表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/31

25話

 俺は門が開くなり、あくみを差し置いて走り大きな扉を開けた。


 「うおい!お前なんでこんなとこに住んでるんだ!」


 「なっ、何でヒロがいるのよ!?」


 玄関にはいつもと違い、ラフな格好のティアがいた。

 

 「どうしたんですか?急に走り出して。あっ、ティアちゃん、やっほ~」


 ティアに手を振るあくみ。もしかして、あくみをFTに誘ってアイテムをあげた友達って・・・こいつかよ・・・・・。


 「あくみん!どうしてヒロと一緒なのよ!?」


 「えっとね、ヒロさんにモンスターから助けてもらってパーティーを組んでるからだよ」


 うむうむ全くその通りだ。俺は親切なナイスガイだからな。

 あくみんってのはあだ名だろうか?

 それはともかくティアめ、こんな豪邸に住みやがって!


 「ティアちゃんはヒロさんと知り合いなの?」


 「知り合いじゃなくて下僕よ!」


 こ、こいつ・・・・!また、とんでもないことを言いふらしやがって!

 許せん!これでもくらえ!


 「きゃあ!あははははははははははははははははははは!や、やめて!くすぐったいからぁ!」


 脇の下をくすぐってみた。自分でくすぐっても何とも思わないのは脳が動きを予測しているからだそうだ。

 うん。このくらいでいいだろう。

 ビクンビクンと痙攣しているティア。俺がご主人様ということを脳に認識させれたかな?


 「仲がいいんですね」


 「いや、そういうんじゃないんだけどな。お腹減ったからあがろうぜ」


 俺は動けそうにないティアの足を掴み乱雑に引っ張っていく。

 だけど、この家でかすぎだろ!どこに行けばいいのかわからん。


 「おい、どこにいけばいいんだよ。喋れないなら待ってやるよ」


 ようやく回復したティア。これほど効くなんて、俺は指先の魔術師と呼ばれてもいいんじゃないか(笑)


 「そ、そこよ・・・」


 「それじゃ邪魔するぜ」


 ほへ~。なんだこの部屋高級レストランか何かか?

 奥にキッチンが見えるが誰かいるぞ?


 「何か食べたいものがあるならキッチンにいる使用人に言うといいわ。なんでも作ってくれるわよ」


 「使用人って・・・・・・。あれってプレイヤーなんじゃないのか?」


 「ふふん!知らないの?あれはNPCよ!」


 うわ~。何こいつドヤ顔うぜぇ。

 まぁいいや。この家の食料食いつくしてやる。


 「あっそ、適当に頼んでくるから座ってろ」


 この家の食料が無くなるまで料理を作れと注文してきた。ざまぁみそらせ(笑)

 10分後たくさんの料理をメイド服のNPCが運んできてくれた。どれも美人だなぁ。俺も雇いたい。


 「それにしてもすごい偶然だよね。皆知り合いだったなんて」


 「あたしもびっくりしたわよ」


 まったくその通りだ。FTには本当に多くのプレイヤーがいるからな。確率的にはわからないけど宝くじで3等を当てるほどではないだろうか?


 「あたしとあくみんはリア友なのよ!」


 「多分そうだと思ってわボケ。お前みたいに脳細胞は少なくねぇんだよ」


 「そんなにバカにしなくたっていいじゃない!」


 「ふふ、やっぱり仲いいね。せっかく知り合い同士なんだしパーティーを組みたいよね」


 あくみはそう言ったが、無理だな。きっとまだ始めたばかりだからだな。


 「それはできないんじゃないか?いろいろ問題あるだろ」


 「うん・・・あたしも一緒にパーティーを組みたいけどレベル差があるからね・・・残念だな・・・・・」

 

 下を俯き悲しそうな顔をするティア。

 これはレベル制MMOの弊害だよなぁ。数字で疎外されてしまうのは俺も経験してきたから気持ちはよくわかる。だけど、こいつと出会ったときなんかキモイキャラ操作してたような・・・?


 「でもお前サブキャラ持ってなかったか?あのタコみたいな顔したやつ」


 「あぅ・・・あっ、あれは黙っておいて!BANされちゃうから!」


 ほほう。これは弱みを握ったな。また金をふんだくってやるか(ゲス顔)


 「その話はおいといて、ヒロならあくみんとパーティーを組むことを許してあげるわ!」


 「なんでそんなに上から目線なんだよ・・・。でも俺は歓迎だけどな!」


 だってこんなに可愛い子と冒険して街を歩くなんてリア充じゃん。


 「私もです。また危なかったら助けてくださいね、ヒロさん」


 ニコニコと笑顔のあくみ。可愛いなぁ。


 「あと、私のことあくみんって呼んでもらえると嬉しいです。学校でもそう言われていて仲良くなった感じがしますから」


 「ちょっと!リアルのことは言ったらだめじゃない!まぁ下の名前くらいならいいか・・・」


 突っ込むティア。俺も小さい頃は自分の本当の名前をキャラクターネームにしてたから何も言えねえ。


 「まあ、改めてよろしくなあくみん!」

 

 「よろしくお願いします」


 夕食を食べ終えて解散。ティアは泊まっていってもいいと言ってくれたが、俺とあくみんはネネ花畑の宿屋の料金を既に支払っているので戻ることにした。

 帰り際キッチンを除くと料理が溢れていて、NPCは未だに作り続けていた。

 家を出て少し歩いてからティアの叫び声が聞こえたのは痛快だったな(笑)


【タタトス渓谷】


【ネネ花畑】


 道中でタゲを取られたので何体かのモンスターを倒して到着。


 「今日はお疲れさん。俺は大抵ここにいるけど、あくみんは明日も来れるのか?」


 「学校がある日は午後4時くらいにならないと来れませんけど、休日なら予定が無かったらいつでもできますよ」


 「わかった。じゃあおやすみ」


 「はい、おやすみなさい」


 あくみんは宿屋の部屋に入っていった。

 俺はポーションを買って、いらない道具を売っぱらってからその日は寝た。


    職業ソードマン Lv.28

【HP】317/317

【MP】206/206


【筋力値】150(+76)

【敏捷値】108(+48)

【幸運値】80(+41)

【魔力値】52(+32)


【攻撃力】50

【防御力】37

【回避率】0

【命中率】50


【称号】初心者冒険者


【装備武器】聖獣のセイントソード

【装備アイテム】アイアンアーマー アイアンヘッド アイアンガントレット アイアンブーツ 

        薔薇のイヤリング アイアンネックレス 薔薇のリング

【装備ペット】ムーンフロッグLv25


習得スキル スラッシュ ストライク バーティカル スクエア


所持アイテム 赤色のポーション×10 青色のポーション×10 紫色のポーション×10 アンドーナツ×9


所持金 9001218MIL



 

 


 


 


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ