三人が知らない繋がり
ラメールで、サラとレインが再会したのは偶然だった。
雨の日に衝突したきり、二人は言葉を交わしていなかった。
市場でサラが食材を買っていると、衛兵の制服を着たレインが見回りで通りかかった。
サラが気づいて「あ」と言った。
レインが気づいて「……どうも」と言った。
それだけで終わるところだったが、サラが「旅から帰ってきたところで」と言い、レインが「そうですか」と言い、なんとなく足が止まった。
「雨の日、ごめんなさい。ぶつかって」
「俺が逃げてたせいです」
「あの後、大丈夫でしたか」
「まあ……なんとか」
二人が止まっている間に、露店の前がちょうど空いた。二人は自然な流れで屋台の端に並んだ。焼き栗を売っている屋台だった。
「一つずつもらいますか」
「……いいです」
「割り勘で」
「いいです」
「じゃあ私が払うので、一つ食べてください」
レインは少し迷って、受け取った。
二人で焼き栗を食べながら、たいした会話もなく立っていた。でもなぜか、その沈黙は嫌な種類ではなかった。
「ここで生まれたんですか」とサラが聞いた。
「違います。親が死んでから流れてきました」
「そうですか。私はずっとここです」
「旅、楽しかったですか」
「はい。すごく」
「そうですか」
レインが焼き栗を食べ終えて、「任務があるので」と言った。
「はい。また」
「……また」
二人が別れた後、秀は二人の後ろ姿を交互に見ていた。
(この二人、またどこかで交わる)
根拠はない。でも確信があった。
そしてガルドも、いつかこの二人の近くに戻ってくる。三人の糸は、まだ繋がっている。切れていない。
テアトルムという舞台の上で、三本の糸がゆっくりと、複雑に絡み合っていく。
秀はその全部を見ている。
それが、今の自分の役割だ。




