異変
「トドメだー」
そう言って私は最後の一体である私の人形を倒した。
「心、お見事、これで人形相手にはもう遅れを取る事は無くなったわね」
美穂ちゃんがそう言った、美穂ちゃんが羽衣を纏ってから二週間程が立った。
あれから巻物を見ても新たな事が書き込まれたり等が無かった為、私達は普通に2学期を満喫しながら習い事の無い放課後や、休みの日には私の家に集まって特訓をしていた。
「しかし、最初に聞いていた鬼、オロチとか言う奴は一切なんにもしてこないわね
早く出てこないかしら、出てきたら私がボッコボコにしてあげるのに」
「油断は駄目だよ美穂ちゃん、私もココちゃんもあの時は必死だったから動けたけど実際もう一度やれって言われたらやっぱり怖いよ
できれば平和の方が私はいいな」
美穂ちゃんと優希ちゃんがそんな会話をしている。
実際あれ以来オロチからの接触や、事件等は一切ない、優希ちゃんの言う通り平和が一番だと私も思う。
とはいえ、何かを企んでるって言うのは間違いないみたいで、ベェルは私達がいない時は何時も何処かに出かけている。
そんな感じで過ぎていった今週の土曜日、午後から優希ちゃん達が来るまでリビングでテレビを見ていた。
『私は今、千葉県の千葉市に来ております、場所は千葉県庁構内にある羽衣公園のの伝説の松の木に来ております
一体何故、私が個々に来てるかと言いますと、ここにある松の木が何故か急に枯れ出したと言う事で実際どう言った感じなのかここまでやってきました』
レポーターの人がそう言って松の木が映し出された。
すると松の木の周りに黒い淀んだ膜が貼っている様に見える
『現物を確認してみましたが、見た目はまだこれ言って外傷等は見受けられません
素人の私でもわかるように今日は松の木等植物に詳しい専門の方に来てもらっております』
え? 何を言ってるの? 見た目からしてヤバイ感じがするんだけど?
すると一緒に見ていたお父さんが言った。
「見た目は全くわからないけど、木とかってそうやって枯れるのがわかった段階でもう遅いんだよな」
え?お父さんにもわからないの?
私は近くにいたベェルを見ると、ベェルは頷いて部屋を出ていった。
すると私のスマホに連絡が来た、ほぼほぼ同タイミングで美穂ちゃんと優希ちゃんだった。
内容は今テレビでやっていた事だった。
私もよくわかってないので、とりあえず家に来たらベェルに話を聞こうという内容で送り返した。
____
「朝のテレビ、あれは一体どう言う事なの?
私には黒い何かが見えたんだけど、お父さんもお母さんも何の反応もなかったわよ」
美穂ちゃんが3人集まった所でベェルに質問した。
「あれは恐らく歴史の改変が行われてるんじゃないかと思う」
ベェルは美穂ちゃんの質問にそう答えた。
「「歴史の改変?」」 3人でハモった。
「そう、歴史の改変だよ
そもそもあの松の木はどうしてあの場所にあったと思う?」
「羽衣伝説があるから大切にされていたんだと思います」
ベェルの質問に優希ちゃんが答えた。
「そうだね、優希の言う通りだ
じゃあ逆を言えば羽衣伝説がなければあの松の木は他の木と同様
あの建物が出来た時に一緒に伐採されていたはずなんだよ
つまり、羽衣伝説があった事が無かった事にされようとしているんだ」
ベェルがあっさりとてつもなく重要な事を言った。
「ちょっとまって、一体誰がなんでそんな事を?」
「恐らくオロチの奴らだと思う、オロチは羽衣伝説はともかく、天界に対して敵対しているのは間違いないんだ。
奴らが何を企んでいるのかまだわからいけど、このタイミングは間違い無いと思う
現地を確認するのが一番早いんだけどね」
私の質問にベェルがそう答えると美穂ちゃんがだったら現地に行きましょうと言った。
「そうだね、美穂ちゃんの言う通り、何かが怒ってるのに見過ごす訳には行かないよ
私達アルティメットガールズなんだから」
私がそう言うと二人も頷いた
「わかった、3人がそう言うなら早速行く事にしようか
3人とも準備しておくれ
あ、そうそう靴は持って言った方がいいよ
ボクは日本にある羽衣伝説の場所は一瞬で行けるから準備出来次第出発だ」
「え?そんな便利な事が出来るの?」
「ボクは羽衣伝説の歴史がある場所は全て一度は訪れているんだ、理由は追追話すよ
準備ができたら巻物を持って3人共手を繋いで」
そう言われて私達は靴を私の部屋まで持ってきて、巻物を私が持ち3人で手をつないだ。
「じゃあ行くよ」
ベェルがそう言うと周りの世界が歪みだして、気が付けば知らない場所にいた
「ここがさっきまでテレビにでていた千葉の羽衣伝説がある羽衣公園さ」
そう言われて辺を見回すと、何処かの異世界でない事は建物等を見て判断できた
「にしても凄いわね、一瞬でこんな事ができるなんて」
「ボクだけの力じゃないよ、巻物の力が無ければボクは一人でしか移動できないんだ」
美穂ちゃんの言葉にベェルは謙遜していたけど、一人でもできるなんて凄いって。
「さあ、松の木はもうすぐ近くだよ、早速見に行こう
ちゃんと靴は履くんだよ」
ベェルに言われた通り私達は靴を履いて、松の木まで向かった
朝のテレビを見た人達が来ているのか、それなりの人だかりになっていた。
「テレビで見た通りだ、やっぱり黒いね、一体どう言う事なんだろう」
私の言葉に二人も同意の様だ。
「ココちゃん、バックが光ってるよ」
え? と私がバックを見るとまた光が私達を包み込んだ。
_____
「ん、また巻物に取り込まれたの?」
周りの風景が先程と違う、周りを見渡すと先程と同じ位置に優希ちゃんと美穂ちゃんがいた。
「二人とも大丈夫?」
私が二人に声をかけると二人とも問題は無かった様でびっくりしたね、急に何が起きたのと聞いてきた。
私にも一体なにが起きたかわからなかった。
周りを見渡すとベェルが光る前までは私達のそばにいたのに、少し遠くの所で辺を見渡していた。
私達はベェルの所まで行き状況の説明を求めた。
「ん~、ボクの記憶が正しければここは昔の千葉だね
羽衣伝説のあった松の木はさっきまであった松の木じゃなくて、本当はもう少し離れた池のそばにあったんだよ」
そう言ってベェルは歩き始めた、その間にベェルが言うにはここは巻物の中ではないとの事
なぜこうなったかはまだ確信が無いからわかったら教えてくれると言った。
「三人共、隠れて」
ベェルはそう言っていきなり私達と共に近くにあった木の影に隠れた。
「あれを見てご覧」
その先にはすごい綺麗な女性が池で水浴びをしていた。
「あの子がこの羽衣伝説に出てくる天女さ」
「「え?」」 また3人でハモった
確かに池で水浴びをしている女性はとても普通の人とは思えない程のオーラをだしていた。
私達3人が見とれていると、私達が隠れているのとは反対方向に人影が見えた。
「あっちに人影がみえるよ」
私がそう言うと二人も確認できたようだ。
「あの女性が羽衣をもってこの土地の権力者に羽衣を渡す所から千葉の羽衣伝説は始まるのさ
千葉の羽衣伝説を知っているかい?」
ベェルがそう聞くと優希ちゃんは知っていたみたいだ。
「えーと、詳しい事まではわからないけど、たしか
その昔、亥の鼻城下に池田と呼ばれる千葉のハスの花が咲き乱れる池があり、ある夜半に天女が舞い下りてこの松の枝に羽衣を掛けてハスの花を観賞していた。その様子を見ていた近くに住む老婆が掛けてあった羽衣を奪い、亥鼻城主の常将に献上した。羽衣を奪われて天上に戻れなくなった天女は、やむなく常将の妻となりやがて長男の常長を産む。その話を伝え聞いた天皇は常将にハスの花にちなむ「千葉」の姓を賜り、以後千葉氏を名乗るようになった。
だったかな、今朝のテレビを見たあとに少し調べたんだ
千葉県には他にも何個かあったみたいだけど、今回の件はこの伝説であってると思う」
おお、さすが優希ちゃんだ
ちなみに美穂ちゃんも一応軽くは調べていたらしい、私だけ何にもしていなかった!
「流石だね、優希
まあ、少し違うのは時間帯が夜半じゃないって事位かな」
「やはりこの伝説も事実はちがうんです?」
美穂ちゃんが聞いた通りベェルが言うには違うらしい
そもそもその土地の権力者が天女を脅して嫁にしたなんて話を後世に残す真似を許すはずが無いと言っている。
万が一天女を騙す様な事をしたら他の天界人が黙ってはないそうだ。
まあ、普通に考えたら天界人じゃなくても許さないよね。
伝説の内容としては、冒頭の部分は正しいらしい
ただ権力者は天女に羽衣を返しに来んだとか、その際に勝手に持っていってすまない
私の侍女が私の為にと思いやった事、何かしら罰を受ける必要があるなばら私に罰を与えて欲しいと言ったらしい。
その言葉を受けた天女はその権力者に興味を持ち、罰ではないがしばし私を屋敷に置いてほしいといったとか、権力者もそんな事でよいならばと屋敷に招待したんだって
普通だったら天罰が怖くて、侍女を見捨てるのにこの人は侍女を庇ったのが目に止まったってさ
天女が屋敷にいる間、権力者は遊び呆けてる所か何もなかったこの地域を繁栄させる為に日々働いていたんだって、領民とも仲良くしている姿をみて天女もその男を助け、いつの間にか夫婦になったとか
それで月日が流れて、何も無かった土地に人が住めるようになると朝廷から土地は別の人間に治めさせるからお前は出て行けみたいな内容の連絡が来たらしい。
その権力者はその連絡を受けて落胆してはいたけど、逆らって周りに被害が出るくらいなら出ていこうとしたらしい。
その話をしった領民がそれを反対して戦おうとしたみたいだ。
権力者はやめさせようとしたが、領民の意思は固く、ならば領民を見捨てずに自分が先頭に立って戦う事にしたらしい、実際にその時戦争が起こって最初はそれでも敵を追い返したらしいんだけど
さすがに朝廷という大きな力に味方はどんどん疲弊していったらしい。
領民は最後の一人まで戦うと言ったらしいけど、権力者がもういいんだ、ありがとうといって自身の命と引き換えに領民の命を保証すると言った内容で降伏したんだとか。
権力者が戦いの責任をとらされて連行される時に天女も一緒について行ったらしいんだが
天女を配偶者に迎えていた事実を知った朝廷の態度は一変した、しかし、長い間の戦いの疲れのせいか国に戻る事を許可されたが道半ばで倒れてしまった。
天女はその権力者の亡骸を抱え天に帰ったとか、その事で天罰を恐れた朝廷はその男の名を取りこの地を千葉と名付けたとか。
そんな感じだった。
そして今その羽衣を侍女が持っていくシーンなんだろう、侍女が羽衣を取るとそのまま走り去った。
天女は全く気づいてない様子だ、ベェルは一応侍女を追うといって天女に見つからないように走り出した。
私達もそれに続いて後を追った。
私達は羽衣の力を少しかりて侍女に追いついた。
「結構距離があるのね、先程の池からそれなりに離れたのね」
美穂ちゃんが言った、確かに結構移動したと思う、するといきなり爆発が起こった。
ドカーン
侍女が走っている先で爆発したらしい、その衝撃で侍女が吹き飛ばされて倒れた。
「ベェル、一体なにがおこったの? この伝説はこんなアクティブなの?」
私がそう言うと、ベェルはまた隠れてと言って木の影に私達共に身を隠した。
すると空から人影が降りてきた。
「やれやれ、これでこの羽衣を破壊すれば今回のミッションは終了か」
あれは、この前ベェルを襲ったイズモだった。
「ベェル、これは一体どう言う事なの?」
「恐らく、羽衣伝説を歴史から無くそうとしているんだとおもう
現代の千葉という名前までは変えられないだろうけど、あいつらにとってはそんな事はどうでもいいんだ
何故こんな事をしているかはわからないけど、彼奴を止めないと」
ベェルがそう言った、私達3人はベェルの言葉に頷いて 飛び出した。
「そこまでよ、この悪党」
私がそう叫ぶと鬼はこちらをみた。
「貴様ら何者だ、この場所にいるとは偶然ではなさそうだな、まさか天界の者か!」
そう言って侍女のそばを離れ空中に飛び距離を取った。
「貴方如きに名乗る名は持ち合わせてないんですけど、貴方を倒す者の名前を教えて上げるのは礼儀と言うもの」
美穂ちゃんがそう言うと、イズモと私達の間で光の玉をスパークさせた。
そして行くわよと言ってこっちを見た、私と優希ちゃんはそれに頷き変身準備に入った。
ローブ オブ ア セレスタル バディ
サーモニング
アルティメットガールズ 参上
そう言って3人でポーズを決めた。
「アルティメットガールズだと、貴様らこの前の奴だな
いつかあの時の礼をしてやろうと思っていたのだ、丁度いい、地獄を見せてやる」
そう言うと、腕を振り上げた、すると何処からか角を生やした配下の様な奴らが出てきた。
「まずは小手調べだ、鬼天狗相手に強さを図らせて貰おう、いけ、鬼天狗ども、殺してかまわん」
そう言って、私達にけしかけた。
「美穂ちゃん、本番は人形相手とは違うから気を付けて」
「わかってる、私を誰だと思ってるの」
「二人共無茶はしないでね」
そう言って私達は羽衣装具を取り出した。
美穂ちゃんの羽衣装具は双剣だった、私と同じで最初は一本の刀だったけど、ベェルに言われて力を望むとその形に変化した、美穂ちゃんの舞踊が双剣と合っていたらしく、メキメキと力を付けていった。
「いくわよ、雑魚の皆さん」
美穂ちゃんがそう言って敵の真ん中に飛び込んだ。
「美穂ちゃん、無理しないようにって言ったのに」
優希ちゃんがため息をついた。
「舞い散れ、剣舞・朱雀の章」
美穂ちゃんがそう叫びながら舞った、剣に炎が纏ながらその姿はまるで火の鳥を彷彿させた。
鬼天狗と呼ばれた敵は美穂ちゃんの攻撃を受けて消滅していく、だがやはり数が多い、美穂ちゃんの必殺技でそれなりの人数を倒したとは言えまだ残っている。
「アロー オブ レイン」
そう言って雨の様に上から矢が降り注ぐ、残った敵も粗方片付いた
「おお、、私の出番がない、、、」
ほぼ一瞬で鬼天狗と呼ばれる敵を掃討した。
だが、それでもイズモは顔色を変えない。
「中々やるようになったな、この前よりは手応えがありそうだ」
そう言うとニヤっと笑い、先程敵に大打撃を与えた美穂ちゃんに殴りかかった。
いきなりの攻撃とその素早さに面をくらった美穂ちゃんは防御する事が精一杯で剣でなんとか攻撃をうけたが吹き飛ばれて地上に叩き落とされた。
「「美穂ちゃん」」
私と優希ちゃんが美穂ちゃんが吹き飛ばされた所に目をやった瞬間、イズモは優希ちゃんに殴りかかった。
「きゃあ」
優希ちゃんは何とか両腕で防御した物の威力が大きかったのか 後ろの木まで吹き飛ばれた。
「おいおい、鬼天狗を倒しただけでオロチ衆である俺の事も倒せると勘違いしたのか?」
そういうイズモが言うと私を睨みつけた、そして頬の傷を触った。
「貴様にはこの傷の例がある、楽に死ねると思うなよ」
そう言うと同時に私に殴りかかってきた。
私はイズモの攻撃を左腕で受け流し、右手でイズモのボディを殴りつけたが、その一撃は相手に受けられた。
そしてイズモと私は一旦距離を取った。
「一応さっきの二人とは違って手応えがあるな、この傷ををつけたのもマグレではないという事か」
私は先程の二人の攻撃を見ていた御陰でなんとか攻撃が見えていた、ここ最近の特訓で二人と比べて1対1の攻防に置いては二人より優秀みたいだった、その代わり二人みたいな攻撃のバリエーションが少ない為、多人数相手だと頼れる攻撃が無いのが私の欠点だった。
双剣の美穂ちゃんの方が1対1は強そうだと思ったが、最初に押し切られさえしなければ攻防の防の部分で私に理があったのだ。
「貴方にそんな事言われても嬉しくもなんともないわね、二人の仇打たせてもらうわ」
「ちょっと、勝手に人を仇にしないでもらえます?」
私がそう言うと美穂ちゃんが私の横まで飛んできた。
「よかった、無事だったのね」
「一応剣で受けましたから、直撃だったら意識をもっていかれてもおかしくない威力だったわ」
そう言って剣を構えた。
「1対1なんて甘い事言ってないで二人で一気に倒します」
そう言って美穂ちゃんが切りかかった、イズモはそれを交わし、カウンターを叩きこもうとしたが私がそれを阻止した、そのまま乱戦に突入した。
「二人だろうがなんだろうがかまわんぞ、どちらにしても貴様らを血祭りに上げるのはかわらんのだからな」
私と美穂ちゃんの連続攻撃を余裕を持って交わしてい、まだ全力を出してない様子だ。
すると私達の隙を突いて反撃にでた、そこに矢が割って入りまた私達は距離を取った。
「ごめんなさい、二人じゃなくて三人なの」
後ろの方で優希ちゃんがそう言った。
「優希ちゃんも無事だったのね」
「ちょっと、一瞬息ができなくなっって、呼吸を整えるのに時間がかかっちゃったけど間に合ってよかった」
これで3対1だ、卑怯かもしれないけど人間界の平和の為に私達は負けられない手段なんて気にしてらんないのよ。
「ふむ、さっきも気になったが弓と双剣の貴様は見覚えがあるな、まあどうでもいいか」
そう言うとイズモは力を為て凶悪な力の弾を飛ばしてきた。
「これが耐えれるかな?」
ドゴーン
イズモの放った攻撃が直撃した。
「願いの盾からのー」
爆発した所から心の声がこだました。
「フィスト オブ フラッシュ」
攻撃をした直後油断していたイズモの顔に直撃した。
ぐあっ、とうめき声を上げながら後ろに押される
「まだまだ、唸れ、剣舞の舞・白虎の章」
追撃に美穂ちゃんが双剣の連続技を叩き込む、流石のイズモも最初私の攻撃のダメージがあるのか思うように防御出来ないでいる。
「喰らえ 正射必中・一発必中」
美穂ちゃんの連続技の最後に間髪いれずに力を貯めた優希ちゃんの矢がイズモに突き刺さった。
「「どうだ」」
練習してきた三人のトリプルアタックが見事決まった。
イズモの攻撃の瞬間アイコンタクトを送って意識を併せていたのだ。
「ぐは、、、 貴様ら、、ここまでやるとは思わなかったぞ
いや、違うか、、本来の貴様らはこの程度ではないのだからな
やっとやる気になったか、こちらもそろそろ本気でいかせてもらうとするぞ」
見た目はそれなりにダメージを受けているのがわかるイズモだったが、まだ本気じゃないと言ってる。
「心、あいつ本気じゃないとか言ってるけどどうなの?
私初めてだから本当かどうか判断がつかいないんだけど」
「前戦った時はこの前話した通り相手の油断とかに助けられたから何とも言えないかな?
ただ、この人はわからないけどトリカミって奴と同じ位強いんだったら、本気だしてないと思う」
「そうなのね、冗談だったらよかったんだけど、一応私達に出来る全力は今の攻撃なのに
それがきいてないとなるとちょっとピンチね」
美穂ちゃんのセリフに私も同意した、今できる最強の必殺技がトリプルアタックだった。
ベェルが言う本当のアルティメットガールズの力はもっと強いらしいけど、私達にはまだその力をコントロールする力がない。
「ヒーリング オブ アロー」
私と美穂ちゃんが会話をしていると、優希ちゃんの矢が後ろから刺さり私達を回復していく。
優希ちゃんは本来回復が得意みたいで、矢当てて回復する事ができるようになった、
最初は正直微妙な感じではあったけど、慣れると慣れるんだなと思った。
さっきのイズモの攻撃は私の願いの盾でなんとか防いだが、完全に防ぎきる事が出来たわけじゃなかった
反撃に出るために最小限の防御で攻撃にでたのだ。
「優希ちゃんありがとう」「優希助かるわ」
「二人とも気をつけて」
優希ちゃんの声に再び目の前のイズモに集中する。
先程の攻撃で動けないのか、力を貯めているのか
「来ないならこっちからいくわよ」
そう言って美穂ちゃんが切りかかった。
カキーン
イズモに切りかかったはずの美穂ちゃんの攻撃がイズモにあたる直前に何かバリアの様な物に止められた。
「またせたな」
イズモがそう言うとイズモを中心として爆発が起こった。
「きゃぁ」
爆発に吹き飛ばされた美穂ちゃんを私が受け止めた。
外傷はなさそうだ、爆風によって飛ばされただけみたいで美穂ちゃんも大丈夫と言った。
「ふははは、久しぶりだなこの形態になるのは、前回は復活した許りで力が十全ではなかったからな
あれから力を蓄えて完全に回復した。
貴様ら、覚悟は出来てるな?」
そう言うと目の前から消えた。
「どこを見ている」
すぐ後方から声がしたと共に背中が爆発した。
私と美穂ちゃんが吹き飛ばされる。
「ココちゃん、美穂ちゃん」
そう言って優希ちゃんが私達の援護で矢を放った。
「遅いな、そして何とも貧弱だ」
イズモはそう言うと矢をかわす事も防御する事も無く優希ちゃんの矢を体で受け止めた。
「効いてないの?」
優希ちゃんは自身の矢がダメージを与えてない事を悟り、レイン オブ アロー を放ち弾幕にした後私達が吹き飛ばされた所まで移動した、その後私達を回復してくれた。
イズモはその間に攻撃する余裕はあったが、あえてそれをしないで私達の回復を待っている様だった。