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悪役令嬢の曽祖母の妹 〜遠い親戚だけど一族の未来は譲れない〜  作者: 月野槐樹


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第16話 聖獣

次の瞬間、透明な画面が目の前に浮かび出た。


ーーー名前:モフモフ

ーーー年齢:生後2ヶ月

ーーー称号:アイナの友達

ーーー種族:ルミエールレパード(聖獣)

ーーー魔法:光魔法

ーーースキル:結界、浄化

ーーー主従:アイナの従魔


「え? 聖獣!?」


「ルミエールレパード」と言う種族名をみた時、アイナの前世の記憶が蘇った。

大きいなユキヒョウみたいな聖獣が、ヒロインと契約し、ヒロインは聖女となったのだ。


「……あのユキヒョウと同じ種族……?」

「アイナ? どうした? テイムできたのか?」


アイナが白い毛玉をじゃらすのを見守っていたスターリー一家とフリード。

フリードが呆然としているアイナに近づいていって尋ねた。父と母、マリナもちょっと心配そうにみている。

アイナは事情を話した。白い毛玉は、後にヒロインが契約する大きなユキヒョウのような聖獣と同じ種族で、「聖獣」とステータスに表示されていると。

そして、どうやらテイム自体は成功したようだと。


「……それって、『同じ種族』じゃなくて、同一個体なんじゃないの? 聖獣って珍しいんでしょ?」

「え、でも、見た目が全然違う。ヒロインの相棒の聖獣は、小さいモフモフじゃなくて、すごく強そうな感じで……」


背中に乗って移動もできるんだよ、と説明しようとしてアイナは気がついてしまった。

今は、ゲームの物語よりもかなり前の時代であることを。


「あれ?もしかして……、このモフモフが成長するとあのユキヒョウになるの?」

「ルミエールレパードっていう同一の種族なんだろう? それなら、幼少期がこの姿で、成獣になると大型の猫系魔獣のような姿になるんじゃないのか?」


フリードが考察を述べると、父達も後ろで頷いた。


マリナが「あはは」と笑う。


「最高じゃない! 聖獣を仲間にするなんて!」

「えええ……、でもヒロインが契約する聖獣を奪っちゃってない?」

「もしかしたら、この聖獣の子とか孫とかかもしれないでしょ。ヒロインとかいう娘が契約をするのは。それに、もし、その聖獣そのものだったとしても、今はまだヒロインはいないんだし、私達は代替わりしている時代よ」

「……まあ、そうか……」


聖獣と契約をしてしまうことで、自分がゲームのヒロインにとって変わるような行動をしてしまっているのではと、アイナは考えた。しかし、脳裏に破壊されたロザリオや、魔族が再び侵攻してくる戦いの光景を思い浮かべて、気持ちを切り替えた。


「ゲーム通りに進めないつもりで国を出たんだものね!」


そっと白い毛玉に両手を伸ばす。


「ミュー」


白い毛玉がアイナに身を委ねた。ふわふわで温かい。思わずアイナの口元が緩む。


「可愛い! ……えーと、名前……。あれ? 名前『モフモフ』になってる!もう決まっちゃったってこと?」

「ミュー」


鳴き声が可愛いから「ミュー」って名前にしようかなと考え始めていたのに、ステータス画面には、既に「モフモフ」という名前が表示されていた。そういえば、最初に呼びかけるときに「モフモフちゃん」って呼んでいたことを思い出した。


「あー……、確かに、『モフモフちゃん』って呼んだよね……」

「ミュー」

「……ふふ、可愛い! これからよろしくね!モフモフちゃん」


思いがけず仲間に加わった、モフモフをアイナは抱きしめた。


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