恩恵
ふと目が覚めると、目の前には茶髪の女性がいて、何やら俺を見ているようだ。ごにょごにょとしか聞こえないが、なにやらかわいいだの言っているようだ。
「バブ~」
バブ~?!いったいどうなっている、というか、やけに俺の体小さくないか?まさか、俺、赤ちゃんになってる?!
困惑しながらも、俺は母乳を飲み、おしめを変えてもらい、風呂で体を洗ってもらった。俺は、赤ちゃん、こんなに至れり尽くせりなのか~としみじみ感じていた。
まて、そんなことよりもなぜ俺はここにいて、しかもなんで赤ちゃんなんだ?漫画で横道な転生する理由を思いつかない。事故で死ぬだの、急に転戦陣がでてくるだのある。と首をかしげて想像すると、風呂で寝ている俺を思い出した。顔に手をあて、なんて間抜けなことをしたんだ…と感じたが、まずは冷静に状況把握だ。ここは見たところ、石造りの建物で、メイドも執事もいるようなので、ここは富豪の家らしい。この茶髪の女性はどうやら母の代わり?をしてくれているようだ。
「リシュテ様が亡くなられた今、私がアルト様を立派に育てなければ…」とかわいらしい俺を見て言葉を放った茶髪の女性。どうやら俺はアルトといって、母はもういないらしい。
まぁ、前の世界は面白くなかったし、この世界が俺の新しい人生だ!と、正直、前世のことなどどうでもいいぐらい心がワクワクで踊っていた。
10年後
この世界には魔法というのがある。だかその力を扱えるのは限られている。というのも、10歳の時に、皆は神からの恩恵、すなわちこれからの人生を左右する力を与えられる。何を与えられるかは、10歳までに行ってきたことにも左右されるそうだ。体力づくりや勉強、そして今までの行いによっても変わるそうだ。魔力というのは力が与えられるまではわからないし使えない。その力は、神々の塔 ジャストレで、神によって本人の力にあった箱の鍵を与えられる。1本か、はたまた10本かはわからない。与えられた鍵の合う箱をとてつもなく広い空間の宙に浮いている大量の箱の中から探さなければならない。
「シャーレ、もうすぐジャストレにつきそう?」
「そうね、あと10分ぐらいじゃないかしら」(母の代わりに育ててくれた茶髪の女性)
少女「アルトはどんな恩恵を授かりたい?」こいつは俺の幼馴染で同い年の少女 サリア 俺の家よりでかい家に住んでいる。
「そんなのわからないよ。それに箱の鍵をもらって探すのにどれぐらい時間がかかるかわからないじゃないか」
「そうだけど...アルトだって少しは夢を見てもいいんじゃない?」
「んー」
「そろそろジャストレに着きますよ、アルト様、サリア様。」と御者が呼びかけた。
その高くそびえたつ塔には、たくさんの人が集まっていた。10歳の子供たちに鍵が与えられる儀式が始まる。
「ここからはあなたたちだけで行くことになるから、気をつけなさいね。」
「はーい」といって俺とサリアは塔の中に入っていった。
「それでは、これからあなたたちに鍵の授与する。鍵は1つの場合もあれば、複数あることもある。その鍵の合う箱を探すのは、困難かもしれんが、頑張って探してくれ。」と髭の長いご老人は言った。
「もう鍵は授与しました。」
「え?」と首をかしげながら話を聞く。
「あなた他のポケットの中です。それがあなたたちに与えられた鍵。それでは鍵の合う箱を探しなさい。見つけられるまで」
俺に与えられた鍵は3つ。全部普通サイズの鍵が2つと、やけにキラキラしたハートについた鍵だった。
「サリア、お前はどんな鍵をもらったの?」
サリアは、ふふんと自慢げな顔で俺に鍵を見せてきた。それはきれいな金色で、宝石がいくつもついていた。珍しいのかはよくわからないが、すごそうだ。
「どう?これ!すごくない!」
「そうだね。」とすこし残念そうに俺は答えた。
「早く箱を探しに行きましょ!」
「うん」
そうして、俺とサリアは1週間かけて探した。俺は、ハート以外のやつは見つかった。一つは家事・商売スキルが高いもの、もう一つは剣術と体力の値が高かった。サリアも必死に探しているようだ。
「次こそ!てい!」とサリアが鍵を差し込むとぴかーんと光が当たりをまぶしく照らした。
【魔導士】と書かれている神と川のローブが入っていた。髭のおじさんが「おお!」と叫んだ。
「なんてことだ!役職が書いてある恩恵なんて聞いたことがない。しかも魔力のレベルやそのほかのレベルも10歳ではありえないレベルのスタートだ!」
「そ、そんなにすごいの」と嬉しそうに聞く。
「あぁ、そうだよ。」
俺は、あいつすげーなーと思って箱の鍵穴に次々と試し入れ続けていた。そしたら、なんと一つな正方形の箱があいたのだ。
「一体なんの恩恵なんだろう。」とワクワクしながら箱の中の恩恵の紙を見てみると。
魔術、剣術、魔力、体力、筋力、瞬発力etc...すべてがMaxだった。
俺は興奮して「うおぉぉぉ」と叫んだ。おっさんはサリアに夢中なので気づかなかったようだが。まあいい。これはすごすぎると思い、隠すことにし、サリアと共に外へ出た。そこにはシャーレが待っていた。
「おかえりなさい。二人とも。恩恵はもらえたの?」
「うん」と二人は答えた。
「ていうか、アルトはどんな恩恵を授かったの?」
「ん?まぁ普通」
「普通って何よ」と嬉しそうに聞いた。
「平凡だったよ、しいて言うなら剣術スキルが高かったかな。」と残念そうに言った・
「そうなの、でもすごいじゃない、剣術スキルを極めれば宮廷の騎士になれるわ!」
こころのなかで笑いながらアルトは話を聞いていた。
家に戻り、近くの山で早速恩恵どんなもんか試そうとした。
「なんかでろ~なんかでろ~」と手をだして踏ん張ってみた。何度やっても何も起きない。おかしい、と思ってもう一度恩恵を見てみた。改めてすごいなと顔をニヤニヤさせながら、下まで見てみると...
「これらのレベルは、異性との口づけによって成り立つ。」
小説をなんとなく書いてみたくて書いたくそ初心者です。内容は荒いかもですが、すこしでも面白いと感じてくれたらうれしいです。