表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
テアトルムのナレーター  作者: yuruhuwa回路


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

49/56

初夏の交差

 初夏のラメールに、ガルドが戻ってきた。


 北方の調査を終えて王都に報告を済ませ、訓練所に戻る前に一度ラメールに立ち寄ったのだ。

理由は特にない、とガルドは言うだろうが、秀には見えていた。


 レインのことが気になっていた。


 訓練場に顔を出すと、制服姿のレインが後輩の見習いに木剣の構えを教えていた。


 ガルドは遠くから見ていた。


 レインがガルドに気づいた。


「……来てたんですか」

「通りがかりだ」

「嘘くさい」

「……お前も相変わらずだな」


 レインが少し笑った。珍しく、隠さない笑い方をした。


「昇格したと聞いた」とガルドが言った。

「はい」

「早かったな」

「先生のおかげです」

「俺は何もしていない」

「してます。見に来てくれて、串焼きを一本くれて、王都に行くって言ってくれた。それだけで十分です」


 ガルドが黙った。


「……元気でいろ」

「先生もお元気で。次はどこへ行くんですか」

「王都だ。訓練所に戻る」

「エイルさんによろしくお伝えください」

「知っているのか」

「名前だけ。先生が大切にしている生徒がいると聞いたので」

「誰から聞いた」

「オルデンさんから手紙が来ました。先生の生徒のことを、よく話してくれます」


 ガルドが目を細めた。「あの男は余計なことを」


 レインが笑った。


 今度は声の出る笑いだった。


 秀はその光景を見ていた。


(この二人、いい関係になったな)


 師弟でも、親子でも、友人でもない。でも確かに繋がっている。テアトルムが結んだ縁だ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ