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泰平のマギア(旧作)  作者: 嘉實
3/13

「冷血の氷結魔法」

 美しい少女は、無言でただセスの顔をじっと見つめている。

「君は……」

 セスが少女に問いかけた。しかし少女は応えない。どこか不思議そうな顔をして、首を傾げているだけだった。

(本当に人形みたいだ)

 少女の姿を観察するように、目線を上から下に移していく。その流れで彼女の手元を見たところで、彼女の手首を、硬そうな紐がろくに指の入る隙間もないくらいに強く締め付けていることに気付いた。

「すぐ外すよ」

 セスは急いだ口調で告げる。ポケットから護身用のナイフを持ち出して、紐を切った。

 薄く鬱血した手が自由になると、少女は痛そうに手首を擦っていた。もしセスがここに来ていなければ、じきに彼女の手は腐り落ちていたかもしれない。

 何て悪趣味なことを……こんな小さな女の子を部屋に閉じ込めて、視界を暗闇で覆って、手首にあざまで作らせて。

 ポルドー家がした非道な行いに、セスは奥歯を噛んだ。そして気が付けば、その少女の手を握っていた。

「君はここにいるべきじゃない。行こう」

 少女はきょとんとして、首を傾げる。この人は何を言っているのだろうか? というような顔だった。

 それもそうだ。見ず知らずの人間に急にそんなこと言われて、驚くなという方が無理な話だろう。セスは自分勝手な行いを内省して、少女の手を放した。

「ここが、君の部屋なのかい?」

 セスは人懐っこい笑顔を浮かべて、彼女の隣に腰を下ろす。少女は無言で首を縦に振った。

「自己紹介がまだだったね。俺はセス。君は?」

 彼の問い掛けに、少女は口をもごつかせる。困ったように手をパタパタと動かした後で、近くに転がっていたぬいぐるみの一つをずいと差し出したのだった。ぬいぐるみの背中には、先の熊のぬいぐるみと同じ名前が刻まれていた。

「ヘルシャーーそれが君の名前ってこと?」

 少女の顔がパァッと明るくなる。少女は目を瞑りながら、大きく首を縦に振った。

 その様子があんまり必死だったので、セスは思わず吹き出してしまう。

「ごめんごめん。あんまりおかしかったから」

 むっとした表情になった少女の頭を、彼はぽんぽんと優しく撫でた。

 その時、セスの顔を見つめながら、果して少女は何を思ったのだろうか。彼女の頬を一筋の涙が滑り落ちていく。

「ど、どうした? 他にどこか痛いのか!?」

 なぜ少女が泣いたのか、検討もつかなかった。少女は彼の言葉を、首を振って否定しながら、袖で涙を拭う。そしてセスの左手を、今度は自分から握りしめた。




 時刻は午前三時すぎ。計画で決めていた集合時間を、すでに過ぎている。外の警備にあたっていた二人の男は痺れを切らしたようにため息を吐いていた。

「リーダーおせぇな。俺たち暇でしょうがねぇ」

「そう言うなよ。これで大金を貰えるならいい話だぜ」

「それもそうか」

 そんなやり取りをしていると、他の五人が屋敷から出てくるのが見えた。

「待たせたな。悪い」

 ランスの言葉に「おせーよ」と悪態をつきながら、男は髪をかきあげた。

「ところで三番。お前が押してるそれは何だ」

「台車だよ。見て分からないか?」

「俺が聞いてるのはその中身だ」

「俺も聞いてみたんだけどよ。教えてくれねぇんだ。よぽど良いものを盗んできたに違いないぜ」

「ウン、ソウダネー」

「帰ってからのお楽しみってやつか。なかなか分かってんじゃねぇか」

 セスは額に浮かんだ冷や汗を拭う。まさかこんなことになるなんて。

 実を言えばあの後、部屋から立ち去ろうとしたセスを、少女が袖を引いて呼び止めたのだ。そして廊下前に置いていた台車に座りこみを謀ったのである。

 まさかつい勢いで言ってしまったことが本当になるなんて…と彼は内心頭を抱えていた。布一枚下には小さな女の子がいると、口が裂けても言えようか。

 そんなセスの悩みをお構いなしに、前の六人はずんずんと歩いていた。彼らがちょうど門を抜けた時、

「やれやれ。ここの護衛は困ったものですね。僕がいないとこうも簡単に屋敷への侵入を許してしまうとは」

 門の上の塀から、若い男の声が降ってきた。

「誰だ! 出てこい!」

 ランスは腰に提げた剣を抜きながら、辺りを見回す。

「呼ばれずとも行きますよ」

 男は目の前に軽やかに着地した。背格好を見るに16、7歳くらいの青年のようである。彼は余裕を見せつけるように、乱れた頭髪を手櫛で整えていた。

「悪いことは言いません。盗んだものを返してください」

 手を差し出して、七人に向かって迫ってくる青年。身体の線は細く、とても腕が達者なようには思えなかった。

 だからこそ、キースは嫌みを込めた口振りで、

「返せと言われて返す泥棒がいるか。坊やは帰ってねんねしてるんだな」

と、彼を挑発するセリフを口にしたのだった。それに合わせて、他の連中もその青年を嘲笑するように、わっと声を上げた。

 ただ一人、セスを除いて。彼だけは額に汗を浮かべながら、唇を噛み締めていた。

「逆らうなら少し痛い思いをしてもらうぜーーッ!」

 青年に肉薄するランスに、セスが「よせ!」と声をかける。しかしランスは聞こうとしなかった。それはセスが自分に、「不用意に人を傷付けるな」と言いたかったのだと、勝手に解釈してしまったからであった。

 だがセスが言おうとしたのは、そんなことではないのだ。

 ソイツに手を出してはいけないと、彼の感覚が告げていた。ただそれだけのことだった。

 次の瞬間、

「あ?」

 ランスの顔に青年の手がそっと触れ、彼の口から奇妙な声が漏れた。それから数秒、時が止まったような沈黙が、彼らを包んでいく。

 六人が我に返ったのはーーランスの身体が糸の切れた人形のように、その場に倒れ付してしまった時だった。

 何が起きたのか、一同はまるで理解できなかった。しかしセスは暗がりの中で倒れ行くランスの顔が、氷で覆われていることに気がついていた。

「てめぇぇ! 良くも兄貴を!!」

 キースが怒りに任せて突っ込んでいく。だが彼の動きは、青年まであと一メートルーーといったところで止まった。

「足が……動か…」

 キースは畏怖の感情と共に自分の足元を見た。そこで自分の体が足首から少しずつ凍りつき始めていることを知る。

「つ、冷てぇ! やめろ! 止まれ!!」

 彼は手をバタバタと動かした。おそらく氷の侵食を止めようとしたのだろう。

 だがその甲斐も虚しく、凍結はみるみる進み、足に触れた手へと伝染していく。間も無く彼の全身を、分厚い氷が包んだ。

(魔法術師だ。それもかなり上位の)

 唾液を飲み込みながら、セスは身構える。他の四人は男にすっかり恐れをなしたのだろう。セスの後ろに隠れるように、身を引いていた。

「夜分遅くあまり声を出されると近所の迷惑になりますからね。一番良い手をとらせていただきました」

 青年は切れ長の目を細めながら、ゆっくりと両手を横に開いていく。そして、

「申し遅れました僕はーー魔導騎士、ナイジェルという者です」

と、背筋が冷たくなるほどに仰々しく、頭を下げてみせたのだった。

 彼はその場にいる人数を数え上げると、「ふむ」と顎に触れた。ほんの少し、悩むような素振りを見せた後で、ナイジェルの口角が不自然に上がる。

「それでは、一気に片付けさせてもらいましょう」

 言葉と同時に、その騎士の体が宙を浮いた。セスは自分の背後から狼狽の気配を感じながら、苦虫を噛み潰したような顔をしていた。

 ナイジェルが使ったのは浮遊魔法。そしてそのごく基本的なマギアこそが、彼の魔法術師としての能力の高さを示していた。

 一般的な浮遊魔法は、最初に地面を蹴るなどして、ある程度の初速をつけて魔法を補助することが定石。にも関わらずナイジェルは、そんな素振りを一切見せずに、ふわりと浮き上がってみせたのだ。それはそもそも初速などつける必要が無かったから。一介の騎士としての実力を超えていることは明白だった。

 ナイジェルは微笑を浮かべたままに、スッと手を前に伸ばす。その刹那、バキンッ! と音がして、彼の手元付近に巨大な氷の塊が姿を現した。

「畜生! あんな化け物がいるなんて聞いてねぇぞ!」

 一人が苦し紛れにそんなことを口にするが、それとは関係なく氷の大きさは一回り、二回りと大きくなっていく。今にも破裂しそうなほどに肥大した氷を前にして、彼らの顔には恐怖が張り付いた。

 そしてナイジェルが手を振り下ろそうとした、まさにその瞬間。

「全員、口と鼻を塞げ!!」

 セスが、叫んだ。

 そのあまりの剣幕に、彼らはみな反射的にセスの言葉に従う。それから間も無く、彼らの体は強烈な冷気に包まれた。

 もし吸い込めば肺が一瞬で凍りついてしまうような、極低温の風。その風が幸いにも誰の体を傷付けることもなく過ぎ去っていった後も、彼らはしばらく呆然と立ち尽くしていた。

 しかし、それはそのマギアを放った方も同じだった。

「今だ、全員逃げろ」

 セスが言う。すると四人は口から悲鳴のようなものを上げながら、慌ててその場から駆け出していった。対してセスは、手を振り下ろした時の格好のまま目を向いたナイジェルを睨み付けていた。

「ふふっ」

 しばらくして、ナイジェルが突然吹き出した。それを契機に、狂ったような笑い声が周囲へ響き始める。噴水の音をかき消すような、大音声である。セスはその彼に向かって、深々と頭を下げた。

「本当にすまなかった。盗んだ物を持っているのは俺と、そこの二人だけだ。だから奴らは関係ないし、俺も盗んだものは全て返す……それでいいか?」

 セスが次に顔を上げた時、目前にはナイジェルが立っていた。

(音も、気配も。まるでなかったーー)

 セスの背筋がゾッと凍てついた。

 ただ、そんな彼を見てナイジェルは首を傾げながら笑む。

「もういいですよ。貴方に免じて、彼らは見逃してあげましょう」

「本当か!?」

「ええ。ただし……」

 ナイジェルの全身から魔力と冷気が激流の如く吹き出して、その右手に集中する。


「貴方は別ですが」


 全てを蹂躙するような氷の竜巻が、セスの体を吹き飛ばした。

「がッ……ぁ」

 数メートルの高さまで宙を舞った後、セスの体は地面に叩きつけられる。幸い途中で街路樹に当たった分がクッションになり、致命傷にはならなかったが、セスの体が大きなダメージを負ったことは事実だった。

「僕の興味は、すでに貴方に移ったのですよ。同じ魔法術師同士、少し、手合わせをしてみたい。マギアを使って、本気で殺し合える機会を与えられたことを、神に感謝せねばなりませんね」

「な……何を言って」

「僕の魔法を、見た(・・)でしょう?」

 ナイジェフは地面に伏したままのセスに、ゆっくりと歩み寄っていく。心から悦びを爆発させるような、満面の笑みだった。

「貴方はあの時…僕がマギアを発動させる時、僕を見た。絶望的な大きさに膨れ上がった、自分達の命を刈り取るやもしれない氷の塊ではなくて、この僕を! 僕の! 魔力を!」

 髪を振り乱し、自分の胸を叩きつけながら彼は叫んでいた。体を襲う激痛に眉を歪めるセスまでの距離は、残り三メートルほど。そこでナイジェルが足を止めた。目を瞑り、昂った感情を抑えるように深呼吸を数度して、再び口を開く。

「そして貴方は僕が作り出した目の前の幻影に惑わされることなく、僕の魔法を破った」

 お見事、と言わんばかりに彼は拍手をした。閑散とした街の中に溶けるように、その音が虚しく消えていった。

 ナイジェルのマギアの種を明かすと、彼が始めに作り出した氷の塊は完全なダミーだった。いくら彼ほどのマギアの使い手とは言えども、何の予備動作も準備もなしに、巨大な氷を作り出すのは理論的に不可能なのだ。

 彼はまるで自分が氷の塊を作り出しているような素振りを見せながら、別のマギアを構築していた。それが先の極低温の風の正体だったというわけである。

 ナイジェルの目的はあくまで泥棒の息の根を静かに、なるべく街を損壊させず、かつ確実に止めることだった。ゆえに彼は瞬間的に肺を凍らせて、呼吸困難にしてしまうという手を取ったのである。

 結果として、セスによって彼の目論見は看破されてしまったわけだが、ナイジェルはそのことを心から喜んでいるようだった。

 狂っている。セスは思った。

 おそらく彼は待っていたのだ。自分の力を思う存分発揮できる状況を。

 魔法術師イコール騎士の構図が成り立つ現代において、マギアを使える者同士の戦闘は訓練の中でのみ行われるものだ。そこに命のやり取りはない。

 ナイジェルは今、兼ねてからずっと欲しがっていた新しいおもちゃを、ようやく手に入れた子供のようだった。

「さて。貴方はどんなものを盗んだのでしょうか」

 ナイジェルが台車の布に手をかける。止めろ、という声はセスの口から出なかった。バサリという乾いた音とともに、少女の姿が顕になる。ナイジェルは驚きの表情を隠そうともせず、ただ口に折り曲げた人差し指を当てて、吹き出していた。

「これはこれは。とんでも無いものを盗み出しましたねぇ」

「その子から離れろ……」

 セスはゆらりと立ち上がる。

 六人と同じように、尻尾を巻いて逃げることもできた。しかし彼がそれをしなかったのは、他でもない少女のためだった。

 罪のない少女を、あの監獄のような場所に戻すわけにはいかない。

「いいですねぇ。回復魔法は要りますか?不意討ちのダメージが残っていては興ざめですし」

 相も変わらず余裕ぶるナイジェル。セスは何も応えず飛んだ。距離を詰めるまでにかかった時間は僅か数秒ほど。

「突進とは芸がない」

 しかし彼は何でもないように、セスを魔法で弾き返した。バランスを崩した隙を見て、追撃として氷の槍を手から放つ。セスは紙一重のところで横転してかわした。

 このやり取りの間、ナイジェルは微動だにしていない。魔法の力だけで、セスは完全に圧倒されていた。

「さあ早く貴方も魔法を使いなさい」

 ナイジェルの言葉に、ただセスは苦い表情を浮かべた。

(そんなこと出来たらとっくにやってるさ)

 一発逆転の切り札のようなものは、セスの手にない。あるのはただ勝手にセスが魔法術師であると思い込んで、ナイジェルが戦いを仕掛けてきたという事実だけだった。

 セスは苦し紛れに、台車を覆っていた布を放る。唐突に視界を奪われたナイジェルが、少し身を引いた。

憎しみは紅蓮と成る(ヘートレド・ヴレイズ)

 何でもないはったりの詠唱。しかしそれはナイジェルに意外な効果を示した。警戒した彼が、目の前にマギア緩衝の障壁を作ったのである。その隙を、セスは見逃さなかった。

「チッ……逃げられましたか」

 ナイジェルが悔しそうに呟く。緩衝の障壁が生成する座標は、術師の座標に依存する。よって発動している間は、それが邪魔をしてマギアを撃つことが出来ない。

 うまくしてやられたと、もはや遥か遠方にあるセスの背中を歯がゆそうに見つめながら爪を噛もうとして……彼はそれを止めた。

「なーんてね?」

 カクンと首を傾げると、ナイジェルは両手に力を込めた。先程とは比較にならないほどの膨大な魔力が、彼の手を包む。それは十数メートル離れた場所にいるセスの肌にすら、ビリビリと響いてくるほどだった。

 ヤバい! とセスは少女を抱いて走りながら思った。おそらく今のナイジェルは少女を巻き込んでしまうことなど考えていない。単にマギアを行使したいという自分の欲求に従っているだけだ。

万物を貫く氷牙となれ(アイシィ・ファング)

 先の何倍も大きく、密度も高い氷の竜巻が、ナイジェルの手から放たれた。それはセスを吹き飛ばすためではなく、彼の身を貫き、命を刈り取るための、マギア。

 獣の牙のような形をした『それ』は、ナイジェル自身の作った緩衝壁を軽々と打ち破り、その威力を一切落とすことなくセスの体を蹂躙したのだった。




 マギアを発動してからしばらくして、ナイジェルは自分の迂闊さに気づく。

「これでは二人共々、肉塊ではないですか…」

 頭をかきながら、彼は吐き捨てるように言った。しかしその反面、心はスッキリとしていた。彼の中では任務を全うに遂行できなかったことに対する反省よりも、久しぶりに全力のマギアを使うことができたことへの愉悦の方が、勝っていたのである。

 彼らが生きていることはまずあり得ないだろう。が、一応生死の確認をしなければならない。彼は闇の中へと足を進めていった。

 セスの逃げていった道を歩いていると、ふと誰かの泣き声が聞こえてきた。まさか他にも人を巻き込んでしまったのか?という不安に教われ、ナイジェルは足を速めた。

 そしてその光景を見た時、彼は笑いが止まらなくなってしまったのだった。

「おにぃ……ちゃ」

 何と少女の方は生きていた。そしてセスと思われる、背中から血を噴き出す人影を揺さぶっているではないか。

 いくら興奮していたとはいえ、力を使いすぎていたことは百も承知だった。街中でそれほどのマギアを放ったことが王国側に発覚すれば、騎士としての地位を剥奪されてしまうほどの、超高威力魔法を確かに放ったはずだ。

 なのになぜ一人は生きているのか。まさか全ての攻撃をセス一人が庇ったというのか。

 目の前の情景は、完全にナイジェルの理解を超えていた。

「凄いですよ本当に。一体どんな手品を使ったのですか」

 ナイジェルは哄笑しながら、ふと少女の方に目をやった。彼女は健気にも、瀕死の重傷で身動き一つ取れないセスに、必死に声をかけていたーーが、そこでナイジェルの顔が青ざめる。

「マズい」

 彼の顔に初めて浮かんだ、動揺。ナイジェルは水をかけられたように、頭が、興奮が冷えていくのを感じた。

「この場を離れなければ」

 彼はそれだけ言い残し、その場から全速力で逃走した。その様子は何かに怯えているようだった。

「おにぃちゃん……おにぃ……」

 ピクリとも動かないセスの体を、少女の涙が濡らしていく。彼らの背後の真っ暗な道からは、一筋の手持ちライトの光が迫っていた。

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