10話 本編開始
ワープホールから冒険者の町へ戻ったぞ。
「おう!レベル5になったみたいだな!世界都市トルーアのワープゲートが開いたみたいだから行ってみるといい。トルーアは世界で一番大きい都市だから色々なプレイヤーが集まってくる。遊びすぎるなよ!がははははははははは!」
アルフォードが歩いてきてこんなこと言ってきた。これはつまりやっと本編開始ということか?世界都市トルーアというのは最大級の都市だ。プレイヤー用ルームやクランルームがたくさんあって多くのプレイヤーがホームにしているはずだ。初心者には手が届かない値段だけどな。
ネットで見た情報だと世界都市トルーアから先のマップのモンスターからは生産用のアイテムがドロップするらしい。生産っていうのは素材を集めて武器や防具を自分で作ることができる。ただ、低レベルだとそれほどレシピは少ないらしいけどな。トルーアに行く前にアイテムの整理でもするか。アイテムっと。
赤色のポーション×11
青色のポーション×10
うん。寂しいね。アイテム欄が空白ばかりだ。お?なんだか目の焦点合わせたら説明文っぽいのがでてきた。
【赤色のポーション [消費] 効果 HP100回復 クールタイム5秒】
【青色のポーション [消費] 効果 HP100回復 クールタイム5秒】
なるほど。これでアイテムの説明を見ることができるのか。なら今装備しているのも見てみるか。
【聖獣のセイントソード [装備]攻撃力+40 ※ユニークアイテム】
【アイアンアーマー [装備] HP+80 防御力+9】
【アイアンヘッド [装備] HP+60 防御力+6】
やはりユニークアイテムである聖獣のセイントソードは強すぎるな。最後にカエルでも見てやるか。
【ムーンフロッグLv2 [補助ペット] 装備効果 全基本ステータス+2 エモーションスキル 噴水】
エモーションスキルってなんだ?ええとヘルプっと。なるほどな。エモーションスキルってのは補助ペット専用のスキルらしいな。挨拶とか感情を表すらしい。つうかこのカエルの噴水ってなんだ?スラッシュとか同じように念じれば使えるらしいな。
噴水!
「きゃあああああああああああああああ!!!」
え?お腹から液が出てきたんだが?これってフルムーンフロッグと似たあれか?フルムーンフロッグの液はいかにも有害そうだったが、ムーンフロッグの液は無害そうだが・・・くっせぇ!
この体液のにおい何かに似てるわ!
その液が女性プレイヤーにかかって・・・あれ?他のプレイヤーから超睨まれてんだけど!?
ここはひとまず逃げよう!すたこらさっさ!じゃあトルーアに移動しますか。
【世界都市トルーア ふれあいの中央広場】
本編開始のためマップ名が表示されて一定時間経つと消えた。これいい機能だな。
しっかし人多いな~。ここはなんたって世界都市だもんな。
俺が出てきたワープホールはふれあいの中央広場。特に人が集まるんだろう。
「うお!?あの城すごいな・・・・・」
この世界都市の王が住んでいる城なのだが、かなり大きい。敷地的には東京ドーム数個分だろうか?だが、10m以上の塀で囲まれていて入れそうにない。大きな門には兵士が立っている。これ入ろうとしたらきっと牢獄行きか処刑だよ。
「ひとまず宿でも確保しておきますか」
宿も豊富なわけだが数にも限りがある。プレイヤー用ルームがあれば特に気にすることもないんだけどな。これもドラゴンと同じくらいの優先順位だな。INNって出てるな。冒険者の町の宿のお姉さんの胸は名残惜しいが前に進まないとな。入りますか。
「いらっしゃいませ。ここは第一宿泊所です。一泊3000MILからとなっています」
ひょろ長い青年のNPCだな。頭上にはマルスという名前が表示されている。第一宿泊所という事は他にもあるんだろう。第一ということは一番高い宿なのか?
「一番安い宿を知らないか?」
「ここ第一宿泊所が一番安いです。値段の幅が大きくて最大500万MILの部屋もあります」
500万だと!?さすがに高すぎじゃね?サービスとか充実してんだろうな。俺は泊まれないこともないがそんなに余裕があるわけじゃない。
「3000MILの部屋でいいや」
「ではこちら鍵です」
自動的に所持金が引かれた。3000MILというのは冒険者の町と比較するとかなり高額だな。ティアから1000万MILもらったのはアドバンテージだな。どんな部屋だろうか?2階の部屋だな。
「おお~いい部屋だな~」
冒険者の町もいい部屋だったが、あれは田舎の宿って雰囲気を醸し出してたけどこの部屋はビジネスホテルと言ったらわかるだろうか?
ビシッとした雰囲気だ。テレビとかはないんだけどな。ビジネスホテルって俺一回だけ泊まったことある。2chでビジネスホテル楽しすぎwwwwwwwとかいうスレ発見して面白そうだったから行ってみた。あの解放感はパネェわ。電気ケトルでおしっこ沸かしたのは本当爆笑モノだったな。今思い出しても吹いてしまう。あの部屋俺のおしっこの蒸気で満たされたんだぜ。
汚い話だったな。これでこの部屋は明日の朝くらいまでは俺の持ち物ってわけだ。世界都市トルーアを観光してみるか。
「いってらっしゃいませ」
マルスが俺をお見送りした。王様気分ってやつだな。この世界都市トルーアだが、円形の形をしている。
中央に城が建っておりその付近にはふれあいの中央広場、高級プレイヤー用ルーム街、クランホールってのがあった。一番近いところは高級プレイヤー用ルーム街だな。今は手が届くわけないがいつか手に入れたいしな。ある程度の値段を知っておきたい。行くか。
「おお~憧れるな~」
どの物件も一戸建てで庭が超広い。鉄のゲートだったり、噴水がある。プールなんてのもあった。
現実世界から仮想世界に現実逃避するのもわかるな。ただ、購入済みの物件はそう多くない。こんな1等地を簡単に手に入ったらゲームバランス崩壊だもんな。
「おっ!!!」
あの豪邸に目が留まった。小さな城って感じの豪邸。勿論プールもついている。ええと、なになに?使用人付きか!NPCだろう。使用人って何してくれるんだろうな。
メイドさんだったら膝枕で耳かきしてもらいたい!顔はお腹の方を向いてな!胸と膝の間にうずくまりたい!
値段は・・・・・・・5000000000000MIL?
は!?ゼロいくつあんだよ!?5兆MILだと!?その金額はどっかの国の1年分の予算ぐらいあんじゃねえのか!?今は諦めるがいつか絶対手に入れてやるからな!!!
それにしても5兆MILって・・・・・・。全プレイヤーの金かき集めるぐらいしないと無理だよな・・・。
気分を切り替えてクランホール行こう!
「ようこそいらっしゃいました。私ここのクランホール総支配人のドトールでございます」
緑色のスーツ着た小太りおっさんが出てきたな。髭がピンと横にキメており成金って感じだな。
「ここでは何ができるんだ?」
「ここはクランメンバーの募集やクランを開設することができますぞ。クランルームが一番の目玉ですがね」
冒険者の町にもこういうのあったな。立派な建物だったがここは高級ホテル並みに高層だ。
「一番安いクランルームっていくらだ?」
「クランルームは分譲ではなく賃貸となっており、月1億MILが最安値ですぞ」
やっぱり世界都市並みのぶっ飛んだ値段だな。一番安いので1億MILだ。俺もいつかクラン作るからな。せっかくだからティアも入れてやろう。
「そうか、そりゃどうも」
さあて観光は終了だな。そろそろレベリングでもするか。
「あれ!?お~いこっち来なさい!!」
レベリングしようと思ったら、ティアがクランホールのロビーにいて俺を呼んでいた。




