシンガン系とかランチャーが欲しいね!
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