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悪役令嬢の曽祖母の妹 〜遠い親戚だけど一族の未来は譲れない〜  作者: 月野槐樹


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第14話 光魔法

結局、転移の検証と練習の為に、平原に毎日通うことになった。

家族に危険なく無理なく進めた結果である。熟練してくると触れている他の人を転移できることもわかった。途中から平原までも転移で移動した。


スターリー一家がフリードも含めて全員転移を使い込ませるようになった頃、全員の魔力量の総量も増えていることに気がついた。


「魔力量が増えたのって、転移を繰り返したから?」

「まあ、そうだろうな。次は、魔法の検証だが……。光魔法は調べないとな」


光の女神ルミナにもたらされたらしい光魔法は、希少な魔法だ。人前で使用して失敗するなどということは避けたい。光魔法を持っているということで、教会に連れて行かれてしまうかもしれない。

アイナの場合、特大というレベルのようなので、使う意図がなくても、魔力暴走などで人前で光魔法を晒してしまう可能性がある。何ができるか、使いこなせるかは確認する必要があった。


「光ってことは、まずは灯りよね。えい!」


アイナは、懐中電灯をイメージして掌から光を発した。日が暮れかけた平原にぽうっと灯りが生まれた。


「待て、無詠唱か?」

「だって、光魔法の呪文なんて知らないし……」

「確かにそうだが……」


一般的に、詠唱をした方が魔法の結果にブレが生じにくいと言われている。だから、光魔法の呪文の資料なども探したいと父は考えていたのだが、アイナは小さな灯りなら、イメージだけで発現できる気がして試したのだ。


「魔力の消費は?」

「大丈夫そう。ウォーターボールより少ないと思う」


前世の記憶から、アイナは光魔法をイメージしやすかった。灯りにしたって懐中電灯や蛍光灯、LED電球、イルミネーション、様々な光をイメージできた。

色とりどりのイルミネーションは父達を驚かした。

ゲームの世界の設定も勿論知っている。治癒や解毒もできた。草の葉が擦れて、できた父の傷がスッと消えた。


「……大怪我も治せるようになると聖女級だな……」

「聖女は、ちょっと……、それはヒロインだから……」


ゲームの世界では、光魔法の使い手はヒロインだけだった。

水の魔法でも傷を癒すことができたので、治癒師というものは他にも多数存在していた。ただ、広範囲に大勢の傷を治したり、致命的な傷を癒すことができるのは光魔法の使い手だけだったのだ。


「水魔法でも治癒ができるようにしておこう。しかし、それも派手にならないようにしないとな」

「そうね。万一、他の人の怪我を治す必要が出た時のために、中級と高級の傷ポーションも持ち歩くようにしましょう」


水魔法で治癒をすることは、それほど珍しくはないのだが、アイナの水魔法は特大だ。一般的に期待される治癒より効果が大きいかもしれない。


「治癒の検証は、怪我をしていないとできないわね……」

「だからと言って、わざと傷を作るのはやめなさい」


マリナが、ナイフを手にとって呟くと、父が眉を顰めた。マリナは頑固そうに口を引き結んだ。


「だって、私だって光魔法を練習したいし」

「そうは言っても、ナイフで切るとかはダメだ」


マリナと父が言い争っていると、母が、摘み取った花を持って二人に近づいて行った。花を見せて言う。


「支援魔法の時は、植物でも練習をするのよ。花で試してみたらどうかしら」

「ああ、なるほど……」

「流石、お母様……」


母の提案でマリナ達が草原で敷き布を広げ、摘んできた花で治癒魔法の練習をしていた時、どこかに出かけていたフリードが、狼系らしい小さい魔獣を抱えて戻ってきた。魔獣の背中に傷があるらしく、毛皮に血がついている。


「え?ちょっと……」

「それは……、残酷ではないかね?」

「え?」


マリナと父は、フリードが治癒の練習用に小さい魔獣を捕まえてきたのだと思った。魔獣に傷をつけて治癒をするのを繰り返すのは、確かに、自分の身体を傷つけることがないし効率が良さそうだ。


「違いますよ! 怪我してたから治してやったら、テイムできるんじゃないかと思って連れてきたんですよ。シャドウウルフは、結構テイムに向いているって父から聞いたし」


フリードが連れてきたのは漆黒の毛皮をもつアイスウルフの仔だった。魔獣は通常は討伐の対象となるが、子供の魔獣をテイムして、訓練すれば従えさせることも可能なのだ。


「なるほど、テイムか……。それじゃあ、フリード君がその仔犬を治すってことか」


父の言葉にフリードが頷いた。


「えー? 痛そうだから、早く治してあげた方が良いんじゃない?」


少し離れたところで、光魔法の他の検証をしていたアイナが戻ってきて、シャドウウルフの子供を見て心配そうに言った。父は首を横に振った。


「テイムするなら傷を治すのは一人でやった方が良いだろう。難しかったらポーションも使うと良い。魔力を使った方が、テイムできる確率は上がるとは思うが」

「はい! やってみます!」


フリードは、傷ポーションと魔力ポーションを側に置きながら、シャドウウルフの子供の治癒を開始した。最初はハラハラしてみていたアイナだったが、回復してきたシャドウウルフがフリードの指をぺろりと舐めたのを見て、自分も従魔が欲しくなってきた。


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