表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/10

新たなる伝説の始まり

 気がつくと私達は私の部屋に戻っていた



「あれ、ここはココちゃんのお部屋?」


優希ちゃんも気づいた様だ、姿は元々着ていたワンピースの姿に戻っている



「夢、、だったのかな?」


私がそう言うと優希ちゃんもココちゃんも覚えてるの?と言ったので夢ではない様だった



「あ、そういえば巻物は」


そう言ったあと巻物を探した、確か開いた状態だった様な気がしたが今はまた閉じている


もう一度開こうとしたが紐が固くて開かない



「あれ、簡単にほどけていたのになんで急にこんなに固くなってるんだろう」


そう言って優希ちゃんに渡したが結果は同じだった



「そういえば、ベェルさんは?」


そういえばいないね、優希ちゃん、ベェルでいいと思うよ、ワンちゃんにさん付けは変だよ

と付け加えておいた

じゃあ、ベェルちゃんかな?と言った

そういって私達は何故かおかしくなって笑ってしまった

そこでふと気がついた



「そういえば最後になにか変な事言ってたよね、強い力がせまってるとか」


たしかにそう言っていた



「そうだね、もしかしてそれが前世のココちゃんが言っていた災厄っていう奴なのかな?」


前世の私って改めて言われると中々恥ずかしい気持ちになってしまう

早くなれないとね



「もしかしたらバーンっていって爆発したりして」



バーンっ



外で何かが爆発する音がした



「え? 嘘、私のせい?」


私が慌てていると優希ちゃんが窓を開けて外を見た



「ココちゃん、大変外をみて」


外を見た優希ちゃんが慌てている


私も急いで外を見た


空が爆発している、花火じゃない、良く目を凝らして見てみるとベェルが何者かと戦っている



「ベェル、大丈夫?一体なにがどうしたの?」


私は叫んだ、優希ちゃんも不安なのか私の手を握っている


私の声に反応したベェルが叫んだ



「心、優希君達はまだ力が目覚めて時間がたっていない

ここはボクがなんとかするから逃げるんだ」


そうベェルが叫んだ瞬間、ベェルがいた所が爆発してベェルが地上に向かって吹き飛ばされた



「ベェル」 「ベェルちゃん」


私と優希ちゃんがそれをみて叫んだ


ベェルが向いていた先を見ると、青い着物を着て額に角が生えている人が立っている



「馬鹿目、戦いのさなかに余所見をするなど笑止千万

久しぶりの戦いであったが様は無い、死ね」


そういって倒れたベェルに向かって手を向けて火の玉の様な物を投げつけた



「だめええええええええ」


私はベェルを守りたいという思いを胸に窓から飛び出した



ドガーン



爆発が巻き起こった



「ふん、所詮は使い魔、我の敵ではない この辺で天女の気配がした、まあ予言が本当かわからんが本当にそうであればそいつらを見つけ殺して、王鬼様への手土産としようではないか」


そう言って青い鬼はベェルの死亡を確認しようと改めて火の玉を飛ばした所をみた



「な、なんだと」


火の玉が爆発した所に二つの影が見えた


心と優希がベェルを庇っていたのだ



「間一髪セーフね」


「ココちゃん、ベェルちゃんも大丈夫だよ」


そう言って私は一度ベェルを見た後青い鬼に向かって言った



「あなた動物に優しくしなさいって教わらなかったの!犬をいじめるなんて最低よ!」


私がそう言うと青い鬼が叫んだ



「貴様何者か、まさか天女の生まれ変わりか!!!」


え?バレてるの? なんで知ってるのよ


私はちょっと慌てたが青い鬼が続けて言った



「鬼現れるとき、天女が表れ鬼の道に立ちふさがるであろうと予言があるが、まさか本当にそうなるとはな

あの時は邪魔をされたが今回はそうはいかんぞ

貴様ら纏めて二度と復活できないように殺してやる」



おお、説明してくれてありがとう、そんな予言があるなんて

これも一つの生まれる前から積んでるって奴かしら


あの白い世界で着ていた羽衣を今の私と優希ちゃんは纏っていた御陰で火の玉を防ぐ事はなんとかできたけど、私戦いなんてした事ないんだけどどうすればいいんだろ



「二人とも、なんで出てきたんだ

まだ力に目覚めてまもない二人は戦いなんてできっこない

全力で逃げればまだ逃げ切れるはずだ、ボクが気を引くから逃げるんだ」


気がついたベェルが私と優希ちゃんにそう言った



「それで私とココちゃんが逃げたら、ベェルちゃんはどうなるの?

死んでしまうなんて駄目よ、だったら私達もここで戦う」


優希ちゃんがそう言った



「そうだよ、優希ちゃんの言うとおり、それに昔の私と同じでみんなと一緒に戦ったほうがいいに決まってる

残される人の立場になってよね」



私と優希ちゃんがそういうとベェルも納得してくれた



「わかったよ、二人共 3人の力を併せて彼奴を倒そう」


私と優希ちゃんとベェルでお互いを見て頷いた



「それで、私達はどうしたらいいの?、ベェルの言うとおり私達ただの小学生だから戦い方なんてわかんないわよ」


私は何よりも重要な事を今更聞いた



「なんの勝算も成しに出てくるなんて流石は心だね

生まれ変わっても何にも変わってないから安心したよ

二人とも力が欲しいと願うんだ、そうしたら羽衣が答えてくれる」


羽衣ってなんて便利なんだろう、私と優希ちゃんはベェルに言われた通り力を願った


すると手に何かが握られたのがわかった



「これは、、玉?」


私の手に桃の様な玉が握られていた



「え? これをぶん投げて戦えって事?」


優希ちゃんを見ると弓を握っていた



「ココちゃん、私は弓みたい、でも矢がないから打てないよ?」


そう言うと青い鬼が火の玉を飛ばしてきた



「二人ともよけて」


ベェルが叫んだ


私たちはその声の御陰でなんとかかわす事ができた



「羽衣の力で防御力はあがっているけど、あの威力の攻撃を何回も食らうと羽衣がもたない

かわしながら戦うんだ、優希、その弓は矢がなくても打てるんだ

弓を引いてみるんだ」


ベェルの言葉に反応して優希ちゃんが弓を引いた



「うわ、すごい 矢が無いのに矢があるよ」


優希ちゃんが驚いている



「矢に限りは無い、そのまま撃つんだ」


ベェルの言うとおり優希ちゃんが矢を放った


ドガーン


油断していた青鬼に直撃した


余りの爆発に撃った優希ちゃんが驚いている



「優希、その矢は優希の思いによって効果が変わる、状況に応じて使い分けるんだ」


爆発の煙が収まると青い鬼は怒りをあらわにしている

ダメージはそこまで無いようだが反撃されると思ってなかったんだろう



「貴様ら、舐めた真似をしやがって」


そう言うと先程まで放ってきた火の玉を連発して放ってきた



「ほうら、体力の続くかぎり避け続けろ、体力が無くなった時がお前達の最後だ

死体も残らず焼け尽くしてやる」


私はその攻撃を必死に避け続け、なんとか優希ちゃんの矢が反撃をしているおかげでそこまで一方的でない為になんとか避け続けている



「ベェル、私のこの玉どうすればいいのよ? 投げればいいの?」


私が大声でベェルに叫んだ



「心のその玉は両手で握って想像するんだ、右手攻撃、左手に守りを」


私とベェルがそんな会話をしていると、反撃してくる優希ちゃんを厄介に思ったのか、優希ちゃんに狙いを変えた



「ちょこまかと虫ケラめ、まずは貴様から殺してやる、その後は残った雑魚を料理してやる」


私達に向けられていた攻撃が優希ちゃんに向けられた



「きゃあああああああああ」


なんとか避けていた優希ちゃんだが今日初めて戦闘という物を経験する私達だ、相手からすれば素人同然であろう


「優希ちゃーん」


私は攻撃されている優希ちゃんに向かって飛び込んだ



「馬鹿め、飛んで火にいる夏の虫とは貴様の事だ、纏めて殺して殺る」


勢いにのりそのまま集中砲火を続けた



「心、優希」


ベェルが叫んだ


爆風で見えなくなった為青鬼が一度攻撃を止めた



「ふん、これで死すら残ってないであろう」


煙がなくなっていった


「心、優希」


ベェルがまた叫んだ、今回は安堵の声だった



「優希ちゃん大丈夫?」


「ありがとう、ココちゃん、それは?」


優希ちゃんがそう言うと私の左腕に手甲の様な物がついており周りにバリアみたいな物が出来ている



「おお、これって私がやったの? すごいね、これ」


そういうとバリアみたいなのが無くなった


そうして右手を見た


「こっちは、なんだろね?」


そう言って優希ちゃんに見せた



「それが心の力、羽衣装具セレスタル イクイプメント

左手に守る力、右手に攻撃する力だ」


ベェルが叫んだ



「よかった、これでぶん殴ればいいのね、ややこしい武器じゃなくてよかったわ」


あれだけの攻撃を全て防ぎきった私達をみて青い鬼が驚愕している


今がチャンスだ


そう思い、私は優希ちゃんに手を伸ばしお越し上げた



「優希ちゃん、私が今からあいつをぶん殴りにいくから援護お願い」


優希ちゃんは頷いた



「援護は任せて、ココちゃん無理しないでね」


そう言って私は青い鬼に向かって飛びかかった


青い鬼もそれに反応して迎撃してくるが優希ちゃんの弓によって相殺されていく



「くらえ~」


そういって私は思いっきりぶん殴った


しかし、青い鬼も回避した、しかし頬を拳圧で切り裂いた



「おのれ、貴様ら俺様の本気を見せてくれるわ」


そう言うと何処からか声がした



「イズモ、その変にしておけ」



イズモと呼ばれたのは青い鬼の事らしい

イズモの後ろに二つの人影が表れた



「トリカミとハクフか、邪魔をするな

俺はこいつらを殺して王鬼様に献上するのだ、邪魔だてするのであれば貴様らとて容赦はせんぞ」



「その王鬼様が下がれと言っておる、今こやつらを殺すより、お前が力を使う事の方が問題だ」


そう言われるとイズモと呼ばれた青い鬼から放たれていた重圧が消え去った



「貴様ら運が良かったな、我ら王である王鬼様の御陰で命拾いしたな

だが、この傷の事は忘れん、いずれ貴様らを血祭りにあげてやる」


そういうとイズモは消えて言った


「さて、とはいえイズモは目覚めた許りで力が出し切れなかったとはいえ

お前達如きに舐められたままでは王鬼様の名が汚れる

このトリカミの一撃受けきれるかな?」


そう言って手を上に掲げて振り下ろした

すると雷が心に向かって落ちた


咄嗟の事ではあったがぎりぎり羽衣装具セレスタル イクイプメントの展開が間に合った

しかし、先程のイズモの攻撃と違いバリアの中にいる心にもダメージが通っていた



「ほう、やるな、羽衣装具セレスタル イクイプメント

まあいい、その程度やってもらわねばこちらとしても張合いがない

宿命の時が来るまでおとなしくしているがよい」


そういってトリカミと名乗った男も消えていった



「わるいねぇ、イズモもトリカミも真面目すぎてこっちも付き合うのに大変なのさ

お嬢ちゃん達も無理しないで家でおとなしくしておいてよ」


そういうと最後に


「でないと死んじゃうからさ」


そう言って消えていった



3人が消え去ってから心が落下しはじめた



「ココちゃん大丈夫?」


なんとか地上に落下する前に優希が心を受け止めた



「ココちゃん?大丈夫?返事をして」


「あ、、優希ちゃん、、大丈夫だよ、、」


そういうと心は意識を半分失ったような状態で返事をした



「ベェルちゃん、ココちゃんが、ココちゃんが、、なんとか出来ないの?」


優希はベェルに叫んだ



「落ち着くんだ優希、回復は優希が得意としていた力なんだ

優希が強く思えば羽衣が優希の思いに答えてくれる、優希ならできる」


ベェルに言われると優希は集中して心の回復を祈った

すると優希の羽衣が光だし、心の傷を癒していく



「ん、あれ、優希ちゃん、私なんか元気になってきた」


「ココちゃーん」


そう言って優希は心に抱きついた



「ありがとう、優希ちゃんが直してくれたの?

さっきの奴の雷を受けた時になんとか防げたと思ったんだけど、思った以上に強くてびっくりしたわ」


「無理しないでっていったのに、もう心配させすぎだよ」


優希ちゃんも心が回復した事に安心したのか、蒼白の表情から何時もの顔に戻った



「ベェル、あれが災厄っていう奴なの?」


私は回復したのを確認してからベェルに訪ねた



「あれは、羽衣伝説の時にみんなが戦った鬼の軍団 オロチ だ」


ベェルがまるで知っているかの様な発言だった




「ベェルはあいつらに会ったことがあるの?」


私の問いにベェルが答えた



「さっきいた三人に実際に会ったことは無いだけど名前は知ってる

イズモ ヒノカハ クサナギ イイナ ハクフ アヤナ トリカミ この7人の名前があの時の戦争の敵の主力の名前だったんだ

さっき名乗った3人 イズモ ハクフ トリカミ この3人だった

まさか、奴らもよみがえってたなんて」


ベェルが険しい口調で言った



「で、でも天女様達が倒したんじゃないの?」


たしかベェルがそう言ったはずだ



「ボクは実際にその場所いった訳じゃないとはいったよね?

もしかすると倒しきる事ができずに封印しそれを解いた、もしくは誰かが奴らを蘇らせたか

もしかするとさっき言っていた王鬼っていう奴がそうなのかもしれない」


「そうなると、災厄っていうのは王鬼っていう奴なのかな?」


優希ちゃんが言った、私もそう思う



「恐らくそうなんだと思う、奴らの狙いが前回と同じなら人間界を支配する事だ

心、優希君達はあのオロチを倒して王鬼という敵を倒さなければいけないんだ」


ベェルはそういうが今さっきの3人、正確にはトリカミという奴だけでも勝てる気がしない

追い詰めたと思ったイズモという奴も本当の力をだしてないという

不安そうな私と優希ちゃんの顔をみて続けた



「大丈夫、安心して 今は心も優希もまだ本当の天女の力を引き出していない

本当の天女の力を引き出せばあいつらになんか引けを取らない」


ベェルはそういうが私と優希ちゃんはイマイチ自信が無い

先程の戦いも羽衣の力と羽衣装具セレスタル イクイプメントのおかげだ

しかも、それすら敵に凌駕されてしまった

私と優希ちゃんだけで人間界を守るなんて真似ができるのだろうか



「それとね、さっきも言った通り他の天女達もこの時代

恐らく心と優希達の近い所に生まれ変わっているはずなんだ

天女達みんなを見つけて力を合わせて戦うんだ」


「あ、そうだよココちゃん 私達だけじゃなくて他の天女様の生まれ変わりを探して力を貸してもらえばいいんだよ

きっと天女様の生まれ変わりなんだから協力してくれるはずだよ」


優希ちゃんは希望を見つけて目に力が戻っていた

私も優希ちゃんを見つめて言った


「そうだね、優希ちゃん、仲間を集めて人間界を守ろう」


こうして私達の戦いが始まったのだった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ