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詩集

カレイドスコープ

作者: ロースト

カレイドスコープ


絶望しきった瞳で君は笑う



君はいつまで僕のそばにいるの?

君は僕の世界の中心だけど、君の世界の中心は?

君という存在に僕は振り回される。

君という存在が僕を狂わせる。

―――僕は君を万華鏡に喩える。

その華麗さが僕を惹きつけ放さない。

その神秘さが僕の眼に焼きついてる。


些細な衝撃で(かたち)を変え、新たな姿に変わってく。

それでも僕を束縛するその性は変わりなく、

そのどれもが僕を雁字搦めに絡め取る。


雑多な欠片で構成される綺麗な様はその本質と違い、僕への枷。

すべてが唯一で、等しいものなど他になく、またどこにもない。


僕を構成するのは君。君が僕の世界のすべて。

それ以上でもそれ以下でもなく。君だけ。

だから不意に知りたくなる。だからこそ壊したくなる。君を、僕の世界を。

その脆さが僕の危うさを引き立てる。

けしかけて、壊して、そして新たに出来た君を愛し、そして繰り返す。

無限(インフィニティー)(サイクル)


壊して崩して、愛して。

そうやって君の僕への愛を確かめる。新たな君も僕を愛してくれるかな。


疑問を肯定にして返す君が好きだよ。

壊れて崩れて、泣いている君が大好きだよ。

そんな君に満たされる。

そのとき初めて僕は愛されていることを認識できる。

そんな君を愛している。


ほら、君はこんなにも僕を狂わせる。

だから君を壊したくて、壊したくて、その衝動を抑えられない。

だから僕は君をけしかけてた。


君が僕を愛してくれていることを知っているから。

こんな僕でも好きでいてくれるから。


だからそのときの僕は夢中で壊してた。

君の愛を疑うことなどなく、夢中で壊して崩して愛してた。


でも、やっと気づいた。

失って初めて気づいたんだ。

些細だったけど、確かにあった本当のヒビ


無限だと思ってた。

際限ないと思ってた。


でも、実際はどうだ。


永遠なんてなかった。

無限なんてなかった。


人の心が、弱いということを忘れてた。

人の心が、脆いということを忘れてた。


―――壊れたままになることがあるなんて、……思ってなかったから。


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