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出会い

雲ひとつない晴れた日の朝に俺は生まれた。

両親、親戚、両親の仕事仲間に祝福され、俺はすくすくと成長した。

俺の名前は佐藤孝保(サトウ タカヤス現在28歳独身

現在彼女募集中だ。

まぁそんなことはどうでもいい。

俺はために貯めたお金で一人暮らしを始めるのだ。

「これは、、あ、こっちに運んでください。」

荷物運びが一段落して、少し休憩をしていると1本の電話が鳴り響いていた。

出ると女の人がすごい勢いで喋りだした。

「あ、

出てくれた!!佐藤先生今すぐ病院に向かってください!!!」

電話先から何やら騒がしかった。

俺は慌てて病院に向かった。

話によると女の子がアザだらけで緊急搬送されたらしい。

病院に着き急いで白衣を着て緊急オペを開始した。

「遠藤さんカルテを」

「……なるほど分かりました」

「それでは緊急オペを開始致します」

それから約3時間後なんとか一命を取り留めた。

保護者から礼も言われたが、すこし違和感を感じた。

普通は子供が緊急手術になったら泣いて焦るはずなのにこの母親は妙に冷静だった。

でもまぁたまに冷静な人もいると思い、あまり深くは考えなかった。

………しかしこの時の俺の考えは甘かったと後悔することになった。

すっかり元気になり、女の子も退院して、

元気になってよかったとひと安心したのも束の間一週間後その女児は両親からの虐待でこの世を去ってしまった。

俺は後悔してもしきれなかった。

親からの虐待に気づかずに聞きもしないで

退院させてしまったのだから……

同僚や後輩から散々励まされても心にぽっかりと空いてしまった穴はどうやっても塞がらなかった。

俺にはこの責任は重すぎた…

それからしばらくして医者をやめ俺はサラリーマンとして働いている。

医者と比べると今の給料は少し物足りないが、あの時のプレッシャーに比べたらまだマシだ。

そして、いつものようにパソコンとにらめっこしていると上司の高田さんがやけにニヤニヤしながら僕の方へ向かってきた。

「いや~佐藤くんが仕事出来る人でよかったよー今日もあの大企業と話つけたそうじゃないか!」

「あ、ありがとうございます。」

「どうだい今日1杯飲みに行かないかい?」

「あはは、あいにくこの後用事があるもので今度是非飲みに行きましょう」

俺は適当に上司をあしらってそそくさと家に帰った。

しばらくして晩飯を作っているとやけに隣の家が騒がしかった。

俺は気になってしまい隣の家に耳を傾けた

「何やってたんだ!この出来損ない!!」

「うわぁぁぁんごめんなさぁい」

親と思われる声と子供の声だが、俺は耳を疑った、余りにも容赦ない罵倒でとてもじゃないが聞いていられない。隣の家に文句を言ってやろうか迷ったが俺の子供ではないし俺はただのサラリーマン、他人の私情に首をつっこむのは良くないと思い聞いてないことにした。

そして次の日俺は、いつものように仕事に出かけようと外に出た時、丁度隣の家から

子供が外に出てきた。

俺はその子を横目でチラッと見るつもりだったが、余りにもひどい格好で体が痩せすぎているのに驚き目が離せなくなっていた。

子供がどこかに行こうとしているから俺は跡をつけることにした。

それからしばらく歩いて子供はゴミ箱にめがけて走って行ってそのままゴミ箱を漁っているではないか。

その光景をみた俺は唖然とする他なかった。

しばらく漁っているのを見たら、見知らぬおばさんに話しかけられた。

「ねぇそこのお兄さん、このお嬢ちゃんと知り合いかい?」

「い、いえ、見知らぬ子ですが」

「そうかい……酷いもんだろ、あたしゃ見てらんないよ…」

俺はこの子をみて何も答えられなかった。

おばさんもすぐに家に戻って行った。

この子をどうにかして助けてあげたいと考えていたはずなのに気がつくと彼女の目の前に来てしまった。

子供は僕を見て体が小刻みに震えていた。

「な…なんですか……お金もって…ない」

「な.なにか、ご飯でも食べる?」

子供は小さく上下に頷いた

これが俺と子供の出会いだった……

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