羽衣伝説の真実
私達の前にいきなりしゃべる白い犬が表れた、なにこれなにこれ
そう混乱していると白い犬はまた話始めた
「犬って、僕にはベェルっていうちゃんとした名前があるんだ
ベェルって呼んでね」
おお、なんか普通に喋ってる
私は優希ちゃんの方を見た、優希ちゃんも驚いてるが白い犬の方をマジマジと見ている
「えーと、ベェルさん?でいいのかな?」
優希ちゃんが思いきって話かけた
「うん、ベェルでいいよ 君は優希だね? よろしくね」
白い犬がそう言うと優希ちゃんは驚いた
「わ、私の事を知ってるの?」
そういえばそうだ、優希ちゃんの事知ってるようだけど、優希ちゃんは知らないようだ
頭がこんがらがってきた
「ボクは優希の事も心の事も知っているよ
とは言っても、今回は初めましてだけどね」
私の事も知ってるの? え?え? 私は知らないよ
私が混乱していると優希ちゃんが代わりに答えてくれた
「私とココちゃんの事を知っていて、今回は?初めまして?ってどういう事?」
そう優希ちゃんが尋ねるとベェルは答えた
「ボクは昔の君達二人の知り合いなんだよ」
そう答えた
「「昔の私達?」」 私と優希ちゃんがハモった
「そうだよ、昔の君達さ、とはいっても子供の頃って言う訳じゃないよ
今も子供なんだけど、赤ちゃんの頃っていう意味ね
正確には君達二人の前世の知り合いなんだよ」
「「ええ~~~~」」 私と優希ちゃんはやはりまたハモった
「やっぱり君達二人は仲が良いね、やっと会えたよボクは君達に会うためにずっと生きてきたんだ」
ベェルは嬉しそうに言った
そしてベェルは自分のこれまでの事を話てくれた
なんでもベェルはその昔、私と優希ちゃんの前世の知り合いだったらしい
前世の私達が死ぬ前に、今度私達が生まれ変わったらその私達を助けてあげて欲しいと、私達に言われたとか
自分で言うと頭がオーバーヒートしちゃいそう
私と優希ちゃんもベェルが普通に話をするモノだからついつい犬という事を忘れて普通に私達も会話できる様になった。
「えーと、それでベェルさん 私達の前世っていうのは誰なんですか?」
優希ちゃんが大事な所を聞いてくれた、私もそうそうと体を乗り出して言った
「君達の前世は天女さ」
ベェルはそう言った
「「天女~~~~!?」」 私と優希ちゃんはまたしてもハモったのだった
「そうだよ、二人の前世は天女だったんだ
とはいっても、今の二人にはわからないんだろうけどね
ボクとここでこうやって話ができるのが何よりの証拠なんだよ」
今日は本当に驚いてばっかりだ、巻物を調べようとしたらこんな事が起こるなんて思ってもいなかった
「天女様って本当にいたんですか?」
優希ちゃんが頭を整理しながら必死に質問している
私は既に頭がパンクしているので優希ちゃんの横で話を聞く事に徹している
「いたとも、今では伝説とか、創作とかそうやって言われてるけど
昔は天女は地上によく降りてきていたんだよ、だから至る所で天女のお話があるでしょ?
あれは本当の事さ、話の内容はともかく実際にあったから今でも話が伝わっているんだよ
そしてその天女が前世の君達なのさ」
ベェルがそう言うと私は驚いたが今日はもう既に驚きの連続でもう驚きに対して適性がつきつつあった
私はつい気になる事を一つベェルに訪ねた
「もしかして余呉の羽衣伝説って知ってる?」
ベェルはもちろん知ってるともと言って私はまた驚く事となった
「あの羽衣伝説の天女は心、君の前世だよ」
「なんですってええええええええええええええええええええ」
私の前世ってあんな極悪非道の悪人に弄ばれる人生だったのか
それならベェルに死ぬ間際に来世ではまともな人生を送れる様にお願いするのもわかる気がした
混乱している私の肩を掴んで大丈夫?と聞いてくれる優希ちゃんがベェルに聞いた
「羽衣伝説のお話って本当にあった事なんですか?」
ベェルは首を縦に振った
やっぱり可哀想な前世の私、今回の人生ではステキな旦那様に巡り会えますように
私がそんな事を思っているとベェルが言った
「羽衣伝説は確かにあった事なんだけど、今伝わってる内容と実際の内容は違うんだけどね」
え?それは本当?
優希ちゃんが良かったねと言ってくれた、そしてベェルは続きを話てくれた
「昔天界と人間界は平和で天界から天女が人間界に降りてきたっていうのはさっきも言った通り本当なんだ
天女は本当に好きな人が出来ると地上人を天界には連れていけないから天女が地上人になって地上で暮らしたんだよ
天女っていうのは羽衣が無ければ地上人と見た目は同じだからね
だから相手に自分の羽衣を渡して求愛するのさ、地上で貴方と一緒に暮らしたいという意味でね」
優希ちゃんも真剣に聞いてくれている、まだ優希ちゃんの前世については出てきていないし重要だよね
ちなみにベェルの話が本当であれば私って好きな人がいて子供までいたって事!?
そう思うと顔が赤くなっていくのが自分でもわかった
「だったら何故大抵の羽衣伝説は全部羽衣を取られた天女が帰れなくなってしまうという悲劇の話ばかりなんですか?」
そうだ、そこ重要だよ、優希ちゃんナイス
「それはね、天女は絶世の美女だからだよ
地上人が選んでも天女に選ばれなければ天女と一緒に暮らす事はできないからさ
その時の権力者達は天女を自分の物にしようとどんな事でもしようとした
そういう物語も残っているだろ?
ただ天女からすれば地上人の権力者なんて物に価値はないからね
天女と暮らせた権力者はいたけど、それはその男性に魅力があったからなのさ
だから天女に選ばれた男性に嫉妬して天女が騙されてるっていう話にされてしまったんだよ」
「じゃあ、余呉の羽衣伝説に出てくる話は違うっていう事?」
私はそこが一番重要なんだと言わんばかりに聞いてみた
「余呉の羽衣伝説、心のお話だね、あれも全部が本当っていう訳ではないよ
あそこは昔、神の湖と呼ばれていてね、天界人が体を清めたり、癒したりする湖だったんだ
その時その湖を守っていたのが伊香刀美と呼ばれる地上人だったんだ」
「じゃ、じゃあ私は騙されてその男と結婚したわけじゃないって事でいいのね!」
私が安心しているとベェルは頷いた
「安心してよ心、前世の君は伊香刀美の事を間違いなく愛していたし、伊香刀美も君の事を愛していたよ」
他人事の様で私の事だからすごい恥ずかしくもあり嬉しくもある不思議な気持ちになった
優希ちゃんもよかったね、おめでとうと言ってくれた
そんな優希ちゃんの事も聞きたくなった
「そういえば優希ちゃんはどんな天女様だったの?」
私の事は一段落したから次に優希ちゃんの天女様が気になった
ベェルは話してくれた
「弁才天女さ」
え? 弁才天女?
「えーと、私が弁才天様なんですか?」
優希ちゃんが不安そうにベェルに訪ねた
「そうとも、優希は弁財天女さ 恐らく二人が想像するのは七福神に出てくる弁才天を想像しているだろうけどそれはちょっと違うんだよ」
あれ?弁才天っていうからすっかり七福神だと思っていた私は頭が?になった
優希ちゃんも貴方が弁才天なんて言われたから頭が混乱しているのだろう
「弁才天っていうのは一人じゃないんだ、色々な神様の事をまとめて弁才天と呼んだんだよ
七福神の弁才天もそのうちの一人さ
でも残念ながら優希の伝説は無いんだよ」
そうベェルに言われるとショックを受けたのか、安心したのか複雑な感じの顔をした
「ただ、心と優希はよく一緒に地上に降りていって二人で神の湖で水浴びをしたりして遊んでいたよ
たた優希は伊香刀美とよく心を取りあっていてね
本来誰とでも仲良くしていた優希が伊香刀美とだけは犬猿の仲だったんだ
よほど心を取られるのが嫌だったんだね」
そうベェルが言うと私は嬉しくなり、優希ちゃんは恥ずかしそうにしている
「優希ちゃん、私達前世から親友だったなんてすごいね!」
私がそう言うと優希ちゃんは恥ずかしそうに頷いてくれた
そんな二人を見てベェルは言った
「ボクが今ここにいる訳を二人に伝えなくちゃいけないんだ」
私と優希ちゃんはベェルの真剣さが伝わってきた為だまってベェルの方を向いた
「それは心の羽衣伝説が大きく関わっているんだ
心の羽衣伝説の後にもう天女は地上へと降りてくる事が出来なくなってしまったんだ」
えー、私が何かやらかしてしまったんであろうか
そんな私を見て優希ちゃんが大丈夫、安心してと言ってくれた。
「心の伝説に数人の天女が降りてきたっていう話になっているだろ?
あれは本当は最後の戦いに行くために最後の禊を行う為に神の湖に降りてきたんだ」
「え?最後のってどう言う事?」
急な展開につい私も声を出してしまった
「当時人間界のその下にある地界と呼ばれる所に住む鬼達が人間界に攻めてきたんだ
心達は人間界を守るために最後の戦いに向かう所だったのさ」
え?急展開すぎて本当に意味がわからないよ
「え? でも羽衣伝説だとその時心ちゃんは伊香刀美さんと結婚するって話じゃなかったでした?」
冷静に優希ちゃんが聞いた
「本来であれば心もその時仲間と共に鬼達と戦いにいく予定だったんだけど
仲間達が心には幸せになって欲しくてワザと残したんだよ
伝説に白い犬が羽衣をくわえて伊香刀美の元へっていう話があるのを知らないかい?
それが僕さ
さっきっも言った通り羽衣がなければ天女もただの地上人と似たようなモノになってしまう
心は仲間達が死地に向かうと知っていて自分だけが残るわけにはいかないと反対したんだけどね
そこで優希が僕に羽衣を奪い取らせて無理やり置いていく事になったんだよ」
え? 私は優希ちゃんの方を見た、優希ちゃんは何故か安心した顔をしている
「なんで私だけ置いてかれるのよ、仲間が死にそうなのに何もできないなんてひどい」
私はベェルに訴えた
「僕も知らなかったんだけど、心以外の天女達はその戦場にいく運命を知っていったんだ
何故かそれを知らなかった心は今その命を使うときじゃない、大切にしなさいって言われてやむ得ず残る事になったんだ
ただそれを説明しただけじゃ心はついて来るだろうから、わざわざ伊香刀美の所まで来て僕に羽衣を伊香刀美に届けさせたのさ
それまで伊香刀美と犬猿の仲だった優希がやらせたくらいだから相当の覚悟だったんだと思う
だから僕も断る事をせずに協力したんだ」
「なんでそんな事に協力したのよ、私だけ置いてけぼりなんて酷いわ」
私が怒ると優希ちゃんが私を見て言った
「私は前世の私の気持ちが少しだけわかるな、ココちゃんには幸せになって欲しいもん」
優希がそういうとベェルが言った
「その通り、優希は僕にそう言った、彼女が幸せになってくれる事が私の幸せだって」
そんなのおかしいよ
「で、でも私かどうかは私もわからないけど、前世の私はその後伊香刀美と別れて天に帰ったってお話になってるじゃない
みんなが命をかけて私を生き残らせたのに私は伊香刀美と別れたんでしょ?」
私は何故か自分の事の様に声を上げて言った
「天に帰ったんじゃないんだよ
心はその時になって初めてなんであの時自分が行かなかったかを知ったんだよ
心は最後の最後で羽衣を伊香刀美に返してもらいみんなが向かった戦場に向かったんだ
僕はそこまでしか一緒にいなかった、だから最後がどうなったかわからない
だけどもし、最後の戦いで心が負けてたら地界にこの人間界は乗っ取られていたはずだ
だから心は勝ったんだと思う、だけど心が帰ってくる事はなかったし
今ここで心が生まれ変わっているという事は恐らく、勝ったけれど帰れない理由があったか、もしくは相打ちだった可能性も捨てきれない
そして僕は心が最後の決戦に向かう前に君達の事をお願いされたわけさ」
「それが未来の私達を助けて欲しいっていうお願いなの?」
私が聞くとベェルは頷いた
「私達を助けるっていうのは、具体的にはどう言う事なんでしょうか?」
優希ちゃんが聞いた
「それはね、心が持っていた巻物があっただろう
あれは前世の心に託された物でね、あの巻物が開放される時新たな災厄が人間界を襲うっって心が僕に言ったんだ
それが何かまでは僕にはわからない
ただ、巻物が開放されたという事は人間界に、もしかしたら天界をも巻き込む大事件が怒る可能性があるんだ」
ベェルがそう言うと優希ちゃんが首をかしげながら質問した
「そういえば、なぜ今の時代に新たな天女様が降りて来られないんでしょうか?
ココちゃんの羽衣伝説を最後にっていうのはその最後の決戦というのが関係してるんでしょうか?」
「そうだよ、天界は地界の鬼が天界に来るのを防ぐために天界と人間界の扉を占めたんだよ」
「え~、私達の事を見捨てて自分達だけ逃げたって事?」
ベェルの言葉を聞いて私はまたもや声を大きくした
「それは少し違う、地上人は天上人がいないと生きて行けないんだ
今でもいろんな所に神様っていうのが祀られているのを知っているかい?
特にこの国、日本では八百万の神と言われるほどに神様を信仰している
人間界を見捨てても天界は生きていけるけど、人間界はそうじゃないんだ
正直人間界を見捨てるという意見がなかった訳じゃない
でも守りたい天上人も沢山いたのさ
その筆頭が君達なんだ、だから君達と共に人間界を守る為に地上におりた天上人も沢山いた
それに、反対派の天上人も天界が滅ぼされたら人間界が滅びてしまうのを知っていたから一概に見捨てたという訳ではないんだ
人間界を守る為に天界の守りが薄くなる、人間界を守る人達と天界を守る人達が別れたのさ
鬼達も天界を落とせば人間界も滅ぶと知っていったから日々狙っていったんだよ
実際、心の仲間が人間界を守る為に地界にある鬼達の城に戦いを挑んだ時に鬼達もまた天界に向かって攻撃を仕掛けたんだ
その際天界を守る為に天界への扉は閉ざされてしまったんだよ」
「そうだったのね、そんな悲しい理由があったのね」
私も優希ちゃんも何も言えなくなってしまった、しかしベェルの言葉は終わらなかった
「天界の扉が占められてしまうと、人間界や地界で死んでしまった天上人はもう天界で生まれ変わる事ができなくなってしまってね
本来であれば天上界で生まれ変わるはずの君達が人間として生まれ変わったのはそのせいなんだよ」
「え?沢山の天上人がその戦いで亡くなってしまったんじゃないの?」
「そうだね、とても悲惨な戦いだった
そこで死んでしまった天上人は人間となって生まれ変わったのさ
だからこの国は神様を信じる人が大勢いるんだよ、神様を魂で知っているんだ
それに死んでいった天上人もその事を承知した上で人間界の為に戦ったんだよ」
ベェルが悲しい目をしてそう言った
「そんな沢山の天上人が死んで生まれ変わったのになんで当時のココちゃんは態々ベェルさんに私達だけを助ける様にお願いしたんでしょうか?
話を聞くと昔のココちゃんが自分達の為だけにそんな事をするようには思えないんですけど」
私も頷いた、昔の私はみんなの為に行動する人だった様に聞こえた
なのに生まれ変わった私達を助ける為にベェルにお願いするとは考えにくかった
「それはね、君達が他の天上人とは違ったからさ
君達は天上人の中でも力を持っていてね
前世の心が僕に、私達が生まれ変わる頃に起こる災厄に 当時の神の湖にきた天女達全てが生まれ変わってその災厄と再び戦う事になるって言ったんだ」
「え?私達が災厄と戦うの? それに他にもその時の天女様が生まれ変わってるって本当?」
ベェルの言葉に私と優希ちゃんはまたも驚きを隠せなかった
「うん、生まれ変わった君達をまた戦いの中に身を置かなければいけない事を心配していたよ
生まれ変わったといっても今の君達と昔の君達は別人なんだからね」
私達の心配をする昔の私って偉いな、果たして今の私にそこまでできるんだろうか
それともう一つ気になる事を聞いてみた
「えーと、私と優希ちゃん以外にも天女様の生まれ変わりの人がいるって事みたいなんだけど
何処にいるか知っているの? もし良かったら会ってみたい」
私がそういうとベェルは残念そうに首を振った
「ボクも心と優希が初めてなんだ、でも安心して心と優希がこうしているように
他の天女達とも魂と繋がっているから必ず巡り会えるって、心が言っていたよ
だからボクは君達と出会えて安心したよ
一度神の湖の近くで巻物が開かれたのを感じたんだけど、ボクが向かっている間に移動したみたいでね
やっとここまでやってこれたっていう訳さ」
ベェルがあえて良かったよと言ったが気になる事が一つある
「所で私達はその災厄っていうのとどうやって戦えばいいんでしょうか?
私もココちゃんも普通の小学生ですし、一応私は弓道をやってますけどそれで災厄というものと戦えるかというと、難しいですよね?」
その通り、私は優希ちゃんと違って女子ミニバスくらいしかやってない
ミニバスで戦えるのはバスケットボールの試合くらいしかないと思うんだけど
「もちろんさ、今の心と優希だと災厄が何かわからないけど恐らくすぐに死んでしまう
二人は天女の生まれ変わりと言ったからには、その力もきっと受け継いでるはずなんだ
それを開放する事をボクは出来るんだよ」
そういってベェルは私と優希ちゃんに手を前に出して重ねてと言うので言われたままにした
カプッ
ベェルはその手に噛み付いた
犬は犬だった
「痛ーーーーー、、、くない?」
痛く無かった
「ココちゃん、痛くなかったね?」
そうだね、とお互いを見た
「「え?」」
「「その格好どうしたの?」」
私達はお互いの姿を見たあと自分の姿を見て驚いた
「なにこれ、今まで着てた私の服は何処にいっちゃったの?
なんで、、、天女様みたいな格好になってるの?」
天女様みたいな格好、それは羽衣を纏、着物、、、着物?着物ではないな
「優希ちゃん、着物ではないよね?」
私がそう言うと優希ちゃんもそうだねと言った
「着物っていうよりは私達が普段来ている服が変形した様な感じだね」
私と優希ちゃんは夏らしくワンピースの服を着ていたがそれが変形したような服に変わっていた
「昔の天女達は着物を着ていたからそういった絵が残されているんだよ
大切なのは羽衣なんだ、羽衣が天女の力の源なんだよ
天女達は生まれた時から羽衣を持っていて、死ぬ時は羽衣と共に消えていく、そしてまた羽衣を持って生まれてくるんだ
羽衣が如何に天女にとって大事なものかわかった?
ボクが噛み付いた事によって天女の血が反応して一気に開放されたんだ」
ベェルがそう言った後、急に彼方の方向をみた
「外の世界が危ない、何か強い力が近づいてきている
一度外の世界に戻ろう、安心して何かあってもその羽衣が君達二人をまもってくれる」
そういうとまた光が世界を支配した。