薔薇姫、城を出る!
私は薔薇姫。
なんでも叶えてもらえる。
皆は羨ましいと思う。
でも、私は皆が羨ましい…
お金が皆ほしいと言う。
確かにお金がないと困る。
でも、皆知らない…お金で買えるものより
お金で買えないものの方が多いことを…
「薔薇姫様、ほしいものはございませんか?」
「……。」
「年頃の娘は、流行りのドレスやアクセサ リーがほしいと言うのですが…薔薇姫様も流行りのドレスやアクセサリーなどどうですか?」
「……。」
「薔薇姫様……?」
「私は…お金で雇った友達ではない、
友達がほしいです。」
「はい?」
「はぁ…大臣。あなたは、私が友達がほしいと言ったらお金で雇った友達を呼びましたね。私は、自然にできる友達がほしいと言ったのです。ですから、私は自分で友達を作りたいと申しているのです。」
「なんと…この前の娘たちは気に入りませんでしたか…。わかりました!少々お待ちくだ
さい。今度はもっとマシな娘たちをよこしますから…。」
「大臣!違います。私が自分で友達を作りたいのです。」
「何を言ってるのですか!!薔薇姫様が自ら友達を作る必要はありませんよ。友達なら学校にたくさん居るではありませんか。」
「学校に居る人はクラスメートです。友達ではありません。友達は自分で作るものだと本に書いてありました。」
「はぁ…それで、どうされたいんですか?」
「大臣!私を隣町に送っていって下さい。そこからは自分で友達を探しますから…。」
「わかりました。では、綺麗なドレスとアクセサリーを…」
「大臣!そんな物入りません!皆と同じ服でいいです。」
「薔薇姫様!それはいけません。王家の姫である限りドレスでなくては…」
「私は今から隣町の娘となるのです。大丈夫…隣町には、大叔父様と大叔母様がいますから…。大臣は、隣町に送っていってくれればいいのです。」
「わかりました…では、車の用意を…。」
「大臣…今日は馬車の用意をして下さい!」
「馬車?! ……はい。わかりました。」
やっと皆と同じことが出来る!
楽しみだわ。