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狐の嫁入り

作者: 尚文産商堂
掲載日:2012/02/29

これは、俺のオトンから聞いた話だ。

まだ子供のころ、田舎に住んでいたそうなんだ。

そこには、百鳥居といわれている稲荷神社があるそうなんだな。


百鳥居っていうのはさ、鳥居がずっと並んでいる並木道みたいなとこらしい。

ほら、伏見稲荷の鳥居みたいな感じ。

昔は遊び場も少なかったから、そんなところで遊ぶぐらいしかなかったそうなんだ。


ある日、その鳥居でかくれんぼをしていたそうなんだ。

空は晴れているけど、次第に雨が降り始めたそうな。

雨宿りをしようと神社の拝殿へ走っていると、遠くから、シャン、シャンと鈴の声が聞こえてきたそうだ。

そして、走り続けていると、人がこちらに来ているのが見えた。

退こうと思って、一瞬だけ鳥居並木から外に出ると、その人たちは、婚礼衣裳に身を包んだ女性だったそうだ。

あとは、お付きの者が少々いる程度で、すぐにすれ違ったそうだ。

そしてすれ違い終わると、再び参道に戻り、駆け上がろうとしたんだが、ふと違和感に気づいて、振り返ったそうだ。


クリーム色をした尻尾が、全員の着物の中から出ていたそうだよ。


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