表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

あなたはきらきら輝いていました。

作者: 岩崎月高

 くすくすと、心をくすぐるあなたの笑顔が好きでした。


「おはよう」のその一言だけで花が咲く。モノクロの世界で佇む僕に、光を与えてくれました。

「ばかなの?」とからかう声が、何故だか心を打つのです。他の人なら絶対に、そんなことにはならないけれど。


 どきどきと、死ぬほど鳴ったよあのときは。


「ありがとう。私も好きだよ」染まった頬が、幸せって何かを教えてくれた。生きる意味をあなたがくれた、あなたこそが生きてく理由になりました。


 

 ふわふわと、跳ねるように生きる姿が好きでした。


「辛いことなんてないよ」自分に嘘つくその姿が、とても美しく見えたのです。

 でもこれだけは言えばよかった。あなたの嘘は、気づいていたよ。だけれど僕には、助けてあげる力がなかったのです。



 ぎりぎりと、軋む綱の音が聞こえてくる。


「…………」幸せは、永遠に続くと思ってた。



 からからに、なった僕だけ、一人だけ。今のあなたを見れるのは。


「ごめんね」と書かれた紙に、ぽたぽたと滴が落ちていく。「さよなら」を、僕はぐしゃぐしゃ踏み消した。



 ふわふわと、くすくすと、どきどきと。全てに終わりが来たんだね。



 ぷつりと音も光も消えました。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 短編小説と言うより、散文詩ですね。実体験からでしょうか、胸に迫るものが有りました。 人間の生の心情には、細かい描写などいらない、思いの深さが全て。そんな言葉を思い出しました。 この散文詩が貴…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ