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悲しみの塊

作者: あまなす

ふっと風にのって

林檎の香りが流れてきた

近くに林檎の木なんてないのだけれど

季節はまだ林檎のそれではないのだけれど


きっとわたしの奥底のなにかが

わたしの知らないうちに

林檎を求めているのだろうなあ


歯をたてると

しゃぐっとおいしい音をかもすあの瑞々しい物体を

わたしは求めているのだなあ


はたしてそこまで

わたしは林檎を好きだったのかと

正直なところあまりよくわからない


あれば食べるなあ

食べる

食べる

あれば食べる


しかしあの

茶色くなってしまうのは

悲しくって

悲しくって


茶色くなってしまった林檎は

悲しみの塊だ


あの茶色をすこしもみたくないから

はやく消してしまおうと

それそれそれとばかり

無理して茶色い林檎を口へと放り込んだことは

これまで何度もあったなあ











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― 新着の感想 ―
好きです!!特に比喩への跳躍がとても美しくて、心惹かれました!!!まさに悲しみの塊ですね!!最後の思い出すような切なさが、より一層この詩の悲壮さを生み出しているような気がしました!!!
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