プロローグ:夢
夢を見た…
深い、深い、深い眠りの中で、不可解な程自分を感じることができ、不可解なほど世界を感じることが出来ない、そんな夢…
本当に夢か?と思うほど、自分を感じてしまう。だからこそ、夢だと確信が持てた。
と、
『オハヨー!』と、素っ頓狂な声が背後から聞こえる。声の質、高さからして少女の声。振り向けば、案の定少女が1人浮かんでいた。
少女の身長は140程で、大きな青の瞳を持った幼い顔立ちに美しいブロンドのショートヘアーを左側のみまとめている。そんな華やかさと対象的に服装は黒のワンピースに黒のブーツ、黒の手袋と黒一色に身を包んでいた。
少女はこちらが呆けていると、まったくも〜といった感じで口を開いた。
『なに、いつまでも寝てるの?』と、その言葉でやはり自分は眠っているのだと確認出来た。
「いや、そう言われると起きなきゃならんのだろうが、何か、こう、起きる方に意識が向かないっつ〜か、何と言うか…」正直釈然としない、何故、自分がこんな所に居るのか?何故、こんな事になってるのか?全く判らないままに只、起きろと言われても無理なことだ。少女は、ん〜と困ったように顔をしかめ『まぁね〜…確かに辛いけど…』
「分かってくれる?」
せめて説明を、と続けようとしたが、『気合いでどーにかしろ』と笑顔で一蹴。『だって、起きてもらわなきゃ、こっちが迷惑するんだよ〜契約守れないんだから〜〜オキロ!』目を弓にしながら理由を主張…何か怖い
「てか、契約って何さ?」
『口答えすんな!む〜何でこんなヘタレに…』ぶつぶつといじけ出した少女(おや?これはかなりマズいかな?)さっきまでの会話で少女の性格は何となく分かっている、多分どぎつい。「分かった、起きるって。」
『あっ、決心した!?よかった〜…』ぱっと少女の顔が明るくなる。『も〜あんたは既に世界と無関係じゃ無いんだからね。しっかりしてよ』
「何のこっちゃ?それよか…」
疑問がある。『何?』
「どうやって、起きりゃあいいんだ?」これだけ、意識がハッキリしていると自分が眠っている事すら微妙になる。そんな中、自分の意志で起きることなど出来るのか。と考えていると、目の前の少女は自信満々の表情で左手の人差し指を立て顔の前で振る。
『ま〜かせて!準備万端!!』
と、指が右手を指す。あるのは、バット…バット〈樫の木で出来た野球に使う道具〉……………(…………なるほど)
『いっくよーっ!!』と、少女は片足を上げ、一本足打法。 『歯ー食いしばれーっ!』と言われたのは、美しいスイングがテンプルにクリーンヒットした後だった。
そして
、現実に
引き戻る…
有限の自分と世界と………感じる…『何か』を
ハイハイ、とりあえず始めてみました。感じとしては、ラブコメ・ファンタジーって方向で行きたいと思ってます。進みは遅いと思いますが、長い目で見てください