表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

あなたへ...2015年10月

伝える

作者: あずま

どんなに言葉を選んで

どんなに言葉を重ねて

心を尽くして

思いを告げても

目の前の人に

自分の気持ちは伝わらない


思うことの

何分のいくつもきっと伝わらない


どんなに大きな声で

どんなに大きな身振りで

人を頼って

縋って

思いを伝えようとしても


思うことの

何分のいくつが伝わるのだろう


目の前にいたって

思いを伝えるのは難しい


あなたに

どうやったら

この気持ちが伝わるのだろう


雨がやんで

透き通った光に照らされたススキの穂をみて

あなたと摘んだタンポポの綿毛のようだと

小さいあなたを思い出し


紅葉の葉が舞うのをみれば

あなたが逝った初夏の青葉を思い出し

病室にいたあなたの痛々しい姿を思い出す


何を見ても

何を聞いても

何を食べても

どこへ行っても


あなたのことばかり考えている


どうやったら

お母さんがあなたを愛してるって伝わったのだろう

どうやったら

あなたを失いたくないって伝わったのだろう

どうやったら

あなたに生きているだけで素晴らしいって伝えられたのだろう







評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ