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悪役令嬢の曽祖母の妹 〜遠い親戚だけど一族の未来は譲れない〜  作者: 月野槐樹


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第11話 異世界の女神

声は二箇所から。一方は湖の方からで、見ると流れる水のような水色の長い髪をした美しい女性が湖の辺りに立っていた。

もう一方は、「望月のダンジョン」の穴の横に、光り輝くような長い金髪の女性だ。長いまつ毛をしていて、豊満なプロポーションをしている。


『これ以上は、もうやめて。湖が干上がってしまうわ。戻せるけど面倒なのよ』

『ダンジョンを水責めにして埋める気?』


水色の髪の女性は悲しげな表情で訴えかけてくる。金髪の女性は怒っている様子だ。


「あれ?アクアリスとルミナ……?」」


アイナは二人の女性に見覚えがあった。思わず名前を口にすると、女性達が目を見開いた。


『なぜ、名前を知っているの……?』

『……其方……、もしかして……瞳……?』


「え?」


突然、前世の名前を呼ばれて、アイナは驚いて目を見開いた。その瞬間、金髪の女性の全身が光に包まれた。眩い光を放ちながら、竪琴の音色のような不思議な声で言う。


『我が名は、光の女神ルミナ。其方はわたくしの髪の色を決めた者であろう。この首飾りを作ったのも其方であろう』

『ああ! わかったわ! この私、水の女神アクアリスの腕輪と髪飾りを作った娘ね!』


水色の髪の女性の髪がうねうねと揺れ、湖の水が噴水のように吹き上がった。


フリードがさっと前に飛び出して、アイナを後ろに庇うようにして立った。きっと厳しい顔をするが、膝は震えていた。


金髪の女性、女神ルミナが目を細め薄い唇の端を上にあげた。


『ふっ……。案ずることはない。わたくしのこの美しさに貢献をした、其方に加護を与えようと考えているだけだ』

『水の女神アクアリスからも、加護を!』


女神達が優雅に腕を振ると眩しい程の光に周囲が包まれた。思わず目を閉じると、更に声が聞こえてきた。


『……だが、このダンジョンはまだ出来上がっておらぬ。来るなら出来上がってからにするが良い。生み出したばかりのフロアボスが、燃え尽きてしまったではないか。

おまけに炎と水で満たすとは……。最初から作り直さねばならぬ……』

『ああ、フロアボスを倒したなら、ダンジョンクリアだわね。初クリア特典も必要ね!』

『ふむ。そうであるな。初クリアの特典など、まだ用意しておらぬのに……、まあ、これで良いか……』

『ふふふ。私からもあげるわ……』


女神達の声が聞こえなくなり、眩しい光が消えた後、目を開くと先ほどまで開いていた大きな穴は消えていた。女神達の姿もなかった。


「ああ!望月のダンジョンが消えちゃった!?」

「まだ完成してないから、出来上がってから来いって言ってたよ」

「……準備中に邪魔してしまったの? 大丈夫かしら……」

「女神様達の様子からすると、お怒りではなさそうだったが……」

「準備中……、やばっ……」


アイナは、ハッとして青ざめた。


「望月のダンジョン」はゲーム本編では確かに存在するが、今はまだ、ゲーム本編のかなり前である。まだ作っている途中でも不思議はないのだ。


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